愛育病院 小児科おかもん だより Vol.345
「セカンドオピニオンを取りたい」、主治医を裏切らずに相談する方法
今号のポイント
- 2セカンドオピニオンは患者の正当な権利。主治医への裏切りではない
- 4主治医に「セカンドオピニオンを受けたい」と正直に伝えるのがベスト
- 6「転院」ではなく「意見を聞く」こと。最終的に主治医のもとに戻って判断する
こんにちは。愛育病院小児科のおかもんです。
「先生の診断に不安がある」「他の先生の意見も聞きたい」、こう思うのは当たり前のことです。でも「先生に悪いかな」と遠慮して、モヤモヤを抱えたまま通院している親御さんは多いです。
今回は、セカンドオピニオンの正しい取り方を整理します。
Q1.「セカンドオピニオンって何ですか?」
——セカンドオピニオンと転院は違うんですか?
はい、まったく別のものです [1]
セカンドオピニオン
- 目的
- 別の医師の意見を聞く
- 主治医
- 変わらない(元の医師に戻る)
- 検査
- 通常しない(資料を持参)
- 保険
- 自費のことが多い
転院
- 目的
- 別の医師に治療を移す
- 主治医
- 変わる
- 検査
- 新たに検査する
- 保険
- 保険適用
セカンドオピニオンは『転院したい』ではなく『もう一人の意見も聞いてみたい』というお話です。別の先生の意見を聞いて、最終的には主治医と一緒に方針を決めます
ポイント
- セカンドオピニオンは「意見を聞く」こと。転院ではない [1]
- 主治医は変わらない
- 別の意見を参考に、主治医と一緒に判断する
Q2.「どんなときにセカンドオピニオンを取るべきですか?」
——風邪でもセカンドオピニオンは取れますか?
取ることはできますが、セカンドオピニオンが特に有用な場面があります
セカンドオピニオンを検討すべき場面:
- 手術を勧められた: 本当に手術が必要か確認したい
- 慢性疾患の治療方針に不安: 喘息・アトピー・てんかんなど長期治療
- 診断がつかない: 複数の病院を受診しても原因不明
- 治療効果が出ない: 長期間治療しているが改善しない
- 重大な診断を受けた: がん・自己免疫疾患・先天性疾患など
セカンドオピニオンが不要な場面:
- 風邪や胃腸炎など自然に治る病気
- すでに改善している状態
- 「なんとなく不安」→ まずは主治医に質問する
不安の多くは、主治医に聞けばその場で解けます。『なぜこの薬なんですか』『他に選択肢はありますか』、これは遠慮なく聞いてください。それでも腑に落ちないときが、セカンドオピニオンの出番です
ポイント
- 手術・慢性疾患・診断困難な場合に特に有用
- まずは主治医に質問してみる
- 質問しても不安が残るならセカンドオピニオンを検討
Q3.「主治医にどう切り出せばいいですか?」
お父さん「先生に失礼じゃないかと思って言い出せません」
セカンドオピニオンは患者さんの正当な権利です。まともな医師なら、嫌な顔はしません。むしろ『どうぞ聞いてきてください』と紹介状を書くはずです [2]
切り出し方の例:
NG(遠回し):
- 「他の病院に行ってみようかと……」→ 転院と誤解される
- 「ネットで調べたら違う治療法が……」→ 不信感を与える
OK(ストレート):
- 「セカンドオピニオンを受けたいのですが、紹介状を書いていただけますか」
- 「先生の診断は理解しています。家族が安心するためにも、もう1つ意見を聞きたいのです」
- 「大切な決断なので、納得した上で治療に臨みたいです」
『主語を家族にする』のもコツです。『妻(夫)が心配しているので……』と言えば、角が立ちにくいですよ
必要な準備:
- 紹介状(診療情報提供書): 主治医に依頼
- 検査データ: 血液検査、画像(CT・MRIなど)のコピー
- 質問リスト: 聞きたいことをメモにまとめる
ポイント
- セカンドオピニオンは患者の正当な権利 [2]
- 「紹介状をお願いします」とストレートに
- 主語を家族にすると言いやすい
Q4.「セカンドオピニオン先の選び方は?」
お父さん「どこに行けばいいかわかりません」
いくつかの方法があります
セカンドオピニオン先の探し方:
- 大学病院・こども病院: セカンドオピニオン外来を設置していることが多い
- 専門医を探す: 日本小児科学会のHP、各専門学会のHPで検索
- 主治医に聞く: 「どこに相談すればいいですか?」と聞くのが最も確実
- かかりつけ小児科に相談: 地域の専門医ネットワークを持っている
実は、主治医に『どの先生がいいですか』と聞くのが一番早いです。医師同士、同業者の力量はだいたい知っています。信頼できる先生を紹介してくれるはずです
セカンドオピニオンを受けた後:
- 2セカンドオピニオン先の意見をまとめる
- 4主治医に結果を報告する
- 6両方の意見を踏まえて主治医と一緒に方針を決める
- 8結果的にセカンドオピニオン先に転院するのもOK
セカンドオピニオンの結果、主治医の方針で問題なかったと確認できるケースも多いです。その『確認』自体が大きな安心になります。不安を抱えたまま治療を続けるより、納得して進めたほうが、治療のうえでもプラスに働きます
ポイント
- 主治医に「どの先生がいいか」聞くのが最も効率的
- 結果は主治医に報告して一緒に判断
- 主治医の方針が正しいと確認できることも多い
まとめ
- セカンドオピニオン: 意見を聞くこと。転院ではない
- タイミング: 手術・慢性疾患・診断困難な場合
- 切り出し方: 紹介状をストレートにお願い
- 結果: 主治医に報告して一緒に判断
納得して治療に臨むことが、お子さんにとって最善の選択につながります。
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