愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.258
「骨が折れたかも!」、骨折の応急処置
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
子どもはよく動くぶん骨折の機会も多いのですが、骨が柔らかいので大人とは違うタイプの折れ方をします。レントゲンで分かりにくいこともあり、最初の応急処置と受診判断が肝心です。今回は、骨折の応急処置をまとめます。
Q1.「骨折を疑うサインは?」
——骨が折れたかどうか分かりません
次のサインがあれば骨折を疑います [1]。
| 骨折のサイン | 詳細 |
|---|---|
| 変形 | 腕や指が曲がっている |
| 腫れ | 受傷部位が腫れている |
| 痛み | 動かすと激しく痛がる |
| 動かせない | 患肢を使わない |
| 内出血 | 紫色のあざ |
| 子どもの骨折の特徴 |
|---|
| 若木骨折(ポキッと折れず、しなる) |
| 骨端線(成長板)の骨折 |
| バックル骨折(骨がたわむ) |
| レントゲンで分かりにくいことがある |
「子どもは痛みを我慢することがあります。受傷後に腕を使わない、足を引きずるといった行動の変化があれば骨折を疑ってください。」
ポイント
- 変形・腫れ・動かせないが骨折のサイン
- 子どもは骨折しても動けることがある
- レントゲンで分かりにくいこともある
Q2.「応急処置はどうする?」
——骨折したかもしれない時、何をすればいいですか?
まずはRICE処置です [2]。受診までの時間稼ぎと、腫れ・痛みを抑えるのが目的です。
| RICE処置 | 内容 |
|---|---|
| R(Rest) | 安静にする。動かさない |
| I(Ice) | 冷やす(タオルを巻いた氷嚢で15-20分) |
| C(Compression) | 圧迫(包帯で軽く巻く) |
| E(Elevation) | 挙上(心臓より高い位置に) |
| 固定の方法 |
|---|
| 段ボール・雑誌を添え木に使う |
| 三角巾やスカーフで腕を吊る |
| 受傷した関節の上下を固定 |
| きつく巻きすぎない(血行不良に注意) |
ポイント
- RICE処置が基本
- 段ボールや雑誌が添え木になる
- 固定はきつすぎないように
Q3.「すぐに受診すべき場合は?」
——どんな場合にすぐ受診すべきですか?
次のどれかに当てはまれば、待たずに受診してください [3]。
| 緊急のサイン | 詳細 |
|---|---|
| 明らかな変形 | 腕や脚が不自然に曲がっている |
| 開放骨折 | 骨が皮膚から飛び出している |
| しびれ・冷感 | 末梢の血行障害 |
| 激しい痛み | 動かさなくても痛い |
| 腫れが急速に増大 | 内出血の可能性 |
「開放骨折、つまり骨が皮膚から見えている場合は、触らず清潔なガーゼで軽く覆って、すぐ救急です。」
ポイント
- 変形がある場合はすぐに受診
- 開放骨折は緊急
- しびれや冷感は血行障害のサイン
Q4.「指の骨折は見逃されやすい?」
——突き指だと思っていましたが
突き指だと思って放置して、実は骨折というのはよくある話です [4]。
| 突き指と骨折の見分け | 詳細 |
|---|---|
| 突き指 | 軽い腫れ、動かせる、数日で改善 |
| 骨折 | 強い腫れ、動かせない、改善しない |
| 見分けが難しい | レントゲンが必要 |
| 受診すべき突き指 |
|---|
| 腫れが強い |
| 指が曲がったまま伸びない |
| 3日経っても改善しない |
| 関節が不安定(グラグラする) |
ポイント
- 突き指でも骨折の可能性
- 3日経っても改善しなければ受診
- レントゲンで確認が必要
Q5.「骨折後の注意点は?」
——ギプスをした後の注意点は?
ギプス固定中は合併症に注意してください [5]。しびれや冷たさは「ギプスがきつい」サインです。
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| しびれ・冷感 | ギプスがきつい可能性。すぐに受診 |
| かゆみ | ギプスの中に棒を入れない(皮膚を傷つける) |
| 濡らさない | ギプスが水に弱い |
| 定期受診 | レントゲンで治癒を確認 |
| リハビリ | ギプス除去後の関節可動域訓練 |
| 子どもの骨折の良い点 |
|---|
| 治りが早い(大人の半分の期間) |
| 自己矯正力がある(多少のずれは自然に矯正) |
| 後遺症が少ない |
「子どもの骨は治る力がとても強いです。適切に固定すれば、多少のずれは成長とともに自然に矯正されることも多いです。」
ポイント
- しびれ・冷感があればすぐに受診
- ギプスを濡らさない
- 子どもの骨は治りが早い
今号のまとめ
- 変形・腫れ・動かせないが骨折のサイン
- RICE処置が応急処置の基本
- 開放骨折は緊急、すぐに受診
- 突き指でも骨折の可能性がある
- 子どもの骨は治りが早い
あわせて読みたい
- Vol.225「子どもの骨折」
- Vol.222「肘内障」
- Vol.250「頭部外傷」
ご質問・ご感想
「骨折の応急処置を知りたい」「ギプス中の注意点は?」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。
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