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「頭を壁にぶつけます」、乳幼児のヘッドバンギングは大丈夫?
Vol.435発達

「頭を壁にぶつけます」、乳幼児のヘッドバンギングは大丈夫?

ヘッドバンギングは乳幼児の5-15%に見られる自己鎮静行動。多くは3歳までに消失します

発達4
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 4·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • ヘッドバンギングは乳幼児の5-15%に見られる自己鎮静行動
  • 多くは入眠時に起こり、3歳までに自然消失
  • 発達遅れ・日中の頻回・外傷を伴うときは受診を

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.435

「頭を壁にぶつけます」、乳幼児のヘッドバンギングは大丈夫?

今号のポイント

  1. 2
    ヘッドバンギングは乳幼児の5-15%に見られる自己鎮静行動
  2. 4
    多くは入眠時に起こり、3歳までに自然消失
  3. 6
    発達遅れ・日中の頻回・外傷を伴うときは受診を

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「寝かしつけのときに頭をベッドにゴンゴンぶつけるんです」。よくある相談です。ヘッドバンギング(頭部叩打)は乳幼児の5-15%に見られ、多くは生理的な自己鎮静行動です [1]。

どんな行動ですか?

特徴内容
年齢6-18か月で出現、3歳までに消失が多い
場面入眠時・覚醒時・退屈時
動き壁・ベッド柵・床に頭を打つ
伴う動き体ゆすり・頭振り
時間数分〜15分程度

ポイント

  • 入眠時が最多
  • 6-18か月に好発
  • 体ゆすりを伴うことも

なぜするのですか?

国際睡眠障害分類(ICSD-3)では「律動性運動障害(Rhythmic Movement Disorder)」に分類される生理現象です [2]。

推定される機序説明
自己鎮静規則的刺激で眠りに入りやすい
前庭感覚の探索揺れ・振動の感覚を楽しむ
退屈の解消刺激が少ないときに増える
疼痛・不快中耳炎・歯の違和感のことも
💡耳・歯のチェックも

急に頻度が増えた場合、中耳炎・歯の萌出・便秘などの身体的不快が隠れていることがあります。

ポイント

  • 自己鎮静と前庭刺激が主機序 [2]
  • 入眠儀式として機能
  • 急増時は身体症状を確認

怪我のリスクは?

ヘッドバンギング自体で重大な外傷を負うことは稀です [1]。本人は無意識に「痛くない範囲」で調整しているからです。

予防策内容
ベッド柵にクッション衝撃吸収
固い家具を離す頭をぶつけない配置
マットレスの位置床に近づける
カーペット床の硬さを和らげる
⚠️以下は要受診
  • 青あざ・腫れができる
  • 日中も繰り返す
  • 発達の遅れを伴う
  • 自傷的に見えるほど強い

ポイント

  • 重大外傷は稀
  • 環境を整えて予防
  • 外傷・発達遅れは受診

家庭での対応

対応内容
見守る多くは短時間で入眠
穏やかな入眠儀式絵本・子守歌
規則的な睡眠リズムを整える
スキンシップ安心感を与える
日中の運動エネルギー発散
避けたい対応
叱る・止めさせようとする
強く押さえつける
ビデオを見せて意識させる
コンコン先生
🏥

おかもん先生より

私自身、息子が1歳半頃にヘッドバンギングがありました。最初はびっくりして止めようとしましたが、止めるほど強くなる。ある日、止めずに横で本を読んでいたら3分ほどでそのまま眠ってしまった。それ以来「見守る」に切り替えたら1か月で消えました。静かに寄り添うのが最大の治療です。

ポイント

  • 見守りが基本
  • 叱責は悪化因子
  • 入眠儀式を豊かに

発達との関係

ヘッドバンギングそのものは発達障害の特異的サインではありません。ただし、以下を伴う場合はASD(自閉スペクトラム症)・知的発達症を含めた評価が望ましいです [3]。

発達評価が必要なサイン内容
視線が合いにくい1歳以降
言葉の遅れ1歳半で単語なし
応答性が乏しい呼びかけへの反応なし
常同運動が多い手ひらひら・つま先歩き
自傷的に頭を打つ日中・覚醒時にも

ポイント

  • 単独なら発達障害とは限らない
  • 併発症状があれば評価 [3]
  • 発達相談は早いほどよい

まとめ

  • ヘッドバンギングは乳幼児の正常な自己鎮静
  • 多くは3歳までに消失
  • 環境を整え見守るのが基本
  • 外傷・発達の遅れ・日中頻回なら受診
  • 叱責より静かな寄り添いが効果的

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  • Vol.428「指しゃぶり、いつまでOK?」
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愛育病院 小児科 おかもん先生

本メルマガの内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。

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※ この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さんの症状が心配な場合は、かかりつけの小児科医にご相談ください。

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