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子どもの頭痛|危険なサインと受診の目安【小児科医解説】
Vol.44救急

子どもの頭痛|危険なサインと受診の目安【小児科医解説】

子どもが頭痛を訴えたときに見るべき危険サイン、受診すべきタイミング、家庭での対処法を小児科医がわかりやすく解説します。

救急3〜6歳・6〜12歳13
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 12·Q&A 5問収録

プロフィール →

この記事のポイント

  • 子どもの頭痛の90%以上は片頭痛や緊張型頭痛。危険な頭痛は少ない
  • 危険なサイン「突然の激しい頭痛」「嘔吐を繰り返す」「意識がおかしい」
  • 片頭痛は遺伝性。家族歴があれば子どもも起こしやすい

愛育病院 小児科おかもん だより Vol.44

「頭が痛いって言うんですが、大丈夫でしょうか?」、子どもの頭痛、心配なサインと対処法

今号のポイント

  1. 2
    子どもの頭痛の90%以上は片頭痛や緊張型頭痛。危険な頭痛は少ない
  2. 4
    危険なサイン「突然の激しい頭痛」「嘔吐を繰り返す」「意識がおかしい」
  3. 6
    片頭痛は遺伝性。家族歴があれば子どもも起こしやすい

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「頭が痛いって言うんですが、脳の病気じゃないか心配で……」。お子さんが頭痛を訴えると、どうしても不安になりますよね。結論から言うと、子どもの頭痛の90%以上は片頭痛か緊張型頭痛で、命に関わる頭痛はごく少数です [1]。ただし、少数ながら見逃してはいけない頭痛があるのも事実です。

今回は、子どもの頭痛の種類、危険なサイン、家での対処、受診の目安についてまとめます。

Q1.「子どもの頭痛って、どんな種類がありますか?」

——子どもも大人と同じように頭痛になるんですか?

はい。子どもにも頭痛はよくあります。学童期の子どもの約40〜50%が頭痛を経験していると言われています [1]

子どもの頭痛の種類と頻度:

頻度

片頭痛 [2]
約5〜10%
緊張型頭痛 [3]
約10〜25%
二次性頭痛(病気が原因)[4]
約5%
その他
残り

特徴

片頭痛 [2]
ズキンズキンと拍動性、吐き気、光・音に敏感
緊張型頭痛 [3]
締め付けられるような痛み、肩こり
二次性頭痛(病気が原因)[4]
髄膜炎、脳腫瘍、副鼻腔炎など
その他
心因性、薬物乱用など

子どもの頭痛の90%以上は片頭痛や緊張型頭痛で、これらは「一次性頭痛」と呼ばれ、脳に異常はありません [1]。ただし、残りの約5%は病気が原因の「二次性頭痛」で、これは見逃してはいけません [4]

一次性頭痛 vs 二次性頭痛:

一次性頭痛

原因
頭痛そのものが病気
代表例
片頭痛、緊張型頭痛
危険度
低い(命に関わらない)[1]
治療
痛み止め、生活改善

二次性頭痛

原因
他の病気が原因
代表例
髄膜炎、脳腫瘍、副鼻腔炎
危険度
高い(早期発見が重要)[4]
治療
原因疾患の治療

ポイント

  • 学童期の約40〜50%が頭痛を経験 [1]
  • 90%以上は片頭痛や緊張型頭痛(一次性頭痛)[1]
  • 約5%は病気が原因(二次性頭痛)。見逃し厳禁 [4]

Q2.「危険な頭痛のサインを教えてください」

——どんな頭痛だったら、すぐに病院に行くべきですか?

「赤信号の頭痛」と呼ばれる、すぐに受診すべきサインがあります [5]

危険な頭痛のサイン(すぐに受診!):

緊急度:最高(救急車を呼ぶ)

  • 突然の激しい頭痛(「バットで殴られたような」)[5]

    • くも膜下出血の可能性
    • 今までにない激痛
  • 意識がおかしい(呼びかけに反応しない、ぼーっとしている)[5]

    • 脳炎、髄膜炎の可能性
    • けいれんを伴うことも
  • 高熱 + 首が硬い + 頭痛 [6]

    • 髄膜炎の可能性
    • 首を前に曲げられない(項部硬直)

緊急度:高(当日中に受診)

  • 朝起きた時の頭痛が続く [5]

    • 脳腫瘍の可能性(頭蓋内圧亢進)
    • 嘔吐を伴うことも
  • 頭痛が日に日に悪化している [5]

    • 脳腫瘍、脳膿瘍の可能性
  • 嘔吐を繰り返す(3回以上)[5]

    • 頭蓋内圧亢進のサイン
  • 頭を打った後の頭痛 [7]

    • 頭蓋内出血の可能性
    • 24時間以内は特に注意
  • 片方の手足に力が入らない、しびれる [5]

    • 脳血管障害の可能性
  • 物が二重に見える、視野が欠ける [5]

    • 脳腫瘍、頭蓋内圧亢進の可能性

特に「突然の激しい頭痛」と「意識障害」は、1分1秒を争う緊急事態です [5]。迷わず救急車を呼んでください

5歳未満の頭痛は要注意:

  • 5歳未満の子どもが頭痛を訴えることはまれ [8]
  • 訴えた場合は二次性頭痛の可能性が高い [8]
  • 必ず医師の診察を

ポイント

  • 突然の激しい頭痛、意識障害、高熱+首が硬いは緊急 [5][6]
  • 朝の頭痛、日に日に悪化、嘔吐を繰り返すは要受診 [5]
  • 5歳未満の頭痛は要注意 [8]

Q3.「片頭痛って、子どもにもあるんですか?」

——私が片頭痛持ちなんですが、子どもも片頭痛になりますか?

はい。片頭痛は遺伝性が強く、親が片頭痛持ちだと子どもも発症しやすいです [2]

片頭痛の特徴:

疫学

  • 学童期の5〜10%が片頭痛 [2]
  • 思春期前は男女差なし。思春期以降は女児が多い [2]
  • 家族歴がある子が70〜90% [2]

症状(小児の片頭痛の特徴)

子どもの片頭痛

痛みの場所
両側が多い [8]
痛みの性質
ズキンズキン(拍動性)[8]
持続時間
2〜72時間(短い)[8]
嘔吐
よくある [8]
光・音に敏感
あり [8]
動くと悪化
あり [8]

大人の片頭痛

痛みの場所
片側が多い
痛みの性質
同じ
持続時間
4〜72時間
嘔吐
あることも
光・音に敏感
あり
動くと悪化
あり

子どもの片頭痛の診断基準(簡略版)[8]

以下を満たす頭痛が5回以上ある:

  • 持続時間: 2〜72時間
  • 以下の2つ以上:
    • ズキンズキンする痛み
    • 片側または両側
    • 動くと悪化
    • 中等度〜重度の痛み
  • 以下の1つ以上:
    • 吐き気または嘔吐
    • 光・音に敏感

子どもの片頭痛は大人より持続時間が短く、両側に痛みが出ることが多いのが特徴です [8]。「寝たら治る」のも片頭痛の特徴です

片頭痛の誘因(トリガー):

  • 睡眠不足、寝すぎ [10]
  • ストレス、疲労 [10]
  • 特定の食べ物(チョコレート、チーズ、カフェイン)[10]
  • 月経(思春期以降の女児)[10]
  • 天候の変化(気圧の変化)[10]

ポイント

  • 片頭痛は遺伝性が強い。家族歴がある子が70〜90% [2]
  • 子どもの片頭痛は両側、2〜72時間、寝たら治るが特徴 [8]
  • 誘因: 睡眠不足、ストレス、特定の食べ物 [10]

Q4.「緊張型頭痛って何ですか? 片頭痛との違いは?」

——「緊張型頭痛」という言葉を聞いたんですが、片頭痛とどう違うんですか?

片頭痛と緊張型頭痛はまったく別物です

片頭痛 vs 緊張型頭痛:

片頭痛 [2][8]

痛みの性質
ズキンズキン(拍動性)
痛みの強さ
中等度〜強い
痛みの場所
片側または両側
動くと悪化
する
吐き気
よくある
光・音に敏感
ある
持続時間
2〜72時間
日常生活への影響
寝込むこともある

緊張型頭痛 [3]

痛みの性質
締め付けられる、重い
痛みの強さ
軽度〜中等度
痛みの場所
両側(頭全体)
動くと悪化
しない
吐き気
ほとんどない
光・音に敏感
ない
持続時間
30分〜7日
日常生活への影響
日常生活は可能

緊張型頭痛の特徴:

  • 頭全体が締め付けられるような痛み [3]
  • 「ヘルメットをかぶったような」、「鉢巻きで締められるような」
  • 肩こり、首のこりを伴うことが多い [3]
  • ストレス、姿勢の悪さが原因 [3]
  • 動いても悪化しない(むしろ動いたほうが楽になることも)[3]

簡単に言うと、「寝込むほど痛い、吐き気がある」なら片頭痛、「我慢できる痛み、肩こりもある」なら緊張型頭痛と考えてください [2][3]

緊張型頭痛の対処法:

  • ストレス軽減 [3]
  • 姿勢の改善(勉強、ゲーム、スマホの姿勢に注意)[3]
  • 肩・首のストレッチ [3]
  • 適度な運動 [3]
  • 痛み止め(アセトアミノフェン、イブプロフェン)

ポイント

  • 片頭痛: ズキンズキン、吐き気あり、寝込む [2][8]
  • 緊張型頭痛: 締め付けられる、肩こりあり、我慢できる [3]
  • 緊張型頭痛はストレス、姿勢の悪さが原因 [3]

Q5.「頭痛の時、家で何をすればいいですか?」

——子どもが頭痛を訴えた時、家でできることはありますか?

頭痛のタイプによって対処法が違います

片頭痛の対処法:

すぐできること

  • 静かで暗い部屋で休む [2]

    • 光・音の刺激を避ける
    • カーテンを閉める
  • 冷やす [2]

    • 額やこめかみを冷たいタオルで冷やす
    • 血管を収縮させる
  • 寝る [2]

    • 片頭痛は睡眠で改善することが多い
    • 30分〜2時間の昼寝
  • 痛み止め [11]

    • アセトアミノフェン、イブプロフェン
    • 早めに飲む(痛みが強くなる前)
    • 市販薬でOK

やってはいけないこと

  • 激しい運動 → 悪化する
  • 明るい場所、騒がしい場所 → 刺激になる
  • 温める → 血管拡張で悪化

緊張型頭痛の対処法:

すぐできること

  • 温める [3]

    • 首・肩を温める
    • 温かいタオル、ホットパック
  • ストレッチ [3]

    • 首を回す、肩を上げ下げ
    • 血行を良くする
  • マッサージ [3]

    • 首、肩、頭皮を優しくマッサージ
  • リラックス [3]

    • 深呼吸、好きな音楽を聴く
    • ストレス解消
  • 痛み止め

    • アセトアミノフェン、イブプロフェン

痛み止めの注意点:

  • 月に10〜15日以上使うと、薬物乱用頭痛になる可能性 [12]
  • 痛み止めが原因で頭痛が慢性化
  • 頻繁に頭痛がある場合は、予防薬を検討

片頭痛は「冷やして暗い部屋で寝る」、緊張型頭痛は「温めてストレッチ」と覚えてください [2][3]。逆のことをすると悪化します

受診が必要な場合:

  • 痛み止めが効かない
  • 月に4回以上頭痛がある [11]
  • 頭痛で学校を休むことがある [11]
  • 日常生活に支障がある
  • 危険なサインがある(Q2参照)

ポイント

  • 片頭痛: 冷やして暗い部屋で寝る [2]
  • 緊張型頭痛: 温めてストレッチ [3]
  • 痛み止めは早めに飲む [11]
  • 月に10〜15日以上痛み止めを使うと薬物乱用頭痛に [12]

まとめ

  • 子どもの頭痛の90%以上は片頭痛や緊張型頭痛。危険な頭痛は少ない [1]
  • 危険なサイン: 突然の激しい頭痛、意識障害、高熱+首が硬い [5][6]
  • 片頭痛は遺伝性。家族歴がある子が70〜90% [2]
  • 片頭痛は冷やして暗い部屋で寝る、緊張型頭痛は温めてストレッチ [2][3]
  • 月に4回以上頭痛があれば受診を [11]

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