読み進めた見出しを、この端末にしおりとして記録します。
「うちの子、O脚がひどいんです」「内股で歩いて転びやすい」、乳幼児健診でよく受ける相談です。実は、乳幼児期の足の形は大人と違って、発達過程で大きく変化するのが普通です [1]。今回はそれを整理してお伝えします。
正常な足の形の変化#
Salenius と Vankka (1975) の古典的研究では、子どもの脚のアライメント(向き)は年齢とともに以下のように変化すると報告されています [1]。
| 年齢 | 典型的な脚の形 |
|---|---|
| 0〜1歳 | O脚(生理的内反膝) |
| 1〜2歳 | O脚→まっすぐ |
| 2〜4歳 | X脚(生理的外反膝) |
| 4〜6歳 | X脚→まっすぐ |
| 6〜7歳 | 大人に近い形に定着 |
年齢典型的な脚の形
0〜1歳
O脚(生理的内反膝)
1〜2歳
O脚→まっすぐ
2〜4歳
X脚(生理的外反膝)
4〜6歳
X脚→まっすぐ
6〜7歳
大人に近い形に定着
つまり「O脚→まっすぐ→X脚→まっすぐ」という変遷が正常です [1]。2歳児のO脚、4歳児のX脚は心配いりません。
| 生理的O脚 | 内容 |
|---|---|
| 年齢 | 2歳以下 |
| 両側対称 | 左右同じ |
| 痛みなし | 歩行正常 |
| 身長正常 | 成長問題なし |
生理的O脚内容
年齢
2歳以下
両側対称
左右同じ
痛みなし
歩行正常
身長正常
成長問題なし
| 生理的X脚 | 内容 |
|---|---|
| 年齢 | 2〜5歳 |
| 膝の間隔 | 5〜7cm以内 |
| 両側対称 | 左右同じ |
| 歩行正常 | 転ばない |
生理的X脚内容
年齢
2〜5歳
膝の間隔
5〜7cm以内
両側対称
左右同じ
歩行正常
転ばない
内股歩きは#
内股歩き(in-toeing gait)は、幼児期にとても多い歩き方です。原因は3つあります [2]。
| 内股の原因 | 年齢 | 内容 |
|---|---|---|
| 中足骨内転症 | 乳児期 | 足の前半分が内向き |
| 脛骨内捻 | 1〜3歳 | すねがねじれ気味 |
| 大腿骨前捻 | 3〜6歳 | 股関節が内向き |
内股の原因
中足骨内転症
年齢
乳児期
内容
足の前半分が内向き
内股の原因
脛骨内捻
年齢
1〜3歳
内容
すねがねじれ気味
内股の原因
大腿骨前捻
年齢
3〜6歳
内容
股関節が内向き
| 経過 | 内容 |
|---|---|
| 中足骨内転症 | 1歳までに90%以上が自然改善 [2] |
| 脛骨内捻 | 4〜6歳で自然改善 |
| 大腿骨前捻 | 8〜10歳までに改善 |
ほとんどの内股は治療なしで改善します [2]。昔は矯正靴や装具が使われていましたが、現在は効果がないと分かっており使われません。
| 内股でも心配不要なケース | 内容 |
|---|---|
| 左右対称 | 両側同じ |
| 痛みなし | 歩行時も寝る時も |
| 走れる | 運動発達正常 |
| 時々転ぶ | 幼児なら普通 |
内股でも心配不要なケース内容
左右対称
両側同じ
痛みなし
歩行時も寝る時も
走れる
運動発達正常
時々転ぶ
幼児なら普通
受診すべき足の形#
ほとんどは正常範囲ですが、次のような場合は整形外科受診を [3]。
| 受診を検討するサイン | 内容 |
|---|---|
| 左右差が明らか | 片側だけ曲がる |
| 足を痛がる | 歩行時・夜間 |
| 歩き方が変 | 跛行(びっこ) |
| よく転ぶ | 同年代より頻回 |
| 身長が極端に低い | くる病など |
| 膝の間隔が大きい | 5cm以上の重度O脚 |
| 重度X脚 | 膝を合わせて足首が離れる |
| 発達遅延 | 歩き始めが遅い |
受診を検討するサイン内容
左右差が明らか
片側だけ曲がる
足を痛がる
歩行時・夜間
歩き方が変
跛行(びっこ)
よく転ぶ
同年代より頻回
身長が極端に低い
くる病など
膝の間隔が大きい
5cm以上の重度O脚
重度X脚
膝を合わせて足首が離れる
発達遅延
歩き始めが遅い
偏平足は治療が必要ですか#
乳幼児の足の裏はふっくらしており、「偏平足」に見えますが、これは脂肪で土踏まずが埋まって見えているだけです [5]。
| 年齢 | 偏平足の扱い |
|---|---|
| 0〜3歳 | 全員偏平足に見える、正常 |
| 3〜5歳 | 土踏まずが徐々に形成 |
| 6歳以降 | 土踏まずが明確に |
年齢偏平足の扱い
0〜3歳
全員偏平足に見える、正常
3〜5歳
土踏まずが徐々に形成
6歳以降
土踏まずが明確に
Pfeiffer ら (2006) の調査では、3〜6歳の健康な子どもの約54%が「偏平足」に分類されましたが、問題のある子はほとんどいませんでした [5]。
| 治療が必要な偏平足 | 内容 |
|---|---|
| 痛みあり | 歩行時の痛み |
| 疲れやすい | 長時間歩けない |
| 硬性偏平足 | つま先立ちで土踏まずが出ない |
| 足の変形を伴う | 外反扁平足 |
治療が必要な偏平足内容
痛みあり
歩行時の痛み
疲れやすい
長時間歩けない
硬性偏平足
つま先立ちで土踏まずが出ない
足の変形を伴う
外反扁平足
| 治療が不要な偏平足 | 内容 |
|---|---|
| 無症状 | 痛みなし |
| 柔軟性あり | つま先立ちで土踏まずが出る |
| 年齢相応 | 6歳未満 |
治療が不要な偏平足内容
無症状
痛みなし
柔軟性あり
つま先立ちで土踏まずが出る
年齢相応
6歳未満
靴のインソールや矯正は、無症状の生理的偏平足には必要ありません [5]。
靴選びのポイント#
子どもの足は発達中なので、靴選びは大事です [6]。
| 靴選びのポイント | 内容 |
|---|---|
| サイズ | つま先に5〜10mmの余裕 |
| 柔らかい | 特に最初の靴 |
| 足首まで覆う | 乳児は高さで安定 |
| マジックテープ | 履きやすい |
| 定期チェック | 3か月に1回サイズ確認 |
| お下がり注意 | 靴底が変形していることが多い |
靴選びのポイント内容
サイズ
つま先に5〜10mmの余裕
柔らかい
特に最初の靴
足首まで覆う
乳児は高さで安定
マジックテープ
履きやすい
定期チェック
3か月に1回サイズ確認
お下がり注意
靴底が変形していることが多い
| 避けたい靴 | 理由 |
|---|---|
| 大きすぎる | 転倒リスク |
| 小さすぎる | 足の変形 |
| 底が硬すぎる | 足の発達を妨げる |
| 完全に平ら | 足のアーチに合わない |
避けたい靴理由
大きすぎる
転倒リスク
小さすぎる
足の変形
底が硬すぎる
足の発達を妨げる
完全に平ら
足のアーチに合わない
今号のまとめ#
- 乳幼児のO脚・内股は発達過程の正常パターン
- O脚→まっすぐ→X脚→まっすぐの変遷
- 内股の多くは自然改善、装具は効果なし
- 左右差・痛み・跛行は要受診
- 乳幼児の偏平足は正常、無症状なら治療不要
- 靴は定期的にサイズチェック