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子どもの夜間発熱|救急受診の判断基準と#8000活用法
Vol.23救急

子どもの夜間発熱|救急受診の判断基準と#8000活用法

夜中に子どもが発熱したとき、救急受診すべきか朝まで待てるかの判断基準、小児救急電話相談#8000の使い方を解説します。

救急全年齢8
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 5·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • 夜間受診の判断は体温の高さではなく「全身状態」で見る
  • #8000(こども医療でんわ相談)は夜間の頼れる相談窓口
  • 5項目チェック(反応・水分・呼吸・顔色・月齢)で朝まで待てるか判断できる

愛育病院 小児科おかもん だより Vol.23

「夜中に熱が出た!今すぐ救急?朝まで待つ?」、#8000と受診判断のコツ

今号のポイント

  1. 2
    夜間受診の判断は体温の高さではなく「全身状態」で見る
  2. 4
    #8000(こども医療でんわ相談)は夜間の頼れる相談窓口
  3. 6
    5項目チェック(反応・水分・呼吸・顔色・月齢)で朝まで待てるか判断できる

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

子どもの急な発熱や嘔吐。それが夜中の2時だと、「今すぐ救急に行くべき?」「朝まで待って大丈夫?」と迷いますよね。ほとんどの場合、お子さんの状態が安定していれば朝まで待って大丈夫です。

今回は、夜間の受診判断の具体的な基準と、困ったときに頼れる#8000(こども医療でんわ相談)について解説します。

Q1.「夜中に38.5度の熱。救急に行くべきですか?」

お父さん「2歳の子が夜中に38.5度の熱を出しました。ぐずっていますが、水分は取れています。救急に行ったほうがいいですか?」

結論から言うと、そのケースは朝まで待って大丈夫です。夜間受診の判断で最も大事なのは体温の高さではなく、全身状態です

お父さん「体温は関係ないんですか?」

もちろん目安にはなりますが、38.5度でも元気に遊んでいる子と、37.8度でもぐったりしている子では、後者のほうが心配です。小児科医が見ているのは、常に「熱の高さ」より「子どもの様子」です [1]

夜間でもすぐに受診すべきサイン:

症状具体的な見方
意識がおかしい呼んでも反応が鈍い、ぼーっとしている
呼吸が苦しそう肩で息をする、陥没呼吸(息を吸うときに肋骨の下がへこむこと)
唇が紫色チアノーゼ(酸素不足で唇や爪が紫色になること)
けいれん手足がガクガク震える(vol014参照)
水分が取れない嘔吐を繰り返し、全く飲めない
生後3ヶ月未満の発熱38度以上なら夜間でも必ず受診

この中で特に強調したいのが生後3ヶ月未満の発熱です。この月齢の赤ちゃんは重症感染症(細菌性髄膜炎など)のリスクが高いため、38度以上なら夜間でも必ず受診してください [2]

ポイント

  • 受診判断は体温の高さより全身状態が重要
  • 意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、けいれんは夜間でもすぐ受診
  • 生後3ヶ月未満の38度以上は時間を問わず受診 [2]

Q2.「#8000って何ですか?どうやって使うんですか?」

お父さん「迷ったとき、誰かに相談できると助かるのですが……」

まさにそのためのサービスがあります。#8000(こども医療でんわ相談)です。厚生労働省の事業で、小児科医師や看護師が電話で相談に乗ってくれます [3]

#8000の使い方:

項目内容
電話番号#8000(プッシュ回線・携帯電話)
対象15歳未満の子どもの保護者
相談内容受診の必要性、応急処置、家庭での対応
対応者小児科医師・看護師
費用相談は無料(通話料のみ)

お父さん「何時まで対応していますか?」

都道府県によって異なりますが、多くの地域では夜19時〜翌朝8時です。東京都は月〜金 18時〜翌8時、土日祝 8時〜翌8時と比較的広い時間帯で対応しています。事前にお住まいの地域の対応時間を確認しておくと安心です

お父さん「つながらないこともありますか?」

残念ながら、インフルエンザの流行期など混雑時はつながりにくいことがあります。つながらない場合は、各地域の救急医療情報センターにかけるか、日本小児科学会の「こどもの救急」ウェブサイトで症状別のチェックリストを確認できます

ポイント

  • #8000は小児科医師・看護師に電話相談できるサービス [3]
  • 多くの地域で夜19時〜翌朝8時に対応
  • つながらない場合は救急医療情報センターや「こどもの救急」ウェブサイトを活用

Q3.「朝まで待てるケースと、すぐ受診すべきケースの見分け方は?」

お父さん「正直、夜中だとパニックになって判断できなくなります。簡単なチェックリストがあると助かります」

とてもよい質問です。「教えて!ドクター」(長野県佐久医師会が作成)のフローチャートを参考に、簡易版チェックリストを作りました [4]

夜間チェックリスト(5項目):

以下が全てYesなら、朝まで待てる可能性が高い:

  1. 2
    呼びかけに反応する(目を合わせる、声を出す)
  2. 4
    水分が取れている(最後の水分摂取から4-6時間以内)
  3. 6
    呼吸が穏やか(肩で息をしていない、陥没呼吸がない)
  4. 8
    顔色がよい(唇が紫色でない)
  5. 10
    生後3ヶ月以上

1つでもNoがあれば → #8000に相談 or 救急受診

お父さん「この5つだけ確認すればいいんですね」

はい。特に大事なのは1番目の「反応」です。いつもと同じように反応するかどうかが、最も信頼できる全身状態の指標です。お父さんが普段一緒にいるからこそわかる「いつもと違う」という感覚は、実は非常に正確です。その直感を信じてください

ポイント

  • 5項目チェック: 反応、水分摂取、呼吸、顔色、月齢 [4]
  • 全てYesなら朝まで待てる可能性が高い
  • 「いつもと違う」という親の直感は信頼できる

Q4.「「コンビニ受診」と言われそうで、軽症で受診するのが申し訳ないのですが」

お父さん「以前、夜間救急に行ったら「これは朝でよかったですね」と言われて、それ以来行きにくくなりました」

そのお気持ちはとてもわかります。確かに夜間救急の適正利用は小児医療の課題です。夜間救急を受診する子どもの約80-90%は軽症というデータがあり、本当に緊急性の高い重症患者への対応が遅れるリスクがあります [5]

しかし同時に、迷ったら受診してよいと私は思っています。大事なのは、日頃から「かかりつけ医」を持ち、日中のうちに相談する習慣をつけることです

上手な受診のコツ:

  1. 2
    かかりつけ医の診療時間内に相談: 「夜に悪化したらどうすればいいですか?」と事前に聞いておく
  2. 4
    #8000を先に利用: 受診すべきかの判断をプロに委ねる
  3. 6
    夜間受診時は経過を伝える: いつから、どんな症状が、どう変化したか
  4. 8
    お薬手帳を持参: 飲んでいる薬がわかると診療がスムーズ

「迷って受診する」のは決して悪いことではありません。ただし、上記のステップを踏むことで、夜間救急をより有効に活用できます

ポイント

  • 夜間救急受診の80-90%は軽症だが、迷ったら受診してよい [5]
  • かかりつけ医への日中の相談と#8000の活用が大切
  • 受診時は経過とお薬手帳を持参

Q5.「家庭に備えておくべきものはありますか?」

お父さん「夜間に備えて、準備しておくべきものを教えてください」

夜間の急な体調変化に備えて、以下を準備しておくと安心です

家庭の備え(6つ):

  1. 2
    体温計: 脇で測る電子体温計(予測式が便利)。普段から平熱を知っておく
  2. 4
    解熱剤(カロナール/アセトアミノフェン): かかりつけ医から処方されたものを常備。用量を確認済みにしておく
  3. 6
    経口補水液: OS-1やアクアライトなど。脱水対策の基本
  4. 8
    保険証と医療証: すぐ持ち出せる場所に保管
  5. 10
    お薬手帳: 現在飲んでいる薬がわかるように
  6. 12
    連絡先メモ: #8000、かかりつけ医の番号、最寄りの夜間救急病院

特に大事なのは「普段の平熱を知っておくこと」です。赤ちゃんの平熱は36.5〜37.5度と個人差があります。普段の平熱がわかっていれば、異常な発熱かどうかの判断がしやすくなります

もう1つ。スマホに「こどもの救急」をブックマークしておいてください。日本小児科学会が作成したウェブサイトで、症状を入力すると受診の目安をチェックリスト形式で教えてくれます

ポイント

  • 体温計、解熱剤、経口補水液を常備
  • 平熱を知っておくことが発熱の判断に役立つ
  • 「こどもの救急」ウェブサイトをブックマークしておく

まとめ

  • 夜間受診の判断は体温の高さではなく全身状態を見る
  • #8000(こども医療でんわ相談)は夜間の頼れる相談窓口
  • 5項目チェック: 反応、水分、呼吸、顔色、月齢
  • 生後3ヶ月未満の発熱は時間を問わず受診
  • 迷ったら#8000 → かかりつけ医 → 救急受診の順に

困ったときは遠慮なく#8000に電話してください。「相談してよかった」と思える仕組みです。

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