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「視力が出ません」、弱視の早期発見と治療
Vol.215

「視力が出ません」、弱視の早期発見と治療

弱視は眼鏡をかけても視力が出ない状態。小児の約2-3%に見られ、早期発見・治療が極めて重要

全年齢5
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 5·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • 眼鏡をかけても視力が出ない状態
  • 小児の2-3%に見られる
  • 早期発見・治療が極めて重要

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.215

「視力が出ません」、弱視の早期発見と治療

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

弱視は、眼鏡をかけても視力が十分に出ない状態で、小児の約2-3%に見られます。視力の発達は6-8歳頃に完了するため、それまでに発見・治療することが極めて重要です。今回は、弱視について詳しくお伝えします。

Q1.「弱視とは?」

——弱視とはどういう状態ですか?

弱視は、目の構造には問題がないのに、脳での視覚情報処理が十分に発達していない状態です [1]

基本情報詳細
頻度小児の約2-3%
原因視覚刺激の遮断や左右差
治療適齢期6歳まで(早いほど効果的)
治療限界8-10歳以降は改善が困難
弱視の原因詳細
屈折異常弱視強い遠視・乱視・近視
不同視弱視左右の屈折度数の差が大きい
斜視弱視斜視の目が抑制される
形態覚遮断弱視先天白内障、眼瞼下垂

ポイント

  • 眼鏡をかけても視力が出ない
  • 小児の2-3%に見られる
  • 早期発見・治療が極めて重要

Q2.「どうやって見つけますか?」

——子どもは自分で見えにくいと言えませんよね?

そのため、スクリーニング検査が重要です [2]

発見の機会時期
乳幼児健診4か月、1歳半、3歳
3歳児健診の視力検査最も重要なスクリーニング
フォトスクリーナーカメラ型の簡易検査(1歳から可能)
就学時健診発見は遅いがまだ治療可能
家庭で気づくサイン
テレビに近づいて見る
片目を隠すと嫌がる
目を細める
首を傾ける

「3歳児健診の視力検査は弱視発見の最大のチャンスです。事前に家庭でランドルト環(Cの字)の練習をしておくと、検査がスムーズです。」

ポイント

  • 3歳児健診が最も重要
  • フォトスクリーナーは1歳から可能
  • 家庭でのサインに注意

Q3.「治療はどうしますか?」

——弱視は治りますか?

早期に治療を開始すれば、多くの場合改善します [3]

治療法内容
眼鏡装用屈折異常を矯正。まず眼鏡から
遮閉法(アイパッチ)良い方の目を隠して弱視の目を使わせる
アトロピン点眼良い方の目をぼやけさせる
手術斜視がある場合
アイパッチの実際
1日2-6時間の装用(程度による)
装用中はぬり絵、読書などの作業を
数か月〜数年の継続が必要
嫌がる場合はシール式やデザイン入りを

ポイント

  • まず眼鏡で矯正
  • アイパッチで弱視の目を鍛える
  • 早期治療で多くが改善

Q4.「眼鏡を嫌がります」

——子どもが眼鏡を嫌がって困っています

最初は嫌がることが多いですが、工夫次第でかけてくれるようになります [4]

工夫内容
見え方の改善を実感弱視用眼鏡は見やすくなるため自然に受け入れる
バンド付きフレーム外れにくい
お気に入りのフレーム本人に選ばせる
ロールモデル眼鏡をかけている人を見せる
無理強いしない短時間から始める

「弱視治療用眼鏡は健康保険の対象です。9歳未満の子どもの弱視治療用眼鏡には保険が適用されます。」

ポイント

  • 工夫次第でかけてくれる
  • 本人にフレームを選ばせる
  • 弱視用眼鏡は保険適用

Q5.「治療はいつまで続けますか?」

——いつまで治療が必要ですか?

視力が安定するまで定期的なフォローが必要です [5]

治療の経過詳細
改善期眼鏡+アイパッチで視力が改善
維持期治療の頻度を減らして経過観察
再発治療を急に中止すると再発することがある
終了時期視力が安定し、8-10歳を過ぎたら終了

「弱視の治療は根気が必要です。途中で治療を中止すると再発することがあるため、医師の指示に従って継続してください。」

ポイント

  • 視力が安定するまで継続
  • 急に中止すると再発の可能性
  • 定期的な眼科受診が大切

今号のまとめ

  • 弱視は小児の2-3%に見られ、早期発見が重要
  • 3歳児健診の視力検査が発見の最大のチャンス
  • 6歳までの治療開始が効果的
  • 眼鏡とアイパッチが治療の基本
  • 弱視治療用眼鏡は保険適用

あわせて読みたい

  • Vol.214「斜視」
  • Vol.216「近視予防」
  • Vol.217「結膜炎」

ご質問・ご感想

「弱視と言われました」「アイパッチを嫌がります」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。

愛育病院 小児科 おかもん先生

本メルマガの内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さまの症状についてはかかりつけの小児科医にご相談ください。

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