愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.372
子どもの病気で休めない:病児保育という選択肢
保育園から電話が鳴る。「お熱が出ました。お迎えお願いします」。急いで仕事を切り上げ、周囲の目を気にしながら早退する。翌日も翌々日も休まざるを得ない。
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
子どもの病気は仕方のないこと。でも仕事との両立は切実な問題です。今回は病児保育の使い方と、港区で利用できるサービスについてお伝えします。
呼び出しが多いのは、むしろ正常。1年目が山場です
保育園に通い始めた子どもは、年に何度も発熱や感染症を繰り返すのが一般的です(回数の目安は年齢や集団規模で差がありますが、入園1年目はとくに多い)。呼び出しが多いのはむしろ正常の範囲です。
乳幼児は免疫系が未成熟なため、集団保育に入ると感染症にかかりやすくなります。最初の1年間はとくに頻繁に体調を崩しやすいと知られています [1]。一方で、乳児期に家庭外で他の子どもと接する機会がある子では、その後に喘息や喘鳴を発症するリスクが低い傾向も報告されています [2]。「体が弱い子」ではなく「免疫が働いている途中の子」と捉え直してあげてください。
今は大変ですが、この時期を過ぎると子どもは驚くほど丈夫になります。問題は「病気になること」ではなく「その間の仕事との両立」をどう設計するかです。
病児保育は「元気なうちに登録」が鉄則です
病児保育は、病気で保育園に通えない子どもを看護師や保育士がいる施設で預かるサービスです。
施設型病児保育は小児科に併設された専用スペースで、看護師・保育士が保育し、医師が近くにいるので安心です。病後児保育は急性期を過ぎた回復期の子どもが対象。訪問型病児保育は専門のスタッフが自宅に来てくれるサービスで、フローレンス等のNPOやベビーシッター会社が提供しています [3]。
港区の施設型病児保育室は医療機関に併設されているところが多く、対象年齢や利用料(区の助成の有無を含む)は施設によって異なります。利用前に港区公式サイトまたは各施設で最新情報を必ずご確認ください [4](※利用料・対象年齢は要確認)。
事前登録を子どもが元気なうちに済ませてください。病気になってからでは間に合いません。複数の施設と訪問型の両方に登録しておくと選択肢が広がります。
病児保育以外にも、バックアッププランを持っておく
病児保育室だけに頼らず、複数のプランを持つことが鍵です。
ファミリーサポートは原則として発熱・感染症の子どもの預かりは不可ですが、回復期であれば対応可能な場合があります。ベビーシッターは病児対応のシッターもいます(事前確認が必要)。祖父母や親族には遠方でも事前に「緊急時の応援体制」を相談しておいてください。
職場では在宅勤務制度の活用が有効です。そしてパートナーと交代で休む仕組みを作ってください。「毎回母親が休む」パターンを避けることが大切です。
子どもの看護で休むことは、法律で守られた権利です
子どもの病気で休むことに罪悪感を感じていませんか。子どもの看護のために休むことは、法律で保障された権利です。
育児・介護休業法では、一定年齢までの子を養育する労働者は、子の看護のために年5日(子が2人以上の場合は年10日)の休暇を取得できます。2025年4月の法改正で対象年齢が小学校3年生修了までに拡大されるなど、制度は見直しが進んでいます(※最新の適用範囲は厚労省の案内で要確認)[5]。
罪悪感を減らすために。子どもの病気で休むことは権利であり恥じることではない。「お互いさま」の文化を自分から作る。休んだ分は出勤日に効率よく仕事をする。事前に「子どもが病気のときの対応」を上司と話し合っておく。

おかもん先生より
あなたが子どもの看護のために休むことは、将来の社会を支える人材を育てている行為です。誰にも謝る必要はありません。
今号のまとめ
- 保育園児の発熱・感染症は頻回でも正常の範囲。入園1年目がとくに多い
- 病児保育は施設型・訪問型があり、事前登録が必須
- 港区の病児保育は施設ごとに料金・対象が異なる(事前に公式サイトで確認)
- 看護休暇は法律上の権利(年5日/子1人)
- 複数の預け先プランを持つことが仕事と育児の両立の鍵
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ご質問・ご感想
「病児保育を使ってよかった」「こうやって仕事と両立しています」など、体験談やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。
愛育病院 小児科 おかもん先生
本メルマガの内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さまやお母さまの症状についてはかかりつけの産婦人科・小児科医にご相談ください。制度の内容は2026年4月時点のものです。最新情報は港区の公式サイトでご確認ください。