今回のテーマはイヤイヤ期の対応です。
「何を言っても"イヤ!"しか返ってこない」「着替えもイヤ、ごはんもイヤ、出かけるのもイヤ」、いわゆるイヤイヤ期は、子育ての最大の試練のひとつです。しかし、これは正常な発達の過程であり、お子さんの脳と心が成長している証です。今号では、イヤイヤ期の科学的な背景と、具体的な対応のコツをお伝えします。
イヤイヤ期って何歳頃から始まりますか?#
効果的な対応はありますか?#
| 対応法 | 具体例 |
|---|---|
| 選択肢を与える | 「赤い服と青い服、どっちにする?」と2択にする [3] |
| 共感してから切り替え | 「まだ遊びたかったね。でもごはんの時間だよ」と気持ちを受け止めてから [4] |
| 予告する | 「あと5分で終わりだよ」と事前に伝え、急な切り替えを避ける [3] |
| できたことを褒める | 「自分で靴はけたね!」と具体的に認める [4] |
| 気をそらす(ディストラクション) | 「あ、あっちにワンワンがいるよ!」と注意を逸らす [3] |
| NG対応 | 理由 |
|---|---|
| 怒鳴る・大声で叱る | 恐怖で一時的に止まるが、感情制御の学習にならない [5] |
| 完全に無視する | 「自分の感情は受け入れてもらえない」と感じてしまう [4] |
| 叩く・身体的罰 | 攻撃行動を学習させてしまう。AAP(米国小児科学会)は体罰に反対の声明を出している [5] |
| 毎回要求を通す | 「泣けば通る」と学習し、イヤイヤが長引く [3] |
イヤイヤ期はいつ終わりますか?#
| 相談の目安 | 内容 |
|---|---|
| 頻度 | 1日に何度も長時間(20分以上)の癇癪が続く [6] |
| 自傷 | 頭を壁に打ちつける、自分を叩くなどの自傷行為がある [6] |
| 他害 | 人やものに対する激しい攻撃が目立つ [6] |
| 回復しない | 癇癪の後もなかなか気持ちが切り替わらない [6] |
| 4歳以降も続く | 4歳を過ぎても癇癪の頻度や強度が減らない [6] |
発達障害の癇癪との違いはありますか?#
定型発達のイヤイヤ期
- 時期
- 1歳半〜3歳半頃で徐々に収束
- きっかけ
- 欲求不満・眠気・空腹が多い
- 切り替え
- 気をそらすと比較的切り替わる
- 自傷
- まれ
- 社会性
- 親との愛着関係は良好
発達障害に伴う癇癪
- 時期
- 年齢を問わず持続することがある [7]
- きっかけ
- 感覚過敏・こだわりの崩れ・見通しの立たなさ [7]
- 切り替え
- 切り替えが非常に難しい [7]
- 自傷
- 頭を打ちつける等が見られることがある [7]
- 社会性
- 視線が合いにくい等の社会性の困難を伴うことがある [7]
今号のまとめ#
- イヤイヤ期は1歳半〜3歳頃の正常な発達段階。前頭前皮質の未発達で感情制御ができない [1][2]
- 根底にあるのは「自分でやりたい」という自律性の芽生え。"わがまま"ではない [1]
- 選択肢を与える・共感→切り替え・予告するが効果的。怒鳴る・叩くはNG [3][4][5]
- ピークは2歳前後、3歳半〜4歳頃に徐々に落ち着く [1][6]
- 癇癪が長い・自傷・他害・4歳以降の持続は小児科に相談を [6][7]