夏の外来で最も多い救急相談の一つが熱中症。子どもは体温調節機能が未熟で重症化しやすく、毎年死亡例も報告されています [1]。見分け方と現場対応を整理します。
熱中症の分類#
日本救急医学会は以下の3段階に分類しています [2]。
| 度 | 症状 | 対応 |
|---|---|---|
| I度 | めまい・立ちくらみ・筋肉痛・こむら返り | 現場で対応 |
| II度 | 頭痛・吐き気・嘔吐・倦怠感 | 医療機関受診 |
| III度 | 意識障害・けいれん・高体温(40度以上) | 救急搬送 |
III度は従来の「熱射病」に相当し、致死率の高い状態です。
ポイント
- I度は現場対応可
- II度は受診 [2]
- III度は119番
子ども特有のリスク#
| 要因 | 説明 |
|---|---|
| 汗腺が未発達 | 熱放散が弱い |
| 体表面積/体重比 | 外気温の影響大 |
| 水分要求が多い | 少量の不足で脱水 |
| 訴えが少ない | 症状発見が遅れる |
| 背丈が低い | 地面からの輻射熱 |
WBGT(暑さ指数)28度以上で運動制限、31度以上で原則中止が目安です [3]。
ポイント
- 子どもは短時間でも重症化
- 訴えを待たず先回り補水
- WBGTで判断
即時冷却の優先順位#
熱中症は「治療開始の速さ」が予後を決めます [4]。
| 優先度 | 方法 |
|---|---|
| 1 | 涼しい場所(日陰・エアコン車内)へ移動 |
| 2 | 衣服を脱がせる/緩める |
| 3 | 首・脇・鼠径部を冷却(太い血管) |
| 4 | 霧吹き+送風(気化熱) |
| 5 | 水を含ませたタオルで全身 |
| 6 | 経口補水液を少量頻回 |
ポイント
- 30分以内の深部温低下が鍵 [4]
- 冷却は3部位集中
- 霧吹きで気化熱も活用
経口補水液の使い方#
| 状況 | 飲み物 |
|---|---|
| 予防 | 水・麦茶 |
| I度症状あり | 経口補水液(OS-1) |
| 嘔吐なし | 少量ずつ、15分ごと |
| II度以上 | 医療機関で点滴が基本 |
スポーツドリンクは糖分が多く、熱中症治療には経口補水液の方が吸収が速い [3]。
ポイント
- 経口補水液が標準 [3]
- 15分ごと少量
- 意識不明時は禁忌
救急要請の判断#
III度(救急要請)
- 意識がおかしい
- 呼びかけに反応しない
- けいれん
- 40度以上の高体温
- 汗をかかない
- 手足が冷たい・ふるえ
II度(医療機関受診)
- 頭痛・嘔吐を繰り返す
- 経口補水液が飲めない
- 30分冷却しても改善しない
- ぐったりしている
ポイント
- 意識・高体温・発汗停止は即119番
- II度は医療機関へ
- 迷わず相談を
予防策#
| 予防 | 内容 |
|---|---|
| 起床時・運動前に水分 | 早めの補水 |
| 20-30分ごとに休憩 | 時間管理 |
| 涼しい服装 | 通気性・淡色 |
| 帽子 | 直射日光対策 |
| 冷却グッズ | 首に冷感タオル |
| 塩分補給 | 塩分タブレット |
| WBGTをチェック | 活動可否の判断 |
ポイント
- 「渇く前」に水分
- 時間管理でリズム
- WBGTを見て判断
まとめ#
- 熱中症はI/II/III度で対応が違う
- 意識・高体温・発汗停止はIII度
- 即時冷却は首・脇・鼠径部
- 経口補水液が標準
- 予防は先回りの水分補給
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