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こんにちは、愛育病院小児科のおかけんです。
今回はいつもの医学テーマとは少し趣を変えて、港区の子育て支援制度を特集します。愛育病院のある港区は、実は全国的にみても子育て支援が非常に充実した自治体のひとつです。
外来で「こんな制度があるなんて知りませんでした!」というお声をよくいただきます。せっかく港区にお住まいなのに、使える制度を知らないのはもったいないですよね。
今回は、医療費助成・予防接種・健診・子育て支援サービス・給付金の5つのテーマについてお伝えします。
ご注意:本記事の情報は2026年2月時点の内容に基づいています。制度の詳細や金額は変更される場合がありますので、最新情報は必ず港区公式ホームページまたは各総合支所の窓口でご確認ください。
子どもの医療費って何歳まで助成されるんですか? 自己負担はありますか?#
うちの子はまだ2歳なのですが、病院の窓口でお金を払ったことがないんです。これっていつまで続くんですか? 小学校に上がったら自己負担が出てくるのでしょうか
よいご質問ですね。港区の子ども医療費助成制度は、実はとても手厚いんです。まず東京都全体の制度として、高校生等(18歳に達する日以後の最初の3月31日まで)までの子どもの医療費を助成する『マル子・マル青医療証』の仕組みがあります。港区もこの制度に基づき、0歳から高校3年生相当(18歳年度末)までの通院・入院にかかる医療費の自己負担分を助成しています
港区にお住まいで、お子さんが健康保険に加入していれば、通院・入院ともに自己負担なし(保険診療分)が基本です。乳幼児(未就学児)は『マル乳医療証』、小中学生は『マル子医療証』、高校生相当は『マル青医療証』が交付され、都内の医療機関であれば医療証を提示するだけで窓口負担がなくなります。所得制限もありません
入院時の食事療養標準負担額(いわゆる食事代)については、区によって対応が異なりますが、港区では入院時の食事代も助成対象となっています。ただし、差額ベッド代(個室料)や、保険適用外の費用(文書料など)は助成の対象外ですのでご注意ください。また、都外の医療機関を受診した場合は、いったん窓口でお支払いいただき、後日、港区に申請することで助成額の還付を受けることができます
出生届を提出する際に、あわせて医療証の申請ができます。転入された方は、転入届と同時に手続きをされるとスムーズです。お住まいの地区の総合支所 区民課が窓口になります。医療証は毎年10月に更新されますので、届いた新しい医療証を忘れずに医療機関にお持ちくださいね
定期接種以外に、港区独自の予防接種の助成はありますか?#
定期接種は無料で受けられますが、任意接種のおたふくかぜワクチンやインフルエンザワクチンって全額自己負担ですよね? 港区で何か助成はあるのでしょうか
実は港区では、国の定期接種に加えて、区独自の任意予防接種費用助成を行っています。これは港区の大きな特長のひとつですね
まず、多くの保護者の方が気になるおたふくかぜ(ムンプス)ワクチンについて。おたふくかぜワクチンは日本では定期接種に含まれておらず任意接種ですが、港区では1歳〜小学校入学前のお子さんを対象に、接種費用の一部を助成しています。助成回数は1回です。おたふくかぜは難聴の原因になることもある感染症ですので、ぜひ活用していただきたい制度です
港区では子どものインフルエンザ予防接種についても助成を実施しています。対象は生後6か月〜高校3年生相当で、接種1回あたり一定額を上限として助成されます。13歳未満のお子さんは2回接種が推奨されていますので、2回分とも助成対象となるのは助かりますよね。毎年秋頃(10月頃)に対象者へ案内が届きますので、届いたらお早めにご確認ください
港区ではロタウイルスワクチンが2020年10月から定期接種化されましたが、それ以前から区独自に助成を行っていた実績があります。現在は定期接種として無料で受けられます。また、近年注目されているHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)のキャッチアップ接種(接種機会を逃した方への追加接種)についても、定期接種の対象から外れていた期間に接種機会を逃した方向けに情報提供と接種勧奨を行っています。新しい助成制度が追加されることもありますので、港区のホームページを定期的にチェックされることをお勧めします
予防接種の助成を受けるには、基本的に港区が指定する医療機関で接種する必要があります。指定医療機関であれば、予診票を持参するだけで窓口での自己負担が軽減されます。指定医療機関の一覧は港区のホームページに掲載されていますので、事前にご確認ください。なお、里帰り出産先など区外で接種される場合は、事前に『予防接種実施依頼書』の申請が必要ですのでお気をつけください
乳幼児健診のスケジュールと、産後ケアについて教えてください#
はじめての子育てで不安だらけです。乳幼児健診はいつ受ければいいんですか? あと、産後の体がつらくて……港区の産後ケアのサービスがあると聞いたのですが
はじめてのお子さんだと何もかもが初めてで大変ですよね。まず乳幼児健診のスケジュールからお話ししますね。港区では以下の健診が無料で受けられます
乳幼児健診スケジュール#
| 健診名 | 対象月齢・年齢 | 実施場所 |
|---|---|---|
| 3〜4か月児健診 | 生後3〜4か月 | みなと保健所・各地区の健康相談室 |
| 6〜7か月児健診 | 生後6〜7か月 | 指定医療機関(個別) |
| 9〜10か月児健診 | 生後9〜10か月 | 指定医療機関(個別) |
| 1歳6か月児健診 | 1歳6か月〜2歳未満 | みなと保健所・各地区の健康相談室 |
| 3歳児健診 | 3歳〜4歳未満 | みなと保健所・各地区の健康相談室 |
健診名
3〜4か月児健診
対象月齢・年齢
生後3〜4か月
実施場所
みなと保健所・各地区の健康相談室
健診名
6〜7か月児健診
対象月齢・年齢
生後6〜7か月
実施場所
指定医療機関(個別)
健診名
9〜10か月児健診
対象月齢・年齢
生後9〜10か月
実施場所
指定医療機関(個別)
健診名
1歳6か月児健診
対象月齢・年齢
1歳6か月〜2歳未満
実施場所
みなと保健所・各地区の健康相談室
健診名
3歳児健診
対象月齢・年齢
3歳〜4歳未満
実施場所
みなと保健所・各地区の健康相談室
6〜7か月健診と9〜10か月健診は病院で受けるんですね
この2つは指定医療機関での個別健診で、受診券が届きますので、ご都合のよい医療機関で受けてください。愛育病院でも対応しています。3〜4か月児健診・1歳6か月児健診・3歳児健診は集団健診として保健所や地区の健康相談室で実施されます。対象のお子さんには個別にお知らせが届きます。集団健診では、医師の診察だけでなく、歯科健診・栄養相談・育児相談なども受けられますよ
産後ケアについても教えてください
港区の産後ケア事業は非常に充実しています。産後のお母さんの体と心の回復をサポートするもので、産後1年未満のお母さんとお子さんを対象としています。大きく分けて3つの種類があります
宿泊型(ショートステイ型):産後ケア施設や指定医療機関に宿泊して、助産師のケアを受けられます。授乳指導、沐浴指導、お母さんの休息、育児相談などが含まれます。港区では利用者負担額が比較的低く設定されており、1泊2日で数千円程度(非課税世帯は減額あり)で利用できます
デイサービス型(日帰り型):日帰りで施設を利用し、日中のケアを受けられます。宿泊はしないけれど、日中ゆっくり休みたい方に向いています
訪問型(アウトリーチ型):助産師がご自宅に訪問して、授乳や育児の相談に乗ってくれます。外出が難しい時期にとてもありがたいサービスです
愛育病院で出産したのですが、愛育病院でも産後ケアを受けられますか?
愛育病院は港区の産後ケア事業の指定施設として、宿泊型の産後ケアを提供しています。出産された病院での産後ケアは、スタッフの方とも顔なじみで安心感がありますよね。利用を希望される場合は、お住まいの地区を管轄する総合支所の保健師に事前にご相談ください。利用には事前申請が必要です
産後すぐは本当に大変なので、こういうサービスがあると心強いです
産後は体の回復も十分でない中での育児で、身体的にも精神的にも大きな負担がかかります。『人に頼るのは申し訳ない』と思われる方もいらっしゃいますが、産後ケアは使える方はぜひ使っていただきたい制度です。また、産後ケアとは別に、港区では新生児等訪問(こんにちは赤ちゃん訪問)も実施しており、生後4か月頃までに保健師や助産師がご自宅を訪問し、赤ちゃんの発育確認や育児相談を行っています。こちらもぜひご活用ください
急な用事のとき預けられる場所はありますか? 子育てひろばやファミサポも気になります#
普段は自宅で育児をしているのですが、急な用事や体調不良のときに子どもを預けられる場所はありますか? あと、ママ友が『子育てひろばがいいよ』と言っていたのですが、どんなところですか?
港区には、保護者の方をサポートするさまざまな子育て支援サービスがあります。順番にご紹介しますね
一時保育(一時預かり)#
まず一時保育です。保護者の急な用事・通院・リフレッシュなどの理由で、一時的にお子さんを預けられるサービスです。港区内の一部の認可保育園や子育て支援施設で実施されています。利用には事前登録が必要で、利用料は1時間あたり数百円程度です。定員があるため、利用希望日の一定期間前に予約が必要です
子どもショートステイ#
保護者の方の病気・出産・冠婚葬祭・出張などで、一定期間お子さんの養育が困難になった場合に、児童福祉施設等で宿泊を伴う一時的な養育を行うのが『子どもショートステイ』です。対象は2歳〜小学6年生程度で、原則として7日以内の利用が可能です。利用料は所得に応じて設定されています
トワイライトステイ#
保護者の仕事等の理由で、平日の夜間にお子さんの養育が困難な場合に利用できる夜間の一時預かりです
子育てひろば#
子育てひろば(子育てサロン)は、主に0歳〜3歳未満の乳幼児と保護者が自由に集い、遊んだり、他の保護者と交流したりできる場所です。港区内の各地区に設置されており、利用料は無料です。専門のスタッフ(保育士など)が常駐しているので、ちょっとした育児の悩みを相談することもできます。はじめてのお子さんで日中ずっと二人きりの生活に孤立感を感じている方に、特にお勧めしたい場所です
港区内には複数の子育てひろばがあり、芝地区・麻布地区・赤坂地区・高輪地区・芝浦港南地区の各地区に設置されています。曜日や時間帯は施設によって異なりますので、お住まいの近くの施設を港区ホームページで確認してみてください。予約不要でふらっと立ち寄れる施設が多いのも魅力です
ファミリー・サポート・センター(ファミサポ)#
港区ファミリー・サポート・センター事業は、地域の中で子育てを助け合う仕組みです。『子育ての手助けをしてほしい方(依頼会員)』と『子育ての手助けをしたい方(提供会員)』をマッチングするサービスで、保育園・幼稚園・習い事への送迎、保護者の外出時の預かりなどを依頼できます
利用料金は1時間あたり800円〜1,000円程度(曜日・時間帯により異なります)です。港区ではさらに、ひとり親世帯や多胎児(双子・三つ子)のご家庭に対して利用料の助成を行っている場合がありますので、該当する方は窓口でお尋ねください。利用には事前に会員登録と事前打ち合わせが必要です
育児サポート子むすび(港区独自)#
港区独自のサービスとして、『育児サポート子むすび』があります。これは産前産後の家事・育児を支援するヘルパー派遣事業で、妊娠中から産後1年未満の方が利用できます。家事(掃除・洗濯・食事の支度など)や育児(沐浴の手伝い・きょうだいの世話など)を支援してもらえます。利用料は1時間あたり数百円程度と低額で、非常に利用しやすい制度です
出産や子育てでもらえるお金について教えてください#
出産・子育てにはとてもお金がかかるので、もらえる給付金やサポートがあれば全部知りたいです! 手続きが多くて混乱しそうなのですが……
おっしゃる通り、制度がたくさんあって複雑ですよね。整理してお伝えしますね。まず国の制度と港区の制度に分けて考えるとわかりやすいです
国の制度(港区の窓口で手続き可能)#
まず児童手当です。2024年10月から制度が拡充され、0歳〜高校生年代(18歳年度末)までが対象になりました。支給額は以下の通りです
| 対象 | 月額 |
|---|---|
| 3歳未満 | 15,000円(第3子以降は30,000円) |
| 3歳〜高校生年代 | 10,000円(第3子以降は30,000円) |
対象月額
3歳未満
15,000円(第3子以降は30,000円)
3歳〜高校生年代
10,000円(第3子以降は30,000円)
2024年10月の制度改正で所得制限が撤廃されました。以前は所得制限を超えると減額・不支給になっていましたが、現在はすべてのご家庭が受給できます。また、第3子以降は月額30,000円に大幅増額されており、多子世帯への支援が強化されています。港区での手続きは、出生届の提出時にあわせて総合支所の窓口で申請できます
出産・子育て応援交付金(国の制度+港区の対応)#
2023年から始まった出産・子育て応援交付金も重要な制度です。これは妊娠届出時と出産後の2回に分けて支給されます
| タイミング | 給付名称 | 金額 |
|---|---|---|
| 妊娠届出時(面談後) | 出産応援ギフト | 5万円相当 |
| 出産後(面談後) | 子育て応援ギフト | 5万円相当 |
タイミング
妊娠届出時(面談後)
給付名称
出産応援ギフト
金額
5万円相当
タイミング
出産後(面談後)
給付名称
子育て応援ギフト
金額
5万円相当
合計で10万円相当の支給となります。港区では、保健師等との面談を受けた後に案内があります。自治体によって現金・クーポン・電子ギフトなど支給方法が異なりますが、港区の最新の支給方法については窓口またはホームページでご確認ください
出産費用の支援#
健康保険から支給される出産育児一時金が50万円です(2023年4月から42万円→50万円に増額されました)。愛育病院を含む多くの医療機関では直接支払制度(健康保険から医療機関へ直接支払われる仕組み)を利用できるため、窓口での自己負担は出産費用との差額だけで済みます。さらに港区では、出産費用が出産育児一時金を超えた場合に助成を行う制度の検討が進められていますので、最新情報をご確認ください
港区独自の経済的支援#
港区独自の支援として覚えておいていただきたいのが、以下の制度です
認可外保育施設の保育料助成:港区では認可外保育施設(認証保育所など)を利用する場合、認可保育園との保育料の差額を助成する制度があります。月額数万円の助成が受けられるケースもあり、認可に入れなかった場合の経済的負担を軽減してくれます
多子世帯への支援:港区では第2子以降の保育料軽減が実施されています。2024年度からは国の制度拡充に伴い、第2子の保育料が無償化の対象範囲が拡大しています
私立幼稚園等の保護者補助金:港区内の私立幼稚園等に通う場合、入園料や保育料の補助を受けられる制度があります
確かに制度が多いですよね。『出生届の提出時にまとめて手続き』がもっとも効率的です。港区の総合支所では、出生届の提出にあわせて児童手当・医療証・出産応援ギフトなどの手続きを一度に案内してもらえます。また、妊娠届出時に配布される母子健康手帳の別冊に、利用できる制度の一覧が記載されていますので、そちらもぜひご活用ください。わからないことがあれば、各総合支所の保健師さんや子育て支援担当に遠慮なくご相談ください
今号のまとめ#
港区は、子育て世帯にとって非常に充実した支援体制を備えた自治体です。改めて主要なポイントを整理します。
- 医療費助成:0歳〜高校3年生相当まで、通院・入院とも自己負担なし(保険診療分)。所得制限なし
- 予防接種:定期接種に加え、おたふくかぜ・インフルエンザなど区独自の任意接種助成あり
- 乳幼児健診:3〜4か月・6〜7か月・9〜10か月・1歳6か月・3歳の5回、すべて無料
- 産後ケア:宿泊型・デイサービス型・訪問型の3種類。愛育病院も指定施設
- 子育て支援サービス:一時保育・ショートステイ・子育てひろば・ファミサポ・育児サポート子むすびなど多数
- 経済的支援:児童手当(所得制限なし)、出産子育て応援交付金(計10万円相当)、認可外保育料助成など
制度は『知っている人だけが得をする』面があります。 この記事をきっかけに、ぜひご自身に当てはまる制度がないか確認してみてください。
参考リンク(港区公式サイト)#
以下のリンクから最新情報をご確認いただけます。
-
港区公式ホームページ トップ https://www.city.minato.tokyo.jp/
-
子ども医療費助成(子どもの医療・助成のページ) https://www.city.minato.tokyo.jp/kodomo/kodomo/kodomo/josei/index.html
-
予防接種のご案内 https://www.city.minato.tokyo.jp/kodomo/kodomo/kodomo/sesshu/index.html
-
乳幼児健診 https://www.city.minato.tokyo.jp/kodomo/kodomo/kodomo/kenshin/index.html
-
産後ケア事業 https://www.city.minato.tokyo.jp/kodomo/kodomo/kodomo/kosodate/sango-care.html
-
子育て支援サービス(一時保育・ショートステイ・ファミリーサポートなど) https://www.city.minato.tokyo.jp/kodomo/kodomo/kodomo/kosodate/index.html
-
児童手当 https://www.city.minato.tokyo.jp/kodomo/kodomo/kodomo/teate/jidoteate.html
-
出産・子育て応援交付金 https://www.city.minato.tokyo.jp/kodomo/kodomo/kodomo/shussan-kosodate-ouen.html
-
港区子育てハンドブック(総合案内) https://www.city.minato.tokyo.jp/kodomo/kodomo/kodomo/handbook.html
※ この記事は保護者のみなさまへの情報提供を目的としており、制度の詳細は変更される場合があります。記載内容は2026年2月時点の情報に基づいています。最新の制度内容・金額・手続き方法については、必ず港区公式ホームページまたはお住まいの地区の総合支所窓口にてご確認ください。