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「離乳食は手作りじゃないとダメ?」、ベビーフードの科学的実力
Vol.323栄養・食事

「離乳食は手作りじゃないとダメ?」、ベビーフードの科学的実力

ベビーフードの賢い活用法と手作りとの上手な使い分け

栄養・食事6〜12ヶ月・1〜3歳6
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 6·Q&A 4問収録

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この記事のポイント

  • 市販ベビーフードは栄養面で手作りに劣りません(厚労省ガイドライン準拠)
  • '手作り信仰'のプレッシャーは親のメンタルヘルスに悪影響を及ぼします
  • 手作りとベビーフードの併用が現実的かつ合理的な選択肢です

愛育病院 小児科おかもん だより Vol.323

「離乳食は手作りじゃないとダメ?」、ベビーフードの科学的実力

今号のポイント

  1. 2
    市販ベビーフードは栄養面で手作りに劣りません(厚労省ガイドライン準拠)
  2. 4
    "手作り信仰"のプレッシャーは親のメンタルヘルスに悪影響を及ぼします
  3. 6
    手作りとベビーフードの併用が現実的かつ合理的な選択肢です

こんにちは。愛育病院小児科のおかもんです。

「市販のベビーフードばかり使ってしまって罪悪感がある」、離乳食期のお母さん・お父さんからよく聞く声です。しかし科学的に見ると、市販のベビーフードは決して"手抜き"ではありません。今回は、ベビーフードの本当の実力と上手な活用法についてお話しします。

Q1. 市販のベビーフードは栄養的に大丈夫?

——やっぱり手作りの方が栄養があるんじゃないかと思ってしまいます…

厚生労働省の『授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)』では、ベビーフードについて『適切に利用することは悪いことではない』と明記しています[1]。日本のベビーフードは厚労省の規格基準(乳児用食品の規格基準)に基づいて製造されており、栄養バランスや衛生面は厳しく管理されています。

実は手作り離乳食の方が、鉄分やビタミンDなどの微量栄養素が不足しがちであることが複数の研究で指摘されています[2]。ベビーフードはこうした不足しやすい栄養素が意識的に添加されていることが多いのです。」

ポイント 市販ベビーフードは厳しい規格基準で製造されており、栄養面で手作りに劣りません。むしろ微量栄養素の補完に優れています。

Q2. ベビーフードにはどんなメリットがあるの?

お父さん「具体的にどんな良い点がありますか?」

主なメリットは以下の4つです。

  1. 2
    衛生的:工場の衛生管理下で製造・密封されており、食中毒リスクが低い
  2. 4
    栄養バランス:管理栄養士が設計し、月齢に合わせた栄養組成になっている
  3. 6
    災害備蓄:常温で長期保存が可能なため、災害時の備蓄食として極めて有用[3]
  4. 8
    時間の節約:調理時間を減らし、その分を子どもとの触れ合いの時間に充てられる

特に災害備蓄は見落とされがちですが重要です。ローリングストック法(普段使いしながら備蓄する方法)でベビーフードを備えておくことは、防災の観点からも推奨されます。」

ポイント ベビーフードは衛生面・栄養面に加え、災害備蓄としても重要。時間の節約で親子の時間が増えるメリットもあります。

Q3. 手作りとベビーフード、どう組み合わせればいい?

——全部ベビーフードでもいいんですか? それとも手作りと混ぜた方がいい?

併用が最も現実的で合理的です。例えば、おかゆは手作りして、おかずはベビーフードを活用する。あるいは平日はベビーフード中心で、週末に余裕があれば手作りを取り入れる、というのも良いアプローチです。

大切なのは完璧を目指さないことです。"手作り信仰"のプレッシャーは、特にワンオペ育児の親御さんのメンタルヘルスに大きな負荷をかけます[4]。育児において最も重要なのは、親が心身ともに健康であること。離乳食を手作りすることよりも、笑顔で食卓を囲むことの方がずっと大切です。

ただし、ベビーフードだけに頼る場合は食感のバリエーションに注意してください。市販品はなめらかに加工されていることが多いため、月齢に応じて手づかみ食べの練習用に柔らかく茹でた野菜スティックなどを併用すると良いでしょう。」

ポイント 手作りとベビーフードの併用が合理的。完璧を目指さず、親の心身の健康を優先しましょう。

Q4. BLW(赤ちゃん主導の離乳食)はどう思いますか?

お父さん「最近SNSでBLWという方法をよく見ます。スプーンで食べさせるのとどちらがいいですか?」

BLW(Baby-Led Weaning)は、ペースト状の離乳食をスプーンで食べさせる従来法と異なり、最初から固形食を赤ちゃん自身に手づかみで食べさせる方法です。

メリットとしては、自己調節能力の促進(自分で食べる量を決める)や手指の発達が挙げられます。一方、いくつかの注意点もあります。

  • 窒息リスク:適切な食材の大きさ・形状の知識が必要です[5]
  • 鉄分不足:鉄分豊富な食材(赤身肉など)を意識的に取り入れる必要があります
  • 食べる量が安定しにくい:最初のうちは遊び食べが多い

現在のエビデンスでは、BLWと従来法のどちらが優れているかについて明確な結論は出ていません[6]。大切なのは、赤ちゃんの発達段階に合わせ、安全に配慮しながら食事を楽しめることです。BLWに興味がある方は、従来法と組み合わせるハイブリッドアプローチも良い選択肢です。」

ポイント BLWも従来法も一長一短。窒息リスクへの配慮は必須です。ハイブリッドアプローチも有効。

まとめ

  • 市販ベビーフードは栄養面で手作りに劣らず、厳しい規格基準で製造されている
  • ベビーフードは衛生面・災害備蓄・時間節約の面でもメリット大
  • 手作りとの併用が現実的かつ合理的
  • "手作り信仰"のプレッシャーより、親のメンタルヘルスと食卓の笑顔が大切
  • BLWは従来法と組み合わせるハイブリッドアプローチも有効

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