滲出性中耳炎は、中耳に液体がたまる病気です。急性中耳炎と異なり痛みや発熱はほとんどなく、聞こえの悪さが主な症状です。気づかれにくいため、言葉の発達や学習に影響を及ぼすことがあります。今回は、滲出性中耳炎についてお伝えします。
滲出性中耳炎とは?#
| 基本情報 | 詳細 |
|---|---|
| 好発年齢 | 3-7歳 |
| 頻度 | 就学前児の約90%が一度は経験 |
| 原因 | 耳管機能の未熟さ、急性中耳炎の後遺 |
| 痛み | 通常なし |
| 難聴の程度 | 軽度〜中等度の伝音難聴 |
急性中耳炎との違い
- 急性中耳炎:痛み・発熱あり
- 滲出性中耳炎:痛み・発熱なし、聞こえの悪さが主
ポイント
- 痛みがないため気づかれにくい
- 聞こえの悪さが主症状
- 就学前児の約90%が経験
どうやって気づけますか?#
| 家庭で気づくサイン | 詳細 |
|---|---|
| テレビの音量が大きい | 聞こえを補おうとする |
| 呼んでも返事をしない | 聞こえていない可能性 |
| 話し声が大きい | 自分の声が聞こえにくい |
| 言葉の発達が遅い | 聞こえの問題が影響 |
| 落ち着きがない | 聞き取れないことへの反応 |
| 「え?」と聞き返す | 聞こえの悪さ |
3歳児健診や就学時健診で見つかることも多いです。気になる場合は耳鼻科を受診してください。
ポイント
- テレビの音量や返事に注意
- 言葉の発達への影響に注意
- 健診で見つかることも多い
検査と治療は?#
| 検査 | 内容 |
|---|---|
| 鼓膜所見 | 鼓膜の色や位置の変化を確認 |
| ティンパノメトリー | 中耳の圧と鼓膜の動きを測定 |
| 聴力検査 | 難聴の程度を評価 |
| 治療方針 | 詳細 |
|---|---|
| 経過観察(3か月) | 自然治癒率が高い(約60%) |
| 薬物治療 | 基本は不要(抗ヒスタミン薬・去痰薬は有効性が確認されておらず推奨されない) |
| 鼓膜チューブ留置術 | 3か月以上改善しない場合 |
| アデノイド切除術 | アデノイド肥大がある場合 |
約60%は3か月以内に自然治癒します。まずは経過観察が基本です。
ポイント
- ティンパノメトリーが有用
- 約60%が3か月で自然治癒
- 改善しなければチューブ留置
言葉の発達に影響しますか?#
| リスクが高い場合 | 詳細 |
|---|---|
| 両側性 | 片側より影響が大きい |
| 3か月以上持続 | 長期化すると言語発達に影響 |
| 発達障害の合併 | 聴覚情報処理への二重の負担 |
| 言語環境が不利 | 日本語以外が母語の場合等 |
逆に、片側の軽度の滲出性中耳炎が一時的にある程度なら、言語発達への影響は小さいです。過度に心配する必要はありません。
ポイント
- 両側性・長期の場合は注意
- 一時的な片側性なら影響は小さい
- 心配な場合は耳鼻科で聴力検査を
日常生活で気をつけることは?#
| ケア | 内容 |
|---|---|
| 鼻吸引 | 鼻水をこまめに吸引 |
| 鼻かみの練習 | 片側ずつ優しくかむ |
| 声かけの工夫 | 近くで、顔を見て話しかける |
| 受動喫煙の回避 | 症状を悪化させる |
| 定期的な耳鼻科受診 | 経過をフォロー |
聞こえが悪い場合、近くで・ゆっくり・はっきり話しかけてあげてください。怒って話を聞いていないと決めつけないことが大切です。
ポイント
- 鼻のケアが重要
- 聞こえが悪い時は話し方を工夫
- 定期的な耳鼻科受診を
今号のまとめ#
- 滲出性中耳炎は痛みがなく気づかれにくい
- テレビの音量や返事の様子に注目
- 約60%は3か月で自然治癒する
- 長引く場合は言語発達に影響する可能性
- 鼻のケアと定期受診が大切