食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)は、特定の食物を食べた後に運動するとアレルギー症状が出る疾患です。食物だけ、運動だけでは症状が出ないため、診断が難しいことがあります。今回は、FDEIAについてお伝えします。
FDEIAとは?#
| 基本情報 | 詳細 |
|---|---|
| 発症メカニズム | 食物+運動の組み合わせで発症 |
| 好発年齢 | 学童〜思春期 |
| 頻度 | 中学生の約6,000人に1人 |
| 原因食物 | 小麦(最多)、エビ・カニ |
| 運動 | ランニング、球技など |
発症の条件
- 特定の食物を摂取 + 運動 → 発症
- 食物だけ → 症状なし
- 運動だけ → 症状なし
- 食後2時間以内の運動で多い
ポイント
- 食物と運動の組み合わせで発症
- 小麦が最も多い原因食物
- 学童〜思春期に多い
どんな症状ですか?#
| 症状の段階 | 詳細 |
|---|---|
| 軽症 | 蕁麻疹、かゆみ |
| 中等症 | 全身の蕁麻疹、腹痛、嘔吐 |
| 重症 | 呼吸困難、血圧低下、意識障害 |
| アナフィラキシーショック | 命に関わる(緊急) |
増悪因子
- 疲労・睡眠不足
- 入浴(運動の代わりに)
- NSAIDs(解熱鎮痛薬)
- 飲酒(思春期以降)
- 花粉シーズン
ポイント
- 重症ではアナフィラキシーを起こす
- 疲労や体調不良で起こりやすい
- 入浴でも誘発されることがある
診断はどうしますか?#
| 診断のポイント | 内容 |
|---|---|
| 問診 | 何を食べて、何の運動で症状が出たか |
| 血液検査 | 原因食物の特異的IgE抗体 |
| 皮膚テスト | プリックテスト |
| 運動負荷試験 | 原因食物摂取後に運動(専門施設で) |
問診で確認すること
- 発症の2時間以内に何を食べたか
- どんな運動をしたか
- 同じ食物を運動なしで食べて症状は出ないか
- 増悪因子はなかったか
ポイント
- 問診が最も重要
- 食事と運動の時間関係を確認
- 運動負荷試験で確定診断
治療と予防は?#
| 予防策 | 内容 |
|---|---|
| 原因食物摂取後の運動制限 | 食後2時間(できれば4時間)は激しい運動を避ける |
| 体調管理 | 疲労・体調不良時は特に注意 |
| エピペンの携帯 | アナフィラキシーの既往がある場合 |
| 学校への情報提供 | 給食後の体育の配慮 |
発作時の対応
- 運動を直ちに中止
- 抗ヒスタミン薬の内服
- アナフィラキシー症状があればエピペン使用
- 救急車を呼ぶ
ポイント
- 食後2時間は激しい運動を避ける
- エピペンの携帯と使い方を覚える
- 学校との連携が重要
学校ではどうすればいいですか?#
| 学校での対応 | 内容 |
|---|---|
| 管理指導表 | 主治医が記載し学校に提出 |
| 給食後の体育 | 原因食物を食べた日は体育を見学 |
| エピペン | 学校に預け、教職員が使えるように |
| 緊急時対応 | マニュアルを作成し共有 |
原因食物を除去する場合
- 給食で原因食物を除去→食後の運動制限不要
- 給食を通常通り食べる→食後の運動を制限
- 家庭と学校で一貫した対応を
ポイント
- 学校生活管理指導表を活用
- 教職員へのエピペン指導
- 家庭と学校で一貫した対応
今号のまとめ#
- FDEIA は食物+運動で発症する
- 小麦が最も多い原因食物
- 食後2時間は激しい運動を避ける
- エピペンの携帯が重要
- 学校との連携で安全な学校生活を
あわせて読みたい#
- Vol.061「食物アレルギー」
- Vol.062「アナフィラキシー」
- エピペンの使い方