スマートフォンやタブレットが身近になった今、子どもたちの人間関係はオンラインにも広がっています。令和5年度の文部科学省調査では、いじめの認知件数は約73万件で過去最多を記録し、その中にはSNSやメッセージアプリを通じたネットいじめも含まれています。今号では、ネットいじめの特徴と、保護者としてできることを整理します。
ネットいじめの特徴#
従来の対面のいじめとネットいじめには、いくつかの重要な違いがあります [1]。
| 特徴 | 対面のいじめ | ネットいじめ |
|---|
| 時間 | 主に学校にいる間 | 24時間、自宅にいても続く |
| 範囲 | 目撃者が限定される | スクリーンショットで拡散される |
| 匿名性 | 加害者が特定しやすい | 匿名アカウントで行われることがある |
| 証拠 | 目撃証言に依存 | デジタル記録が残る(消される場合も) |
| 逃げ場 | 自宅に帰れば一旦離れられる | スマホがある限り逃げ場がない |
子どもの心身への影響#
メタ解析では、ネットいじめの被害が以下の精神的健康上の問題と関連することが報告されています [2][3]。
| 影響 | 研究での知見 |
|---|
| うつ症状 | 中等度から重度の抑うつとの有意な関連 [2] |
| 不安症状 | 社交不安や全般性不安の増加 |
| 自傷・自殺念慮 | 被害者だけでなく加害者にもリスクが上昇 [3] |
| 身体症状 | 頭痛、腹痛、不眠などの心身症 |
| 学業成績 | 集中力の低下、不登校への移行 |
家庭で気づけるサイン#
| カテゴリ | 注意すべき変化 |
|---|
| デバイスの使い方 | 通知が来ると表情が変わる、画面を隠す、突然SNSをやめる |
| 感情面 | イライラが増える、涙もろくなる、怒りっぽくなる |
| 行動面 | 友人関係が急に変わる、外出を避ける、学校に行きたがらない |
| 身体面 | 不眠、食欲低下、原因不明の腹痛や頭痛 |
予防と対応の具体策#
| 対策 | 内容 |
|---|
| 家庭内のルール作り | 使用時間、使用場所(リビングのみなど)、年齢に応じたアプリの制限を事前に決める |
| オープンな会話 | 「ネットで嫌なことがあったら教えてね。端末は取り上げないから」と日頃から伝える |
| デジタルリテラシー教育 | 「一度送ったものは取り消せない」「スクリーンショットは残る」ことを具体的に教える |
| 証拠の保存 | 被害を受けた場合はスクリーンショットを保存しておく |
| 学校との連携 | 担任やスクールカウンセラーに相談し、学校での対応を依頼する |
研究では、家庭内のオープンなコミュニケーションと親の温かいサポートが、ネットいじめによる精神的影響を緩和する最も強力な保護因子であることが示されています [4]。
相談先#
| 相談先 | 連絡先 |
|---|
| 24時間子供SOSダイヤル | 0120-0-78310 |
| 法務局子どもの人権110番 | 0120-007-110 |
| 警察相談ダイヤル | #9110 |
| 学校のスクールカウンセラー | 学校を通じて予約 |
| インターネット違法・有害情報相談センター | https://www.ihaho.jp [5] |