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子どもの肥満|肥満度の見方と生活改善のコツ
Vol.240成長・代謝

子どもの肥満|肥満度の見方と生活改善のコツ

子どもの肥満度の計算方法、20%以上で肥満と判断する基準、生活習慣改善のポイントを小児科医が解説します。

成長・代謝全年齢5
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 5·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • - 肥満度20%以上が肥満
  • - 小学生の約10%が肥満
  • - 子どもの肥満は成人肥満につながりやすい

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.240

「太りすぎと言われました」、子どもの肥満

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

健診で「太りすぎ」と言われて相談に来られるご家族、最近また増えてきました。子どもの肥満は成長期のものなので、大人のダイエットと同じように考えると逆効果になります。今回はそのあたりを整理します。

Q1.「子どもの肥満の基準は?」

——健診で太りすぎと言われました

大人はBMIですが、子どもは肥満度で判定します。身長に対してどれくらい体重が多いかを見る指標です [1]

判定基準詳細
肥満度(実測体重-標準体重)÷標準体重×100
軽度肥満肥満度 20-30%
中等度肥満肥満度 30-50%
高度肥満肥満度 50%以上
現状
小学生の約10%が肥満
COVID-19以降さらに増加傾向
肥満児の約70%が成人肥満に移行

ポイント

  • 肥満度20%以上が肥満
  • 小学生の約10%が肥満
  • 子どもの肥満は成人肥満につながりやすい

Q2.「肥満の合併症は?」

——太っていると何か病気になりますか?

子どもでも、大人と同じような生活習慣病が起きます [2]

合併症詳細
脂質異常症コレステロールや中性脂肪の上昇
脂肪肝肥満児の約30%に認める
2型糖尿病小児でも増加している
高血圧肥満度が高いほどリスク上昇
睡眠時無呼吸いびき、日中の眠気
心理的問題いじめ、自己肯定感の低下

「肥満度30%以上、つまり中等度以上になったら、一度採血して脂質や肝機能、血糖を見ておくと安心です。」

ポイント

  • 子どもでも生活習慣病は起こる
  • 脂肪肝は肥満児の約30%に
  • 心理的な影響にも注意

Q3.「食事はどうすればいいですか?」

——ダイエットさせるべきですか?

いいえ、大人のようなカロリー制限はしません。成長期なので、体重をいまの数字でキープして、身長が伸びるのを待つ。これだけで肥満度は自然に下がります [3]

食事のポイント内容
3食きちんと朝食の欠食をなくす
おやつの管理ジュース・菓子パンを減らす
野菜から食べる食べる順番を意識
早食い防止よく噛んで食べる(20回以上)
量の調整おかわりを控える
避けるべきこと
厳しいカロリー制限(成長に影響)
食事を抜く(かえって太りやすくなる)
食べ物を取り上げる(心理的悪影響)

ポイント

  • 厳しいダイエットは禁物
  • 体重維持で身長が伸びるのを待つ
  • ジュースとおやつの管理が鍵

Q4.「運動はどうすればいいですか?」

——運動をさせた方がいいですか?

はい。ただ「運動しなさい」と言ってもなかなか続きません。本人が楽しめるものを見つけるのが一番です [4]

運動の推奨内容
推奨量1日平均60分以上の中等度以上の運動(WHO 2020)
種類楽しめるものなら何でもOK
スクリーンタイム1日2時間以内に制限
外遊び積極的に外で遊ぶ
運動を続けるコツ
親子で一緒に体を動かす
楽しいと思える活動を選ぶ
競争させず、達成感を重視
日常生活で体を動かす(階段、歩行)

ポイント

  • 1日60分以上の運動を推奨
  • 楽しめる運動が継続の鍵
  • スクリーンタイムを減らす

Q5.「受診が必要な場合は?」

——いつ病院に行くべきですか?

次のようなときは、一度小児科で相談してください [5]

受診の目安詳細
高度肥満肥満度50%以上
急激な体重増加短期間で急に太った
低身長を伴う内分泌疾患の可能性
黒色表皮症首やわきの下の黒ずみ(インスリン抵抗性)
いびき睡眠時無呼吸の可能性

「太っていて、かつ身長の伸びが悪いというパターンは要注意です。甲状腺機能低下症やクッシング症候群など、ホルモンの病気が隠れていることがあるので、採血で調べます。」

ポイント

  • 高度肥満は医療的介入が必要
  • 肥満+低身長は内分泌疾患を疑う
  • 首の黒ずみは要注意サイン

今号のまとめ

  • 子どもの肥満は肥満度20%以上
  • 厳しいダイエットは禁物、体重維持が基本
  • ジュースとおやつの管理が最も効果的
  • 楽しめる運動を1日60分以上
  • 肥満+低身長は内分泌疾患の精査を

あわせて読みたい

  • Vol.239「低身長」
  • Vol.244「2型糖尿病」
  • Vol.261「子どもの運動と体力」

ご質問・ご感想

「太りすぎと言われて心配です」「食事の工夫を知りたい」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。

愛育病院 小児科 おかもん先生

本メルマガの内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さまの症状についてはかかりつけの小児科医にご相談ください。

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