「おなかが痛い」は子どもの訴えで最も多いもののひとつです。原因は便秘から虫垂炎まで様々で、年齢によっても異なります。今回は、子どもの腹痛についてお伝えします。

子どもの腹痛の原因は?#

乳児:腸重積・鼠径ヘルニア嵌頓・便秘。幼児:便秘・胃腸炎・尿路感染症。学童:便秘・機能性腹痛・虫垂炎。思春期:機能性腹痛・月経痛・虫垂炎。最も多いのは全年齢で便秘、次いで感染性胃腸炎、機能性腹痛。
ポイント
- 便秘が最も多い原因
- 年齢によって原因が異なる
- 多くは重篤な病気ではない
すぐに受診すべき腹痛は?#

至急・赤(すぐに受診):血便、緑色の嘔吐、激しい腹痛、右下腹部の痛み、歩けない。注意・黄(受診を検討):発熱を伴う、食欲がない、半日続く。家庭・緑(家庭でケア):便秘を確認、お腹を温める、水分をとる。
腸重積の3徴候
- 突然の腹痛(間欠的に泣く)
- 嘔吐
- 血便(いちごジャム状)
乳児の間欠的な腹痛(泣いたり止んだりを繰り返す)は腸重積を疑います。
ポイント
- 血便・胆汁性嘔吐は緊急
- 右下腹部痛は虫垂炎を疑う
- 乳児の間欠的な腹痛は腸重積の可能性
虫垂炎はどう見分けますか?#

初期(発症〜数時間):みぞおち〜おへその漠然とした鈍痛、食欲不振、吐き気。場所がはっきりせず胃腸炎と紛らわしい。数時間後:痛みが右下腹部へ移動。押すと痛い・歩くと響く、押して離すと痛む反跳痛、発熱、歩行時の振動痛。
虫垂炎を疑ったら
- 食事も飲み物も控える(絶飲食・手術に備えて)
- 自己判断で痛み止めを飲ませない
- 痛みが強ければ受診時に必ず医師へ伝える(適切な鎮痛は診断の妨げになりません)
- 速やかに受診
ポイント
- 痛みが右下腹部に移動する
- 食欲低下は重要なサイン
- ジャンプで痛みが増す
機能性腹痛とは?#
| 特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 年齢 | 学童〜思春期に多い |
| 頻度 | 学童の約10-15% |
| 痛みの部位 | おへそ周り |
| 持続 | 数分〜数時間 |
| 増悪因子 | ストレス、不安、疲労 |
対応
- 器質的疾患を除外した上で診断
- 心理的サポートが重要
- 規則正しい生活リズム
- 登校を促す(休むと悪化しやすい)
仮病ではなく、実際に痛いのです。お子さんの痛みを認めた上で、対応することが大切です。
ポイント
- 検査で異常がなくても痛みは本物
- ストレスが関与することが多い
- 心理的サポートが重要
家庭でできる対応は?#

| 対応 | 方法 |
|---|---|
| 排便確認 | 便秘なら浣腸で改善することが多い |
| 温める | おなかにホットタオルを当てる |
| 休ませる | 楽な姿勢で休ませる |
| 水分補給 | 少量ずつ水分を与える |
| 経過観察 | 痛みの場所・程度の変化を確認 |
受診までに記録すること
- いつから痛いか
- どこが痛いか(指で示す)
- 嘔吐・下痢・発熱の有無
- 最後の排便はいつか
ポイント
- まず便秘を疑う
- 痛みの経過を記録
- 悪化するなら受診
今号のまとめ#
- 便秘が子どもの腹痛の最も多い原因
- 血便・胆汁性嘔吐は緊急
- 右下腹部に移動する痛みは虫垂炎を疑う
- 機能性腹痛は仮病ではない
- 排便状況の確認が家庭での第一歩