「突然鼻血が出て、なかなか止まらなくて……」、鼻血は子どもによくあるトラブルですが、いざ出ると慌ててしまいますよね。実は、子どもの鼻血の95%以上は、鼻の入口付近の毛細血管が切れただけで、心配いりません [1]。
今回は、鼻血の原因、正しい止め方、受診の目安、予防法について、よくある質問にお答えします。
子どもの鼻血って、どうして起こるんですか?#
子どもの鼻血の95%以上は、鼻をいじったり、乾燥したりすることで起こる単純な鼻出血です [1]。病気が原因のことはごくまれです
子どもの鼻血の原因:
① 鼻をいじる(最も多い)[1]#
- キーゼルバッハ部位(鼻の入口から1cm程度の場所)の血管が切れる
- 子どもは無意識に鼻をほじったり、こすったりする
- 鼻炎で鼻がむずむずする → いじる → 鼻血
② 鼻の粘膜の乾燥 [2]#
- 冬の暖房、夏の冷房で室内が乾燥
- 鼻の粘膜が乾燥 → ひび割れ → 血管が切れやすい
- 冬に鼻血が増える理由
③ 鼻炎・風邪 [3]#
- アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎で鼻の粘膜が腫れる
- 鼻をかむ、鼻をいじる回数が増える → 鼻血
④ ぶつけた・転んだ#
-
顔面打撲で鼻血が出ることも
-
ほとんどは一時的
-
鼻の入口から1cm程度の場所
-
左右の鼻中隔(鼻の真ん中の壁)の前方
-
複数の動脈が集まっているため、血管が豊富 [1]
-
子どもの鼻血の90%以上がここから [1]
子どもは鼻の粘膜が薄く、血管が浅いところにあります。だから、ちょっといじっただけで血が出やすいんです [2]。逆に言えば、病気が原因のことはほとんどありません [1]
鼻血が出た時、どうすればいいですか?#
いつも上を向かせて首をトントンしていたんですが、正しいんですか?
それは間違った方法です。血が喉に流れて、吐いたり、窒息したりする危険があります [4]。正しい止血法をお伝えしますね
正しい鼻血の止め方(4ステップ):
ステップ1: 座って少し前かがみ#
- 椅子に座る、または立つ [4]
- 少し前かがみになる(下を向く)
- 血が喉に流れないようにする
ステップ2: 小鼻をつまむ#
ステップ3: 口で静かに呼吸#
- 鼻は詰まっているので、口で呼吸
- 落ち着いて深呼吸
ステップ4: 10分経ったら離して様子を見る#
- 10分後に手を離す [4]
- まだ出血している場合は、さらに10分つまむ
- 出血が止まったら、1時間は安静に
ポイントは「座って前かがみ、小鼻を10分つまむ」です。これだけ覚えてください [4]
やってはいけないこと:
| 間違った方法 | なぜダメか |
|---|---|
| 上を向く [4] | 血が喉に流れる → 吐く、窒息の危険 |
| 首をトントン [4] | 止血効果なし。むしろ振動で悪化 |
| ティッシュを詰める [4] | 取る時に再出血。詰め込みすぎて取れなくなることも |
| 横になる | 血が喉に流れやすい |
| 鼻をかむ [5] | かさぶたが取れて再出血 |
昔からの間違った民間療法です。血が喉に流れると、吐いたり、むせたりして危険です [4]。必ず前かがみで
こんな鼻血は危ない、という目安はありますか?#
ほとんどの鼻血は心配ありませんが、以下の場合はすぐに受診してください [6]
すぐに受診すべき鼻血:
緊急度:高#
緊急度:中#
緊急度:低(翌日〜数日以内に受診)#
- 月に1回以上繰り返す
- 鼻血の後、いつも吐く(血を飲み込んでいる)
- 鼻が詰まって苦しそう
- 鼻血が10分の圧迫で止まるが、頻繁
病気が隠れている鼻血(まれ):
| 病気 | 特徴 |
|---|---|
| 血液凝固異常 [8] | 止まりにくい、歯茎からも出血、あざが多い |
| 血小板減少症 [8] | 鼻血以外にも出血しやすい |
| 白血病 [8] | 鼻血 + 発熱、体重減少、リンパ節腫脹 |
| 鼻腔内腫瘍(極めてまれ)[7] | 片側だけ頻繁、鼻詰まりも |
これらの病気が原因の鼻血は全体の1%未満です [1]。でも、頻繁に繰り返す、止まりにくい、他の症状もある場合は、念のため受診して血液検査をすることがあります [8]
鼻血を繰り返さないための予防法はありますか?#
いくつか予防法があります
鼻血予防の5つのポイント:
① 鼻をいじらない#
- 爪を短く切る [5]
- 鼻がむずむずする時は、鼻の外から優しくさする
- 寝ている間に無意識にいじる子は、手袋をして寝る
② 室内の乾燥を防ぐ#
- 加湿器を使う(湿度50〜60%が目安)[2]
- 洗濯物を部屋干し
- 濡れタオルを干す
③ 鼻の保湿#
- ワセリンを綿棒で鼻の入口に薄く塗る [5]
- 1日2回(朝・寝る前)
- 鼻の粘膜の乾燥を防ぐ
④ 鼻炎の治療#
- アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎があればしっかり治療 [3]
- 鼻炎 → 鼻をいじる → 鼻血の悪循環を断つ
⑤ 鼻血が止まった後のケア#
特に室内の乾燥対策と鼻の保湿(ワセリン)が効果的です [2][5]。冬場は暖房で室内が乾燥しやすいので、加湿器を使ってください
鼻の粘膜を焼く治療(電気凝固術):
鼻血の時、やっていいこと・ダメなことを教えてください#
鼻血が止まった後も、注意すべきことがあります
鼻血の後の生活(当日):
| 行動 | OK? | 理由 |
|---|---|---|
| 普通に食事 | ○ | 問題なし |
| 学校・保育園 | ○ | 出血が止まっていればOK |
| お風呂(ぬるめ) | ○ | シャワー程度ならOK [5] |
| 熱い風呂、長風呂 | × | 血管拡張 → 再出血 [5] |
| 激しい運動 | × | 血圧上昇 → 再出血 [5] |
| 鼻をかむ | × | かさぶたが取れる → 再出血 [5] |
| 鼻をほじる | × | 再出血の原因 [5] |
| うつ伏せで寝る | × | 鼻に圧力 → 再出血 |
鼻血の後のケア(翌日以降):
鼻血で吐いた場合:
- 血を飲み込んで吐くことがある
- コーヒーのような色の嘔吐(血液が胃酸で変色)
- 吐いた後は普通に食事してOK
- 何度も吐く、腹痛がある場合は受診
鼻血そのものは怖くありませんが、血を飲み込むと気持ち悪くなって吐くことがあります。だから、前かがみで血を喉に流さないことが大切なんです [4]
まとめ#
- 子どもの鼻血の95%以上は心配ない。鼻の入口の血管が切れただけ [1]
- 正しい止血法: 座って前かがみ、小鼻を10分つまむ [4]
- 上を向く、ティッシュを詰める、首をトントンは逆効果 [4]
- 20分以上圧迫しても止まらない場合はすぐ受診 [6]
- 予防: 爪を短く、室内を加湿、鼻にワセリン [2][5]