「37.5℃でした。熱でしょうか?」、外来で本当によく聞かれます。体温の測り方や体温計の種類によって、同じ子どもでも0.5℃以上の差が出ることがあります。
今回は、体温計の種類ごとの精度と正しい測り方、そして平熱の考え方を整理します。
体温計はどれがいいですか?#
| 種類 | 精度 | 測定時間 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 脇(実測式) | ★★★ 最も正確 | 10分 | 正確だが時間がかかる |
| 脇(予測式) | ★★☆ | 15〜30秒 | 日常使いに便利。±0.2℃程度の誤差 [1] |
| 耳(鼓膜式) | ★★☆ | 1〜2秒 | 角度で誤差が出やすい。耳垢にも影響される |
| おでこ(非接触式) | ★☆☆ | 1秒 | スクリーニング向き。±0.5℃以上の誤差あり [2] |
ポイント
- 最も正確なのは脇の実測式(10分) [1]
- 日常使いは予測式でOK
- おでこ式はスクリーニング用。正確な判断には脇で確認
脇で正しく測るコツは?#
脇で測る正しい手順:
- 汗を拭く(汗があると低く出る)
- 体温計を脇の中央(くぼみの最深部)に当てる
- 斜め下から脇の中心に向けて差し込む(体温計の先端が脇の奥に密着する角度)
- 腕を体に密着させる(隙間があると低く出る)
- 実測式なら10分、予測式なら電子音が鳴るまで待つ
よくある間違い:
- 服の上から挟む → 低く出る
- 測定中に動き回る → 不正確
- 電子音が鳴る前に抜く → 低く出る
ポイント
- 汗を拭いてから、脇の奥に斜め下から差し込む
- 予測式でも電子音まで動かさない
- 左右差は正常。毎回同じ側で測る
37.5℃は熱ですか?#
| 年齢 | 平熱の目安 |
|---|---|
| 新生児〜乳児 | 36.5〜37.4℃ |
| 幼児 | 36.5〜37.2℃ |
| 学童以降 | 36.0〜37.0℃ |
平熱の把握方法:
- 元気なときに朝・昼・夕の3回、3日間測る
- その平均値が「お子さんの平熱」
- 平熱+1℃以上を発熱の目安とする
ポイント
- 乳児の平熱は37.4℃まで正常 [3]
- 発熱の判断は「普段の体温+1℃」が目安
- 元気なときに平熱を把握しておく
測るタイミングで体温が変わりますか?#
体温が高く出るタイミング:
- 入浴後(30分〜1時間は高い)
- 食後(消化による代謝熱)
- 泣いた後・運動後(筋肉の発熱)
- 厚着・布団の中(放熱が妨げられる)
- 夕方(日内変動で朝より0.5℃高い)
低体温にも注意:
- 35.5℃以下が続く場合は要注意
- 新生児は環境温度に影響されやすい
- 低体温が続く場合は受診を
ポイント
- 入浴後・食後・泣いた後は高く出る
- 怪しければ30分後に測り直す
- 夕方は朝より0.5℃高いのが正常
まとめ#
- 体温計: 日常は予測式、微妙なときは実測式10分
- 測り方: 汗を拭いて、脇の奥に斜め下から
- 平熱: 乳児は37.4℃まで正常。「普段+1℃」が発熱の目安
- タイミング: 入浴後・食後・泣いた後は高く出る。30分後に再検
お子さんの平熱を元気なときに把握しておくことが、いざというときの一番の備えです。