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「おやつ何を何回あげればいいですか?」「ジュースは毎日でも大丈夫?」。離乳食期を終えた後によくいただく相談です。 日本と欧米の基準を踏まえて、現実的なおやつルールをお話しします。
おやつは1日何回くらいが適切ですか?#
2歳の娘におやつをあげる回数に迷います。1回?2回?
幼児(1〜5歳)のおやつは、1日1〜2回が原則です [1]。
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」および日本小児栄養学会の指針では、1〜2歳では午前と午後に各1回、3歳以降は午後に1回を基本としています [1]。
| 年齢 | おやつ回数 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 1〜2歳 | 1〜2回 | 10時頃・15時頃 |
| 3〜5歳 | 1回 | 15時頃 |
| 6歳以降 | 0〜1回 | 15時〜16時頃 |
年齢
1〜2歳
おやつ回数
1〜2回
時間の目安
10時頃・15時頃
年齢
3〜5歳
おやつ回数
1回
時間の目安
15時頃
年齢
6歳以降
おやつ回数
0〜1回
時間の目安
15時〜16時頃
幼児のおやつは「お菓子」ではなく第4の食事として捉えるのが正解です。3食だけでは必要なエネルギーを胃のキャパシティで賄えないので、補食として機能します [1]。
この意味で、理想的なおやつは以下のようなものです:
- おにぎり・食パン・サンドイッチ
- 蒸しパン・焼き芋
- バナナ・いちご・みかん
- ヨーグルト・チーズ
- 麦茶・牛乳
市販のお菓子・ジュースを完全に禁止する必要はありませんが、「お菓子はおやつのごく一部」として位置づけることが大切です。
だらだら食いはなぜダメなのですか?#
ちょこちょこ食べる方が量は摂れていいような気もしますが、どうでしょう。
「だらだら食い」は2つの点で望ましくありません。
第1に、虫歯リスクの上昇です [2]。
米国小児歯科学会(AAPD)は、1日3回を超える間食は虫歯リスクを高い状態に分類しています [2]。糖分や炭水化物が口の中にあるたびに、虫歯菌が酸を作り、歯が溶け出します。食事後の唾液による再石灰化が追いつかなくなります。
第2に、食欲リズムの崩壊です。少量ずつ頻回に食べていると、胃は常に中等量の内容物がある状態になり、明確な空腹サインが出にくくなります [3]。結果として「食事時間になっても食欲がない」状態が常態化します。
| だらだら食いの影響 | メカニズム |
|---|---|
| 虫歯増加 | 口腔内の酸性時間が長い |
| 食欲不振 | 空腹サインが鈍る |
| 満腹感覚の鈍化 | 自律的食欲調整が崩れる |
| 栄養バランス低下 | お菓子中心になりがち |
だらだら食いの影響メカニズム
虫歯増加
口腔内の酸性時間が長い
食欲不振
空腹サインが鈍る
満腹感覚の鈍化
自律的食欲調整が崩れる
栄養バランス低下
お菓子中心になりがち
外来で「夕食を食べない」と相談された時、私は必ずおやつの時間・内容・量を確認します。たいていの場合、そこに原因が見つかります。
ジュースや甘いお菓子はどれくらいOKですか?#
ジュースやクッキーが大好きで、毎日ほしがります。どこまで許していいですか?
米国小児科学会(AAP)と米国心臓協会(AHA)は、添加糖について以下の基準を示しています [3]。
| 年齢 | 添加糖の上限(1日) |
|---|---|
| 2歳未満 | 添加糖を避ける |
| 2歳以上 | 25g未満(小さじ約6杯) |
| 成人 | 女性25g、男性36g未満 |
年齢添加糖の上限(1日)
2歳未満
添加糖を避ける
2歳以上
25g未満(小さじ約6杯)
成人
女性25g、男性36g未満
また、100%果汁ジュースについては [3]:
| 年齢 | 100%ジュース上限(1日) |
|---|---|
| 1歳未満 | 与えない |
| 1〜3歳 | 120ml以下 |
| 4〜6歳 | 120〜180ml |
| 7〜18歳 | 240ml以下 |
年齢100%ジュース上限(1日)
1歳未満
与えない
1〜3歳
120ml以下
4〜6歳
120〜180ml
7〜18歳
240ml以下
実は市販の果汁飲料や清涼飲料水のほとんどが、1本で1日の上限を超えてしまいます。代表的な例:
- コーラ500ml:添加糖約55g
- オレンジジュース200ml:約20g
- 乳酸菌飲料65ml:約12g
- 市販の甘いクッキー3枚:約10g
これらを日常的に与えていると、ほぼ確実に上限オーバーになります。
おやつの時間のルールを教えてください#
何時にあげればいいか、量はどれくらいか、具体的に知りたいです。
外来でお伝えしている基本ルールは以下の通りです [1][3]。
| 原則 | 内容 |
|---|---|
| 時間を決める | 毎日同じ時間(例:10時・15時) |
| 場所を決める | 食卓やテーブルで |
| 量を決めて出す | 袋ごと渡さない |
| 食事の2時間前まで | 直前は避ける |
| 水分は水・麦茶 | ジュースは例外的に |
| テレビを見ながらはNG | 食べる量の感覚が鈍る |
| 食後は歯磨きor口ゆすぎ | 虫歯予防 |
原則内容
時間を決める
毎日同じ時間(例:10時・15時)
場所を決める
食卓やテーブルで
量を決めて出す
袋ごと渡さない
食事の2時間前まで
直前は避ける
水分は水・麦茶
ジュースは例外的に
テレビを見ながらはNG
食べる量の感覚が鈍る
食後は歯磨きor口ゆすぎ
虫歯予防
量の目安は、1〜2歳で1回100〜150kcal、3〜5歳で1回150〜200kcal程度です [1]。
具体例:
- 1〜2歳:おにぎり小1個+牛乳100ml
- 3〜5歳:バナナ1本+チーズ1個+麦茶
- 小学生:食パン1枚+りんご半分+牛乳150ml
今号のまとめ#
- 幼児のおやつは1日1〜2回、時間を固定して与える補食
- 添加糖は2歳以上で1日25g未満、2歳未満は避ける
- 100%ジュースは1〜3歳で120ml以下
- だらだら食いは虫歯と食欲不振の主因
- 時間・場所・量を決めれば堂々とあげてOK