愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.296
「先生にうまく伝えられない」、小児科の上手なかかり方
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
「先生に何を伝えればいいかわかりません」「聞きたいことがあったのに聞けませんでした」、限られた診察時間で、お子さんの状態を正確に伝え、疑問を解消するためにはいくつかのコツがあります [1]。
Q1.「受診前に準備することは?」
——診察の前に、何を準備しておけばいいですか?
正直なところ、事前のメモがあるかどうかで診察の中身はかなり変わります [1]。いつから、どの症状が、どう変化したか。このあたりを簡単に書いておくだけで十分です
| 準備すること | 具体的な内容 |
|---|---|
| 症状の経過を記録 | いつから、どの症状が、どの程度か |
| 体温の記録 | 測った時間と体温をメモ |
| 食事・水分の記録 | どのくらい食べたか、飲んだか |
| 排泄の記録 | おしっこの回数、便の状態 |
| 質問リスト | 聞きたいことをメモにまとめる |
| 写真・動画 | 発疹、便の色、けいれんの様子等 |
| 持ち物チェックリスト |
|---|
| 母子健康手帳 |
| 健康保険証・医療証 |
| お薬手帳(処方薬がある場合) |
| 症状の経過メモ |
| 質問リスト |
| おむつ・着替え |
ポイント
- 経過メモがあると医師に正確に伝わる [1]
- 発疹やけいれんは写真・動画で記録
- 聞きたいことは事前にメモしておく
Q2.「医師にどう伝えればよいですか?」
——いざ診察室に入ると、何から話せばいいか頭が真っ白になってしまいます
『一番困っていること』から話すのがコツです [2]。時系列に全部話そうとすると、大事な情報が埋もれてしまうんですね
伝える内容
- 1. 主訴(一番困っていること)
- 最も気になる症状
- 2. いつから
- 発症時期
- 3. 経過
- 症状の変化
- 4. 随伴症状
- その他の症状
- 5. 対処したこと
- 家庭でした対応
- 6. 周囲の状況
- 保育園等の流行状況
例
- 1. 主訴(一番困っていること)
- 「昨日から熱が出ています」
- 2. いつから
- 「昨日の夕方からです」
- 3. 経過
- 「今朝は39℃まで上がりました」
- 4. 随伴症状
- 「咳と鼻水もあります」
- 5. 対処したこと
- 「解熱剤を使いました」
- 6. 周囲の状況
- 「保育園でインフルが流行中です」
「"一番困っていること"から話すのがコツです [2]。あれもこれも伝えようとすると、最も重要な情報が埋もれてしまいます。」
ポイント
- 一番困っていることから伝える [2]
- いつから、どのように変化したかが重要
- 保育園等の流行状況も有用な情報
Q3.「質問しにくい雰囲気の時はどうすればよいですか?」
——先生がお忙しそうだと、どうしても質問しづらくて……
そのお気持ち、本当によく聞きます。でも質問するのは患者さんの権利です。遠慮されなくて大丈夫です [3]。聞き漏らしが心配なら、メモを見ながらで構いません
| 質問のコツ | 方法 |
|---|---|
| 事前にメモ | 質問リストを用意して見ながら聞く |
| 優先順位をつける | 一番聞きたいことから聞く |
| 復唱して確認 | 「○○ということですね?」 |
| わからなければ聞き直す | 「すみません、もう一度教えてください」 |
| メモを取る | 医師の説明をメモする |
| よく聞かれる質問(参考) |
|---|
| 「この病気はどのくらいで治りますか?」 |
| 「薬はいつまで飲めばよいですか?」 |
| 「保育園にはいつから行けますか?」 |
| 「こんな時はまた受診すべきですか?」 |
| 「家庭で気をつけることはありますか?」 |
| 「検査は必要ですか?」 |
ポイント
- 質問は患者の権利であり遠慮不要 [3]
- メモを見ながら質問するとスムーズ
- わからないことは何度聞いても大丈夫
Q4.「薬についてどう確認すればよいですか?」
——薬が出たとき、どこまで確認しておけば安心ですか?
最低限、薬の目的・飲み方・期間・副作用の4点は押さえてほしいです [4]。飲み忘れたときの対応も、意外と事前に聞いておくと慌てなくて済みます
| 確認すべき項目 | 理由 |
|---|---|
| 何の薬か | 薬の目的を理解する |
| 飲み方 | 食前・食後、回数 |
| 期間 | いつまで飲むか |
| 副作用 | 注意すべき症状 |
| 飲み忘れた場合 | 気づいた時に飲むか、スキップするか |
| 他の薬との飲み合わせ | 併用注意の薬がないか |
| 薬の飲ませ方のコツ |
|---|
| 粉薬:少量の水で練ってから頬の内側に塗る |
| シロップ:スポイトで口の奥に入れる |
| 混ぜてよいもの:アイス、チョコレートシロップ等 |
| 混ぜてはいけないもの:薬によって異なるので薬剤師に確認 |
| 嫌がる場合:服薬ゼリーの活用 |
ポイント
- 処方薬の目的、飲み方、期間を確認 [4]
- 飲み合わせはお薬手帳で管理
- 飲ませ方の工夫は薬剤師に相談
Q5.「再受診のタイミングはどう判断しますか?」
——一度診てもらった後、もう一度行くべきか毎回迷います
次のサインがあれば遠慮なく再受診してください [5]。とくに『なんとなく何か違う』という親御さんの直感は、かなり当たります
| 再受診すべきサイン | 具体例 |
|---|---|
| 症状が悪化 | 熱がさらに上がった、咳が強くなった |
| 新しい症状の出現 | 発疹が出た、嘔吐が始まった |
| 水分が取れない | 半日以上飲めていない |
| ぐったりしている | 元気がなく反応が鈍い |
| 薬を飲んでも改善しない | 指定された日数を過ぎても改善なし |
| 不安が強い | 「何か違う」という親の直感 |
| 効果的な再受診の伝え方 |
|---|
| 「前回○月○日に受診し、○○と診断されました」 |
| 「処方薬を○日間飲みましたが改善しません」 |
| 「新たに○○の症状が出ました」 |
ポイント
- 親の直感「何か違う」は大切なサイン [5]
- 薬を飲んでも指定日数で改善しなければ再受診
- 再受診時は前回の経過を伝える
今号のまとめ
- 経過メモと質問リストを事前に準備する
- 一番困っていることから伝える
- 質問は患者の権利であり遠慮不要
- 処方薬の目的、飲み方、期間を確認する
- 「何か違う」という親の直感を大切に
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