子どもは転倒や落下により頭をぶつけることが多く、保護者にとって心配な出来事です。多くは軽症ですが、まれに頭蓋内出血など重篤な損傷が隠れていることがあります。今回は、子どもの頭部外傷についてお伝えします。
頭をぶつけたら受診すべき?#
| すぐに受診すべき場合 | 詳細 |
|---|---|
| 意識がおかしい | ボーッとしている、反応が鈍い |
| 嘔吐を繰り返す | 2回以上の嘔吐 |
| けいれん | 手足がガクガクする |
| 頭蓋骨の凹み | 触って凹みがある |
| 大量の出血 | 止血できない |
| 高所からの落下 | 1m以上(乳児は90cm以上) |
受傷後48時間は要注意
- 遅発性の頭蓋内出血がありうる
- 症状の変化に注意して経過観察
- 夜間も数回起こして意識を確認
ポイント
- 意識障害・繰り返す嘔吐は緊急
- 高所からの落下は受診を
- 48時間は経過観察が必要
たんこぶができましたが大丈夫?#
| たんこぶの特徴 | 注意度 |
|---|---|
| おでこのたんこぶ | 比較的安心(前頭部は骨が厚い) |
| 側頭部・後頭部のたんこぶ | 要注意(骨が薄い) |
| 大きなたんこぶ(5cm以上) | 要注意 |
| ぶよぶよしたたんこぶ | 頭蓋骨骨折の可能性(帽状腱膜下血腫) |
たんこぶの対応
- 冷やす(氷嚢やタオルで15-20分)
- 安静にする
- 症状の変化を観察
ポイント
- おでこのたんこぶは比較的安心
- 側頭部・後頭部は注意が必要
- ぶよぶよしたたんこぶは受診を
CT検査は必要ですか?#
| CT検査の基準(PECARN) | 詳細 |
|---|---|
| GCS 14以下 | 意識レベルの低下 |
| 頭蓋骨骨折の徴候 | 触知可能な陥没、頭蓋底骨折の所見 |
| 意識状態の変化 | ボーッとしている |
| 嘔吐、頭痛 | リスク因子(中等度リスク) |
| 受傷機転 | 高エネルギー外傷 |
CTは放射線被ばくのリスクがあるため、必要な場合にのみ行います。医師が症状と受傷機転を評価して判断します。
ポイント
- 全例にCTは不要
- 放射線被ばくのリスクを考慮
- PECARNルールで判断
経過観察のポイントは?#
| 観察項目 | 注意すべき症状 |
|---|---|
| 意識 | ボーッとする、呼びかけへの反応が鈍い |
| 嘔吐 | 繰り返す嘔吐(1-2回は正常反応の場合も) |
| 歩行 | ふらつく、まっすぐ歩けない |
| 瞳孔 | 左右の大きさが違う |
| 行動 | いつもと違う行動、異常な興奮・不機嫌 |
夜間の対応
- 就寝後2-3時間後に一度起こす
- 名前を呼んで反応を確認
- 翌朝まで計2-3回確認
ポイント
- 48時間は慎重に観察
- 夜間も数回起こして確認
- いつもと違う様子があれば受診
頭部外傷の予防は?#
| 年齢 | 予防策 |
|---|---|
| 乳児 | ベッド・ソファからの転落防止(柵の確認) |
| 幼児 | 家具の角にクッション、階段にゲート |
| 学童 | 自転車ヘルメットの着用 |
| 全年齢 | 遊具での安全確認 |
特に注意すべき場面
- おむつ替え中(台からの転落)
- 歩行器の使用(階段落下のリスク)
- 自転車・キックボード(ヘルメット必須)
- 窓からの転落(ストッパーの設置)
ポイント
- 環境整備で予防可能
- ヘルメットの着用を徹底
- 歩行器は推奨されない
今号のまとめ#
- 頭部外傷の多くは軽症
- 意識障害・繰り返す嘔吐は緊急
- 48時間の経過観察が重要
- 全例にCTは不要、医師が判断
- ヘルメット着用と環境整備で予防