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子どもの体温の正常値|部位別の測り方と発熱基準
Vol.420生活・育児

子どもの体温の正常値|部位別の測り方と発熱基準

子どもの体温の正常範囲、腋窩・耳・額の測定部位別の違い、正確な測り方と発熱と判断する基準を解説します。

生活・育児0〜6ヶ月・6〜12ヶ月・1〜3歳・3〜6歳6
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 5·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • 子どもの平熱は36.5〜37.5度と大人より高め
  • 37.5度以上を発熱と定義するのが一般的
  • 部位によって基準値が異なる(腋窩・耳・口・直腸)

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.420

体温の正常値と測り方

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「うちの子、37度あるんですけど熱ですか?」、外来でとてもよく聞かれる質問です。子どもの体温は大人と基準が違います。今回は子どもの体温の正常値と正確な測り方をお伝えします。

子どもの平熱は何度ですか

日本小児科学会は、子どもの平熱を「36.5〜37.5度」としています [1]。これは大人(36.0〜37.0度)より約0.5度高めです。

年齢別の平熱範囲(腋窩)目安
新生児36.5〜37.5度
乳児36.5〜37.5度
幼児36.5〜37.5度
学童36.2〜37.2度
大人36.0〜37.0度

平熱には1日の変動(日内リズム)があります [2]。

時間特徴
早朝(5〜6時)最も低い
午後(16〜18時)最も高い
活動後一時的に上がる
食後軽度上昇
入浴後一時的に上がる

同じ子でも、朝36.3度、夕方37.1度は普通のことです。「平熱」は「朝の安静時の数値」で評価するのが基本です [2]。

💡平熱は「朝の安静時」で

一度だけの測定ではなく、数日間の朝・昼・晩を測って平均を取ると「本当の平熱」が分かります。

ポイント

  • 子どもの平熱は36.5〜37.5度 [1]
  • 日内変動が1度程度ある [2]
  • 平熱は朝の安静時で評価

発熱の定義は

日本小児科学会では「腋窩温37.5度以上」を発熱と定義しています [1]。米国小児科学会(AAP)は「直腸温38度以上」を基準としています [3]。

日本の基準

腋窩
37.5度以上 [1]
口腔
37.5度以上
直腸
38.0度以上
耳(鼓膜)
37.5〜38度以上
前額(赤外線)
機種により差

AAP基準

腋窩
37.4度以上
口腔
37.8度以上
直腸
38.0度以上 [3]
耳(鼓膜)
38.0度以上
前額(赤外線)
参考値

部位によって0.5〜1度の差が生じます [3]。これは測定位置の血流と周囲温度の影響です。

部位別の特徴内容
腋窩日本で標準的、簡便だが脇を締める必要
直腸最も正確、乳児でAAP推奨、日本では少ない
耳(鼓膜)素早い、乳児は測定困難なことも
口腔3歳以上、冷たい飲み物後は避ける
前額非接触、精度は機種差あり

ポイント

  • 発熱は腋窩37.5度以上 [1]
  • 部位で基準が異なる [3]
  • 生活に合った測定方法を選ぶ

正確な測り方は

腋窩温の測定は「位置」と「時間」が鍵です [4]。

腋窩温の測り方内容
脇の汗を拭く汗があると低く出る
先端の位置脇の中央、深く入れる
角度体に対して45度
脇を締める腕をしっかり体につける
時間電子式は予測と実測の違いに注意
測定中は安静動くと誤差
乳児での注意点内容
布団の中は避けるこもって高く出る
食事・授乳直後は避ける10〜15分空ける
泣いた直後は避ける落ち着いてから
入浴・運動直後は避ける15〜30分空ける
⚠️測り直しは同じ条件で

数値が気になる時は、同じ条件(同じ時間帯・同じ状態)で測り直すと正確です。

ポイント

  • 汗を拭いて、深く、締めて測る [4]
  • 食後・入浴後・運動後は避ける
  • 予測式と実測式の違いに注意

体温計の種類と選び方

体温計の種類特徴
電子体温計(予測式)15〜30秒で表示。手軽
電子体温計(実測式)10分の測定。正確
耳式体温計1秒で表示。小さい乳児は困難
前額非接触式触れずに測れる。寝ている時に便利
水銀体温計現在は販売中止

実は予測式と実測式で誤差が出ることがあります [4]。正確性を重視する時は実測式で10分測るのがベストですが、普段の健康管理は予測式で十分です。

用途別のおすすめ体温計
日常の管理電子予測式
正確性重視電子実測式
寝ている乳児前額非接触式
幼児以上耳式も選択肢

ポイント

  • 予測式は手軽、実測式は正確 [4]
  • 用途に合わせて使い分け
  • 非接触式は寝ている子に便利

37.5度を超えたら?

「発熱=すぐ受診」ではありません [5]。熱そのものより全身状態が重要です。

発熱時の観察ポイント内容
機嫌笑う・遊べるなら軽症
水分摂取飲めているか
呼吸速い・苦しそうではないか
顔色青白い・ぐったりはないか
けいれん発熱に伴うけいれんはないか
発疹新しい発疹はないか

以下のいずれかがあれば受診を [5]。

受診を検討する発熱理由
3か月未満で発熱重症感染症の可能性
ぐったり・反応が鈍い重症サイン
水分が取れない脱水のリスク
けいれん熱性けいれんの可能性
呼吸が速い・苦しそう肺炎・細気管支炎
発疹感染症の可能性
高熱が3日以上続く細菌感染のスクリーニング
コンコン先生
🏥

おかもん先生より

「37.6度でした、受診した方がいいですか?」という電話相談はとても多いです。僕はいつも「お子さん、遊んでますか?」と聞きます。遊べているなら多くは様子見で大丈夫。数字より「その子がその子らしいか」が医師の一番見たいところです。

ポイント

  • 熱の数字より全身状態 [5]
  • 3か月未満の発熱は要受診
  • 「遊べているか」が目安

今号のまとめ

  • 子どもの平熱は36.5〜37.5度
  • 発熱は腋窩37.5度以上
  • 平熱には日内変動があり、朝の安静時で評価
  • 部位によって基準値が異なる
  • 予測式と実測式の違いを知っておく
  • 数字より全身状態で判断

あわせて読みたい

  • Vol.419「汗の量が多い 、 多汗症?」
  • Vol.421「成長曲線の読み方」
  • Vol.044「熱性けいれん」

ご質問・ご感想

「熱の測り方に自信がない」「受診すべきか迷う」などは外来でお気軽に。

愛育病院 小児科 おかもん先生

本メルマガの内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。

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※ この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さんの症状が心配な場合は、かかりつけの小児科医にご相談ください。

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