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おへその出っ張り、臍ヘルニア
Vol.423生活・育児

おへその出っ張り、臍ヘルニア

乳児の臍ヘルニアの経過と、圧迫療法・手術の判断基準

生活・育児0〜6ヶ月・6〜12ヶ月・1〜3歳5
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 5·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • 臍ヘルニアは乳児の約20%にみられ、多くは自然閉鎖
  • 2歳までに80〜90%が自然閉鎖する
  • 2歳以降も残存する場合や大きい場合は手術を検討

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.423

おへその出っ張り、臍ヘルニア

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「おへそがぽこっと飛び出していて」「泣くと膨らむんです」、乳児健診でよくご相談いただきます。これは臍ヘルニア(umbilical hernia)、通称「でべそ」と呼ばれる状態です [1]。

臍ヘルニアとは

お腹の中と外を仕切る腹壁が、へその部分で完全に閉じていないために、泣いたりいきんだりするとそこから腸や脂肪が膨らんで出てくる状態です [1]。

臍ヘルニアの基本内容
原因臍輪(腹壁筋の穴)が閉じていない
発症時期生後数週間〜1か月頃
大きさ数mm〜数cm
頻度乳児の約15〜20% [1]
リスク早産児、低出生体重児

泣いたり力んだりしたときに膨らむのが特徴です。それ自体は心配ないサインです。

心配のいらない特徴内容
柔らかい押すとへこむ
還納できる押すとお腹の中に戻る
痛がらない泣いても痛がらない
色が変わらない皮膚の色は普通
💡多くは自然に治ります

急いで治す必要はなく、経過観察が基本です。

ポイント

  • 乳児の15〜20% [1]
  • 泣くと膨らむのは特徴
  • 心配不要なことが多い

自然に治りますか

はい、多くは自然に治ります [2]。

自然閉鎖率時期
1歳まで約60%
2歳まで約80〜90% [2]
3歳まで約95%
4歳以降自然閉鎖は稀

腹壁筋が発達するにつれて徐々に小さくなり、最終的に閉じます [2]。

自然閉鎖しにくい特徴内容
臍輪が大きい直径2cm以上 [2]
年齢が上2歳以上
ヘルニアが大きい皮膚が伸展

ポイント

  • 2歳までに80〜90%閉鎖 [2]
  • 臍輪の大きさが予測因子
  • 焦らず経過観察

圧迫療法について

近年、日本では綿球やスポンジで押さえる圧迫療法(adhesive strapping)が広がっています [3]。Yanagisawa ら (2016) の研究で、89例中81例(91%)が2〜13週の絆創膏圧迫療法で閉鎖し、観察群よりも閉鎖速度が有意に速かったと報告されています [3]。

圧迫療法の概要内容
対象生後3〜4か月〜1歳頃
方法綿球やスポンジを絆創膏で固定
期間数週間〜数か月
実施場所小児科・小児外科
注意自己判断ではなく医師の指導下

日本では広く行われていますが、海外では標準治療ではありません [4]。エビデンスは蓄積中です。

ポイント

  • 圧迫療法で閉鎖が早まる [3]
  • 医師の指導下で
  • 日本では広く行われる

手術が必要なケース

以下の場合、手術を検討します [5]。

手術検討内容
2歳以降も残存自然閉鎖の望みが薄い
臍輪2cm以上大きい
嵌頓腸が挟まり戻らない(緊急)
痛みあり嵌頓の可能性
変色血流障害

手術は30〜60分、日帰りまたは1泊が一般的です [5]。

嵌頓の緊急サイン対応
硬い、戻らないすぐ受診
強く痛がるすぐ受診
嘔吐緊急受診
紫・黒に変色救急受診
⚠️嵌頓は救急受診

稀ですが、起きた時は緊急対応が必要です。

ポイント

  • 2歳以降は手術を検討 [5]
  • 嵌頓は救急
  • 手術は短時間で良好

予防はできますか

残念ながら、発症の予防はできません [1]。

迷信実際
硬貨でへそを押さえる効果なし、感染リスク
テープで巻く効果なし
お風呂で強く押すやめる

日常は入浴時にへそを優しく洗うだけで十分です [1]。

コンコン先生
🏥

おかもん先生より

長男も少しでべそで、妻がとても心配していました。僕は「2歳までにほとんど治るから」と伝えて経過を見守りました。1歳半頃には目立たなくなり、今は全く気になりません。知識があると、家族の不安が大きく減ります。臍ヘルニアは焦らなくていい典型例です。

ポイント

  • 予防法はない [1]
  • 迷信に惑わされない
  • 普通のケアで十分

今号のまとめ

  • 乳児の15〜20%にみられる
  • 2歳までに80〜90%が自然閉鎖
  • 圧迫療法は閉鎖を早める可能性
  • 2歳以降の残存・大きいもの・嵌頓は手術
  • 嵌頓は救急受診
  • 普通のケアで十分

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  • Vol.422「頭の形が気になる」
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ご質問・ご感想

「でべそが大きい」「いつまで見守る?」などは外来でお気軽に。

愛育病院 小児科 おかもん先生

本メルマガの内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。

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※ この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さんの症状が心配な場合は、かかりつけの小児科医にご相談ください。

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