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「飲むワクチン」、ロタウイルスワクチンで赤ちゃんを守ろう
Vol.147予防接種

「飲むワクチン」、ロタウイルスワクチンで赤ちゃんを守ろう

ロタウイルスは5歳までにほぼ全員が感染し、乳幼児の重症胃腸炎の最多原因

予防接種0〜6ヶ月・6〜12ヶ月8
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 7·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • ロタウイルスは5歳までにほぼ全員が感染し、乳幼児の重症胃腸炎の最多原因
  • 2020年10月から定期接種化。生後6週から接種可能な「飲むワクチン」
  • ワクチン導入後、入院が必要な重症ロタウイルス胃腸炎が約80〜90%減少

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.147

「飲むワクチン」、ロタウイルスワクチンで赤ちゃんを守ろう

今号のポイント

  1. 2
    ロタウイルスは5歳までにほぼ全員が感染し、乳幼児の重症胃腸炎の最多原因
  2. 4
    2020年10月から定期接種化。生後6週から接種可能な「飲むワクチン」
  3. 6
    ワクチン導入後、入院が必要な重症ロタウイルス胃腸炎が約80〜90%減少

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「ロタウイルスのワクチンって飲むんですか?」「いつまでに飲ませればいいですか?」、生後まもなくのお子さんをお持ちのお母さんからよく聞かれる質問です。

ロタウイルスワクチンは注射ではなく口から飲む(経口接種)ワクチンです [1]。接種時期が限られているため、早めに知っておくことが大切です。

Q1.「ロタウイルスってどんな病気ですか?」

——ノロウイルスとは違うんですか?

別のウイルスです。ロタウイルスは乳幼児の重症胃腸炎の最も多い原因で、5歳までにほぼ全員が感染します [2]

ロタウイルスとノロウイルスの比較 [2][3]:

ロタウイルス

好発年齢
生後6ヶ月〜2歳
流行時期
冬〜春(2〜5月)
便の特徴
白色水様便(米のとぎ汁様)
重症度
脱水が重症化しやすい
ワクチン
あり(定期接種)
入院リスク
高い [2]

ノロウイルス

好発年齢
全年齢
流行時期
冬(11〜2月)
便の特徴
水様便
重症度
ロタより軽症が多い
ワクチン
なし
入院リスク
低い(小児では)

ワクチン導入前は、毎年約80万人の乳幼児がロタウイルス胃腸炎にかかり、約2〜3万人が入院していました [3]。白い水様便が大量に出て、急速に脱水が進むのが特徴です

ポイント

  • ロタウイルスは乳幼児の重症胃腸炎の最多原因 [2]
  • 白色水様便が特徴的 [2]
  • 5歳までにほぼ全員が感染 [2]

Q2.「ワクチンの種類と接種スケジュールを教えてください」

——いつ飲ませればいいですか?

日本で使用できるロタウイルスワクチンは2種類あります [4]。どちらも飲むワクチン(経口生ワクチン)です

ワクチンの種類 [4]:

ロタリックス

メーカー
GSK
価数
1価(G1P[8])
接種回数
2回
初回接種
生後6週〜14週6日
最終接種
生後24週(168日)まで
接種間隔
4週間以上

ロタテック

メーカー
MSD
価数
5価(G1-G4, P[8])
接種回数
3回
初回接種
生後6週〜14週6日
最終接種
生後32週(224日)まで
接種間隔
4週間以上

初回接種は生後14週6日まで、という期限が非常に重要です [4]。これを過ぎると接種を開始できません。生後2ヶ月の予防接種デビュー時に一緒に始めるのがベストです

——2種類、どちらがいいですか?

効果はほぼ同等です [4]。途中でワクチンを変更することはできませんので、最初に接種したものを最後まで使います

ポイント

  • 飲むワクチンで、ロタリックス(2回)かロタテック(3回) [4]
  • 初回は生後14週6日までに開始が必要 [4]
  • 生後2ヶ月の予防接種デビューで一緒に始めるのがベスト

Q3.「ワクチンの効果はどのくらいありますか?」

——飲むだけで本当に効くのですか?

はい。非常に効果の高いワクチンです [5]

ワクチンの効果 [5][6]:

効果数値
重症ロタウイルス胃腸炎の予防約85〜98% [5]
入院の予防約80〜95% [5]
ロタウイルス胃腸炎全体約70〜80%
すべての胃腸炎による入院約40〜60%(他のウイルスにも間接効果)

日本でも2020年の定期接種化以降、ロタウイルスによる入院が約80〜90%減少したと報告されています [6]。さらに、接種していない子どもへの間接効果(集団免疫効果)も確認されています

ポイント

  • 重症ロタ胃腸炎の85〜98%を予防 [5]
  • 定期接種化後、入院が80〜90%減少 [6]
  • 集団免疫効果も確認されている [6]

Q4.「副反応について教えてください。腸重積が心配です」

——腸重積のリスクがあると聞きましたが…

確かに腸重積症との関連が報告されていますが、リスクは非常に小さいです [7]

腸重積症との関連 [7]:

項目内容
リスク増加初回接種後1〜7日で約1〜6例/10万接種の増加 [7]
自然発生ロタワクチンと関係なく生後3〜12ヶ月に好発
接種時期の制限理由腸重積の自然発生率が月齢とともに上昇するため、早期接種が重要

腸重積のリスクはワクチンを接種しないことによる重症ロタウイルス胃腸炎のリスクよりはるかに小さいです [7]。WHOもリスク・ベネフィット分析で接種を強く推奨しています

腸重積の症状チェック [7]:

症状説明
周期的な激しい泣き数分おきに顔を真っ赤にして泣く
嘔吐繰り返す嘔吐
血便(いちごジャム様)粘液を伴う血便
ぐったり元気がなくなる

接種後1〜2週間は上記の症状に注意し、疑わしい場合はすぐに受診してください。早期発見・早期治療でほとんどが注腸造影で整復できます [7]

ポイント

  • 腸重積のリスクはごくわずか(1〜6例/10万接種) [7]
  • ワクチンのベネフィットがリスクを大きく上回る [7]
  • 接種後の腸重積の症状を知っておくことが大切 [7]

Q5.「ワクチンを飲んだ後の注意点を教えてください」

——飲んだ後に吐いてしまったらどうしますか?

実際の外来でもよくある質問です [4]

接種後の注意点 [4][7]:

質問回答
吐いてしまったら?明らかに全量吐き出した場合は再投与を検討。少量の吐き戻しは再投与不要
便にウイルスが出る?はい。接種後1〜2週間は便中にワクチンウイルスが排泄される
おむつ交換の注意免疫不全の家族がいる場合は手洗いを徹底
他のワクチンとの同時接種ヒブ、肺炎球菌、B型肝炎と同時接種OK
母乳への影響接種前後の授乳制限は不要

ロタウイルスワクチンは接種期限が厳しいワクチンです [4]。生後2ヶ月になったらすぐに予防接種の予約をしてください。期限を過ぎてしまうと接種できなくなりますので、早め早めの行動が大切です

ポイント

  • 少量の吐き戻しなら再投与は不要 [4]
  • 他のワクチンとの同時接種OK [4]
  • 接種期限が厳しいので早めに予約を [4]

まとめ

  • ロタウイルスは乳幼児の重症胃腸炎の最多原因。白色水様便が特徴 [2]
  • 2020年10月から定期接種化。飲むワクチンで2回or3回 [4]
  • 初回接種は生後14週6日まで。生後2ヶ月にスタートがベスト [4]
  • 重症化を85〜98%予防。入院が80〜90%減少 [5][6]
  • 腸重積のリスクはわずかで、ベネフィットが大きく上回る [7]
  • 接種期限が厳しいため、早めの予約を

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