停留精巣は、精巣が陰嚢内に下降していない状態で、男児の約3%(早産児では約30%)に見られます。1歳までに手術を行うことが推奨されています。今回は、停留精巣についてお伝えします。
停留精巣とは?#
| 基本情報 | 詳細 |
|---|---|
| 頻度 | 正期産児の約3%、早産児の約30% |
| 自然下降 | 生後6か月までに約70%が自然下降 |
| 片側が多い | 約80%が片側(右側が多い) |
| 手術の時期 | 生後6-12か月が推奨 |
ポイント
- 男児の約3%に見られる
- 生後6か月までに多くが自然下降
- 6か月を過ぎたら手術を検討
移動性精巣とは違いますか?#
| 種類 | 特徴 | 治療 |
|---|---|---|
| 停留精巣 | 常に陰嚢外にある | 手術が必要 |
| 移動性精巣 | 入浴時は陰嚢内にある | 経過観察(多くは治療不要) |
移動性精巣は温かい環境(入浴時)で陰嚢内に触れるのが特徴です。定期的な経過観察が必要ですが、多くは手術不要です。
ポイント
- 移動性精巣と停留精巣は異なる
- 入浴時に触れれば移動性の可能性
- 移動性は多くが手術不要
なぜ手術が必要ですか?#
| リスク | 詳細 |
|---|---|
| 不妊 | 精子形成に影響 |
| 精巣腫瘍 | リスクが約4-8倍 |
| 精巣捻転 | ねじれのリスクが高い |
| 鼠径ヘルニア | 合併しやすい |
早期手術(1歳まで)により、不妊や腫瘍のリスクを下げることができます。
ポイント
- 不妊と腫瘍のリスクがある
- 早期手術でリスクを低減
- 1歳までの手術が推奨
手術はどのようなものですか?#
| 手術について | 詳細 |
|---|---|
| 術式 | 精巣固定術(orchiopexy) |
| 麻酔 | 全身麻酔 |
| 所要時間 | 約1時間 |
| 入院 | 日帰り〜1泊 |
| 成功率 | 約95%以上 |
術後の注意
- 1-2週間は激しい運動を避ける
- 入浴は翌日から
- 定期的な経過観察
ポイント
- 日帰りまたは短期入院で行える
- 成功率は95%以上
- 術後の回復は早い
健診でのチェックは?#
| 健診でのチェック | 詳細 |
|---|---|
| 出生時 | 精巣の位置を確認 |
| 1か月健診 | 再確認 |
| 3-4か月健診 | 下降しているか確認 |
| 6か月以降 | 未下降なら泌尿器科紹介 |
ご家庭でも入浴時に陰嚢内に精巣が触れるか確認してみてください。両側を比べて明らかに差がある場合は受診してください。
ポイント
- 乳幼児健診で必ず確認
- 入浴時に家庭でもチェック可能
- 左右の差が大きい場合は受診
今号のまとめ#
- 停留精巣は男児の約3%に見られる
- 生後6か月までに約70%が自然下降
- 手術は生後6-12か月が推奨
- 早期手術で不妊・腫瘍のリスクを低減
- 入浴時のセルフチェックが大切