「うちの子、何をしても泣き止まないんです…」と、途方に暮れた表情で外来にいらっしゃるお父さん・お母さんは少なくありません。今号では、新生児期〜生後数ヶ月のお子さんに見られるコリック(3ヶ月コリック)について、最新の知見とともにお伝えします。
コリックとは何ですか?#
- 1日3時間以上泣く
- 週3日以上泣く
- 3週間以上続く
生後2〜3週ごろに始まり、生後3〜4ヶ月で自然に消失するのが典型的な経過です。健康な赤ちゃんの約10〜40%に見られるとされ、決して珍しいことではありません[2]。
ポイント コリックは病気ではなく、健康な赤ちゃんにも起こる生理的現象です。3〜4ヶ月で自然に治まります。
コリックの原因は何ですか?#
- 腸管ガス説:腸内のガスが不快感を引き起こす
- 腸内細菌叢の未熟さ:腸内フローラのバランスが整っていない
- 神経系の未熟説:外部刺激に対する神経系の過敏反応
- 消化管ホルモンの変動:モチリンなどの消化管ホルモンが関与
- 親の不安やストレスの伝播:養育環境の影響
いずれも決定的なエビデンスはなく、複数の要因が絡み合っていると考えられています。重要なのは、親の育て方が原因ではないということです。
ポイント コリックの原因は不明ですが、親の育て方のせいではありません。自分を責めないでください。
PURPLE Cryingとは何ですか?#
| 頭文字 | 英語 | 日本語 |
|---|---|---|
| P | Peak of crying | 生後2ヶ月がピーク |
| U | Unexpected | 予測不能に泣く |
| R | Resists soothing | なだめても泣き止まない |
| P | Pain-like face | 痛そうな表情 |
| L | Long lasting | 長時間泣く |
| E | Evening | 夕方に多い |
これは正常な発達の一部であり、すべての赤ちゃんに程度の差こそあれ見られるものです。「うちの子だけがおかしい」わけではありません。
ポイント PURPLE Cryingは正常な発達過程です。泣きのピークは生後2ヶ月頃で、その後徐々に減っていきます。
どう対処すればいいですか?揺さぶってはダメですか?#
対処法として、ハーヴェイ・カープ博士の5Sが有効とされています[6]。
- Swaddling(スワドリング):おくるみで包む
- Side/Stomach(横向き・うつぶせ抱き):抱っこの際に横向きに(※寝かせる時は必ず仰向け)
- Shushing(シューシング):「シーッ」と耳元で白色雑音を出す
- Swinging(揺らし):小刻みにやさしく揺らす
- Sucking(おしゃぶり):吸啜させる
そして何より大切なのは、「限界を感じたら赤ちゃんを安全な場所に寝かせて、その場を離れる」ことです。数分間でも離れることで冷静さを取り戻せます。
ポイント 限界を感じたら赤ちゃんを安全な場所に寝かせ、一度その場を離れましょう。絶対に揺さぶらないでください。
まとめ#
- コリックはWesselの3の法則(1日3時間・週3日・3週間以上の泣き)で定義される
- 生後2〜3週で始まり、3〜4ヶ月で自然に消失する
- 原因は不明だが、親の育て方のせいではない
- PURPLE Cryingの特徴を理解し、正常な発達過程と捉える
- 5S(スワドリング・横向き・シューシング・揺らし・おしゃぶり)で対応
- 限界を感じたら赤ちゃんを安全な場所に寝かせてその場を離れる
- 絶対に揺さぶらない