愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.252
「やけどしました!」、子どものやけど
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
やけど(熱傷)は子どもの事故で最も多いものの一つです。特に1-2歳の乳幼児は、熱い液体をこぼしてやけどすることが多いです。初期対応が重要で、正しい応急処置で痕が残りにくくなります。今回は、子どものやけどについてお伝えします。
Q1.「やけどの応急処置は?」
——お湯をこぼしてやけどしました!
すぐに流水で20分以上冷やすことが最も大切です [1]。
| 応急処置 | 詳細 |
|---|---|
| 流水で冷やす | 20分以上。水道水(15-25℃)で |
| 衣服 | 無理に脱がさない(皮膚が剥がれる) |
| 衣服の上から冷やす | 脱がせられない場合 |
| 冷やしすぎ注意 | 氷は使わない(凍傷のリスク) |
| してはいけないこと |
|---|
| 氷を直接当てない |
| アロエ・バター・味噌等を塗らない |
| 水ぶくれを破かない |
| ラップだけで覆って放置しない |
「冷やすことが最も重要です。「20分」が目安ですが、痛みが引くまで冷やしてください。」
ポイント
- 流水で20分以上冷やす
- 氷は使わない
- 水ぶくれは破かない
Q2.「やけどの重症度は?」
——病院に行くべきですか?
やけどは深さと面積で重症度を判定します [2]。
特徴
- I度
- 赤くなる。痛い
- 浅いII度
- 水ぶくれ。強い痛み
- 深いII度
- 水ぶくれ。痛みが少ない
- III度
- 白っぽい・黒い。痛みなし
治療
- I度
- 冷却のみ。数日で治る
- 浅いII度
- 軟膏処置。2-3週で治る
- 深いII度
- 専門治療。瘢痕が残ることも
- III度
- 手術(皮膚移植)が必要
| すぐに受診すべき場合 |
|---|
| 水ぶくれができた(II度以上) |
| 面積が手のひら以上 |
| 顔・手・関節・陰部のやけど |
| 熱い油や化学薬品によるやけど |
ポイント
- 水ぶくれは受診の目安
- 顔・手・関節は必ず受診
- 痛みがないやけどはかえって重症
Q3.「やけどの痕は残りますか?」
——痕が残らないか心配です
深さによって痕の残りやすさが異なります [3]。
| 深さ | 痕の残りやすさ |
|---|---|
| I度 | 残らない |
| 浅いII度 | 通常残らない(2-3週で上皮化) |
| 深いII度 | 残ることがある |
| III度 | 残る(手術が必要) |
| 痕を残さないために |
|---|
| 初期の冷却を十分に行う |
| 水ぶくれを破かない |
| 医師の指示通りに軟膏を塗る |
| 日焼けを避ける(色素沈着の予防) |
ポイント
- 浅いII度までなら痕は残りにくい
- 初期対応が重要
- 治癒後は日焼けを避ける
Q4.「低温やけどとは?」
——カイロで低温やけどになると聞きました
低温やけどは44-50℃の低い温度でも長時間接触すると起こる深いやけどです [4]。
| 原因 | 詳細 |
|---|---|
| 湯たんぽ | 就寝中に接触 |
| 使い捨てカイロ | 貼ったまま就寝 |
| 暖房器具 | ヒーターの前で寝てしまう |
| 充電器 | 充電中のスマートフォン |
| 低温やけどの特徴 |
|---|
| 痛みが少ないため気づきにくい |
| 見た目以上に深い(深いII度〜III度) |
| 治りにくい |
ポイント
- 低温でも長時間で深いやけどに
- 湯たんぽは布でくるむ
- 就寝中の暖房器具に注意
Q5.「やけどの予防は?」
——やけどを防ぐにはどうすればいいですか?
キッチンと浴室が最も危険です [5]。
| 場所 | 予防策 |
|---|---|
| キッチン | テーブルクロスを使わない(引っ張る)。鍋の取っ手を奥に向ける |
| 浴室 | お湯の温度を48℃以下に設定。先に水を入れてからお湯 |
| 食卓 | 熱い飲み物はテーブルの奥に。マグカップに蓋をする |
| アイロン | 使用後はすぐに片付ける |
| 電気ポット | ロック機能付きを使用 |
| やけどの多い年齢と状況 |
|---|
| 0-1歳:味噌汁・コーヒーをこぼす |
| 1-2歳:炊飯器の蒸気に触れる |
| 3-4歳:花火でのやけど |
ポイント
- テーブルクロスは使わない
- 熱い飲み物はテーブルの奥に
- 浴室の温度設定に注意
今号のまとめ
- やけどは流水で20分以上冷やす
- 水ぶくれができたら受診
- 顔・手・関節のやけどは必ず受診
- 低温やけどは深くなりやすい
- キッチンと浴室の安全対策が最重要
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ご質問・ご感想
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