子どものやけどは家庭で最も多い外傷の一つ。味噌汁・ケトル・お風呂・ストーブ・ヘアアイロン…原因は様々です。初期対応の差が数週間の経過を左右します [1]。
20分間の流水が基本#
国際ガイドライン・日本熱傷学会ともに、受傷後3時間以内にできるだけ早く「冷水(温水15-25度)を20分間」が標準です [2]。
| 理由 | 説明 |
|---|---|
| 熱の残存を除去 | 真皮の深部まで冷やす |
| 疼痛軽減 | 炎症を抑える |
| 深達度を下げる | 受傷深度の進行を防ぐ |
| 瘢痕軽減 | 治癒後の傷跡が残りにくい |
20分未満だと効果が不十分、氷水は凍傷リスクで推奨されません [2]。
ポイント
- 20分間流水が標準 [2]
- 15-25度の温水(冷水)
- 氷水はNG
やけどの深さと広さ#
| 深達度 | 症状 | 予後 |
|---|---|---|
| Ⅰ度(表皮) | 赤み、痛み | 数日で治癒 |
| 浅達性Ⅱ度(真皮浅層) | 水疱、強い痛み | 1-2週間で治癒 |
| 深達性Ⅱ度(真皮深層) | 水疱、痛み軽度、蒼白 | 3-4週間、瘢痕残存 |
| Ⅲ度(皮下組織) | 白・黒、無痛 | 手術必要 |
| 広さの見方 | 説明 |
|---|---|
| 手のひら1枚 | 体表面積約1% |
| 成人基準の9の法則 | 小児には適用せず |
| 小児はLund-Browder表 | 頭部が大きい |
ポイント
- 手のひら1枚=1%
- 小児は頭部が大きい
- Ⅱ度以上は受診
家庭での対応#
| 対応 | 内容 |
|---|---|
| 1. 流水20分 | 最重要 |
| 2. 服はそのまま冷やす | 無理に脱がさない |
| 3. 水ぶくれは破らない | 感染予防 |
| 4. ラップで覆う | 清潔に保つ |
| 5. 痛み止め | アセトアミノフェン |
| 6. 受診 | 範囲・部位による |
NG対応
- 氷を直接当てる
- 軟膏・油・味噌を塗る
- 水ぶくれを破る
- ティッシュを貼る
- 無理に服を脱がす
ポイント
- 流水→ラップ→受診
- 軟膏・民間療法NG
- 服は無理に脱がさない
受診の目安#
| 受診すべき | 理由 |
|---|---|
| 手のひら1枚以上の水疱 | 範囲の評価 |
| 顔・手・関節・陰部 | 機能温存 |
| 化学熱傷 | 特殊処置 |
| 電気熱傷 | 深部損傷 |
| Ⅱ度以上の疑い | 感染リスク |
| 1歳未満 | 重症化しやすい |
| 疼痛強い・水疱多発 | 専門対応 |
ポイント
- 顔・手・関節・陰部は必受診
- 1歳未満は低閾値で受診
- 化学・電気熱傷は特殊対応
予防と環境整備#
予防策
- 味噌汁・熱飲料をテーブル端に置かない
- ケトル・炊飯器を手の届く場所に置かない
- お風呂の給湯温度は50度以下
- ストーブには柵を設置
- ヘアアイロンは冷えるまで管理
- ライター・マッチは隠す
ポイント
- 熱いものは奥・高い位置
- 給湯温度設定を下げる
- 予防が最善の治療
まとめ#
- 流水20分が救命処置
- 水ぶくれは破らずラップで覆う
- 軟膏・民間療法NG
- 手のひら1枚以上・顔・手は受診
- 予防は環境整備が基本
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