肘内障(ちゅうないしょう)は、1-4歳の子どもに多い肘の亜脱臼です。手を引っ張った後に突然腕を動かさなくなるのが典型的です。正しく整復すればすぐに治ります。今回は、肘内障についてお伝えします。
肘内障とは?#
| 基本情報 | 詳細 |
|---|---|
| 好発年齢 | 1-4歳(5歳以上は少ない) |
| 原因 | 手を引っ張る、腕を引っ張り上げる |
| 症状 | 腕を動かさない、だらんと下げたまま |
| 痛みの場所 | 肘(手首が痛いと言うこともある) |
典型的な受傷場面
- 手をつないで引っ張り上げた
- 転びそうになって手を引いた
- 寝返りで腕が体の下に入った
- 服を脱がせる時に腕を引いた
ポイント
- 1-4歳に多い
- 手を引っ張った後に腕を動かさなくなる
- 肘の靱帯がずれた状態
骨折との違いは?#
| 特徴 | 肘内障 | 骨折 |
|---|---|---|
| 腫れ | なし | あり |
| 受傷機転 | 引っ張られた | 転倒・転落 |
| レントゲン | 異常なし | 骨折線あり |
| 整復後 | すぐに動かす | ギプス固定が必要 |
腫れがなく、引っ張られた後に腕を動かさなくなった場合は、まず肘内障を疑います。
ポイント
- 腫れがないのが骨折との違い
- 引っ張られた後が典型的
- 整復ですぐに治る
治療はどうしますか?#
| 整復について | 詳細 |
|---|---|
| 方法 | 医師が肘を曲げながら前腕を回す |
| 所要時間 | 数秒で完了 |
| 麻酔 | 不要 |
| 成功率 | 90%以上 |
| 整復後 | 数分で腕を動かし始める |
整復時に「コクッ」という音がして、その後数分で腕を動かし始めます。整復後はすぐに元通りに遊び始めるのが特徴です。
ポイント
- 徒手整復で数秒で治る
- 麻酔は不要
- 整復後すぐに腕を動かす
繰り返しますか?#
| 再発について | 詳細 |
|---|---|
| 再発率 | 約20-30% |
| 再発時期 | 数日〜数か月以内 |
| 年齢とともに | 5歳以降は靱帯が発達して起こりにくくなる |
予防策
- 手を強く引っ張らない
- 腕を引っ張り上げて持ち上げない
- 抱っこする時は脇の下から持つ
ポイント
- 再発率は20-30%
- 5歳以降は起こりにくくなる
- 手を強く引っ張らないことが予防
受診のタイミングは?#
| 受診すべき場合 | 詳細 |
|---|---|
| 腕を動かさない | 肘内障の可能性 |
| 腫れがある | 骨折の可能性 |
| 変形がある | 骨折の可能性 |
| 整復後も動かさない | 骨折の精査が必要 |
夜間でも腕を全く動かさない場合は受診してください。整復は簡単な処置で、待つ必要はありません。
ポイント
- 腕を動かさなければ受診
- 腫れや変形があれば骨折を疑う
- 整復は簡単な処置
今号のまとめ#
- 肘内障は1-4歳に多い肘の亜脱臼
- 手を引っ張った後に腕を動かさなくなるのが典型
- 徒手整復ですぐに治る
- 再発率は20-30%だが5歳以降は減る
- 手を強く引っ張らないことが予防