クループ症候群は、喉頭(のどの奥の声帯周辺)の炎症により、特徴的な犬吠様の咳(ケンケンという咳)と吸気性喘鳴(息を吸う時のヒューヒュー音)を起こす病気です。生後6か月〜3歳に多く、夜間に悪化しやすいのが特徴です。今回は、クループの対応についてお伝えします。
クループ症候群とは?#
夜中に突然、変な咳が始まりました
クループは、ウイルス感染による喉頭(声帯の周辺)の腫れで起こります [1]。
| 基本情報 | 詳細 |
|---|---|
| 好発年齢 | 生後6か月〜3歳(ピークは2歳) |
| 原因 | パラインフルエンザウイルスが最多(約75%) |
| 季節 | 秋〜冬に多い |
| 特徴 | 夜間に突然発症・悪化 |
| 経過 | 通常3-5日で改善 |
クループの3大症状
- ①犬吠様咳嗽(ケンケンという咳)
- ②嗄声(声がかれる)
- ③吸気性喘鳴(息を吸う時のヒューヒュー音)
ポイント
- 犬吠様の咳が特徴的
- 夜間に突然悪化する
- 通常3-5日で改善
家庭でできる対応は?#
夜中に始まった場合、何ができますか?
以下の対応をしてください [2]。
| 家庭での対応 | 方法 |
|---|---|
| お子さんを安心させる | 泣くと症状が悪化するため、抱っこで落ち着かせる |
| 上体を起こす | 横にするより座った姿勢の方が楽 |
| 冷たい空気を吸わせる | 窓を開けて冷たい外気を吸わせると改善することがある |
| 水分補給 | 少量ずつ水分を与える |
以前言われていたが効果が証明されていない方法
- 加湿器やスチーム:エビデンスでは効果が証明されていない
- ただし、お風呂場の蒸気で落ち着くお子さんもいる
ポイント
- まずお子さんを落ち着かせる(泣くと悪化)
- 上体を起こした姿勢で
- 冷たい外気を吸わせると改善することがある
受診のタイミングは?#
救急に行くべきですか?
以下の症状があればすぐに受診してください [3]。
| 重症度 | 症状 | 対応 |
|---|---|---|
| 軽症 | 犬吠様咳、安静時に喘鳴なし | 家庭で経過観察 |
| 中等症 | 安静時にも吸気性喘鳴あり | 受診(夜間でも) |
| 重症 | 呼吸困難、陥没呼吸、チアノーゼ | 救急(119番) |
119番を呼ぶべき状態
- 唇や顔色が青白い(チアノーゼ)
- 息を吸う時に胸がペコペコ凹む(陥没呼吸)
- よだれを垂らして飲み込めない
- ぐったりして反応が鈍い
- 座っていても息苦しそう
ポイント
- 安静時の喘鳴は中等症→受診
- チアノーゼ、陥没呼吸は重症→119番
- よだれが飲み込めないのは急性喉頭蓋炎の可能性(緊急)
クループの治療は?#
病院ではどんな治療をしますか?
重症度に応じた治療を行います [4]。
| 治療 | 内容 |
|---|---|
| デキサメタゾン(ステロイド) | 内服または筋注。喉頭の腫れを軽減。数時間で効果 |
| アドレナリン吸入 | 重症例に使用。即効性があるが効果は一時的(2時間) |
| 酸素投与 | 低酸素の場合 |
| 経過観察 | アドレナリン吸入後は3-4時間の経過観察が必要 |
「デキサメタゾンの単回投与が最も効果的な治療です。軽症でも投与することで、症状の悪化を防ぎ、再受診率を下げることが示されています。」
ポイント
- ステロイド(デキサメタゾン)が最も効果的
- 重症にはアドレナリン吸入を追加
- アドレナリン吸入後は経過観察が必要
クループは繰り返しますか?#
また同じようなことが起きますか?
繰り返すお子さんは約15%います [5]。
| 再発について | 詳細 |
|---|---|
| 再発率 | 約15% |
| 反復性クループ | 年に2回以上を繰り返す場合 |
| 背景疾患の検討 | 反復する場合は気道の構造異常を検索 |
| 年齢とともに改善 | 気道が太くなる3-4歳以降は自然に減少 |
「気道が成長とともに太くなるため、3-4歳を過ぎるとクループは起こりにくくなります。」
ポイント
- 約15%に再発がある
- 3-4歳以降は自然に減少
- 繰り返す場合は気道の精査を
今号のまとめ#
- クループは喉頭の腫れによる犬吠様咳・吸気性喘鳴
- 夜間に突然悪化。お子さんを落ち着かせることが第一
- 安静時の喘鳴は受診、チアノーゼは119番
- ステロイド(デキサメタゾン)が最も効果的な治療
- 3-4歳を過ぎると自然に起こりにくくなる