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焦らなくて大丈夫。始めどきの3つのサイン、トイレトレーニング
Vol.94生活・育児

焦らなくて大丈夫。始めどきの3つのサイン、トイレトレーニング

- 3つのサイン:おしっこの間隔が2時間以上、トイレに興味、指示が通る

生活・育児全年齢8
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 8·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • - 3つのサイン:おしっこの間隔が2時間以上、トイレに興味、指示が通る
  • - AAPでは24ヶ月以降を推奨
  • - 準備が整う前に始めると逆に長引く可能性

愛育病院 小児科おかもん だより Vol.094

焦らなくて大丈夫。始めどきの3つのサイン、トイレトレーニング

こんにちは。愛育病院小児科のおかもんです。

「3歳なのにまだおむつが外れない」「周りの子はもうパンツなのに……」。3歳児健診でも、保育園の入園前でも、トイレトレーニングの悩みは尽きません。結論から言えば、トイレトレーニングはお子さんの準備ができてから始めるのが最も確実で最も早いのです。今回は、焦らないための知識をお伝えします。

Q1.「トイレトレーニングはいつから始めればいいですか?」

——保育園から『そろそろ始めましょう』と言われたのですが、まだ早い気がして……

お子さんの身体と心の準備ができているかが大切です。米国小児科学会(AAP)では、以下の3つのサインが揃った時を開始の目安としています [1]。①おしっこの間隔が2時間以上あく(膀胱に尿をためる機能の成熟)、②トイレや便座に興味を示す(『ママのまね!』と座りたがるなど)、③簡単な指示が理解できる(『トイレに行こう』と言えばわかる)。年齢でいうと24ヶ月(2歳)以降が一般的ですが、個人差は大きく、2歳半〜3歳で始めるお子さんも多いです。準備が整う前に始めると、かえって長引くことがあります [2]

ポイント

  • 3つのサイン:おしっこの間隔が2時間以上、トイレに興味、指示が通る
  • AAPでは24ヶ月以降を推奨
  • 準備が整う前に始めると逆に長引く可能性

Q2.「3歳でまだおむつが外れません。遅いですか?」

——同じクラスの子はみんなパンツなのに、うちの子だけまだおむつで……

3歳でおむつが外れていなくても、異常ではありません。Schum et al.の大規模研究では、昼間の排尿が完全に自立する年齢の中央値は約36ヶ月(3歳0ヶ月)で、これは「半数の子が3歳で完了する」という意味であり、残りの半数はまだトレーニング中ということです [3]。女児のほうが男児より数ヶ月早い傾向がありますが、これも個人差の範囲です。周りの子と比べて焦る気持ちは自然ですが、お子さん一人ひとりのペースがあります。

ポイント

  • 昼間の排尿自立の中央値は約36ヶ月(3歳)
  • 3歳でおむつが外れていなくても異常ではない
  • 女児のほうがやや早い傾向はあるが個人差の範囲

Q3.「一度できていたのに、また失敗するようになりました」

——トイレでできるようになっていたのに、最近また漏らすようになって……

トイレトレーニングの退行(一度できていたことができなくなる)は珍しくありません [4]。きっかけとして多いのは、弟や妹の誕生、保育園の入園・転園、引っ越し、家庭環境の変化などのストレスです。お子さんの気持ちが不安定な時期に「またおむつに戻った」と責めると、逆効果になります。叱らず、「大丈夫だよ」と安心感を与えてあげてください。環境が安定すれば、自然に戻ることがほとんどです。

ポイント

  • 退行はストレス(弟妹の誕生、入園など)がきっかけで起こりやすい
  • 叱らず、安心感を与えることが最も効果的
  • 環境が安定すれば自然に戻る

Q4.「うんちだけトイレでできません」

——おしっこはトイレでできるのに、うんちはおむつを履いてからしかしません……

おしっこはトイレでできるのにうんちだけできない、というのはとてもよくあるパターンです。排便恐怖(toilet refusal for stools)と呼ばれ、トレーニング中のお子さんの約20%に見られます [5]。トイレに座ると足が不安定で踏ん張れない、便座に落ちそうで怖い、排便時の感覚が不安、といった理由が考えられます。補助便座と足台を使って安定した姿勢を確保することが重要です。また、便秘がある場合は排便時の痛みがトイレ拒否の原因になるため、まず便秘の治療を優先しましょう [6]。おむつでの排便を一時的に許容しながら、少しずつ移行するのが良い方法です。

ポイント

  • うんちだけトイレでできないのはよくあるパターン(約20%)
  • 補助便座+足台で安定した姿勢を確保
  • 便秘がある場合はまず便秘の治療を

Q5.「夜のおむつはいつ外せますか?」

——昼間はパンツで過ごせますが、夜はまだおむつです。そろそろ外すべきですか?

昼間の排尿コントロールと夜間の排尿コントロールは、まったく別のメカニズムです [7]。昼間は意識的にトイレに行くことでコントロールしますが、夜間は抗利尿ホルモン(バソプレシン)の分泌成熟と膀胱容量の増大によって自然にコントロールされるようになります。これは訓練で早められるものではありません。5〜6歳まで夜間おむつを使用するのは完全に正常です。夜尿症(おねしょ)として医学的に評価が必要になるのは5歳以降で月1回以上のおねしょが3ヶ月以上続く場合です [8]

ポイント

  • 昼と夜は別メカニズム。夜はホルモン成熟に依存
  • 5〜6歳まで夜間おむつは正常
  • 夜尿症として受診が必要なのは5歳以降

今号のまとめ

  • トイレトレーニングは「お子さんの準備ができてから」が最も確実で最も早い
  • 3つのサイン(おしっこの間隔2時間以上、トイレに興味、指示が通る)を待ちましょう
  • 3歳でおむつが外れていなくても異常ではありません
  • 退行は珍しくなく、叱らず安心感を与えることが大切です
  • 昼と夜は別メカニズム。夜のおむつは5〜6歳まで正常です

あわせて読みたい

  • Vol.66「おねしょ(夜尿症)」
  • Vol.36「子どもの便秘」

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愛育病院 小児科 おかもん

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