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水ぼうそう(水痘)、かゆみの水ぶくれと予防接種の重要性
Vol.47感染症

水ぼうそう(水痘)、かゆみの水ぶくれと予防接種の重要性

水ぼうそう(水痘)の症状・治療・予防接種

感染症1〜3歳・3〜6歳12
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 14·Q&A 5問収録

プロフィール →

この記事のポイント

  • 水ぼうそうは感染力が非常に強く、ワクチン接種が最も効果的な予防法
  • 発疹が出る1〜2日前から感染力があるため、気づかずに広げてしまう
  • 重症化を防ぐためには、1歳での1回目と、3ヶ月以上あけた2回目(標準は6〜12ヶ月後)の2回接種が重要

愛育病院 小児科おかもん だより Vol.47

水ぼうそう(水痘)、かゆみの水ぶくれと予防接種の重要性

今号のポイント

  1. 2
    水ぼうそうは感染力が非常に強く、ワクチン接種が最も効果的な予防法
  2. 4
    発疹が出る1〜2日前から感染力があるため、気づかずに広げてしまう
  3. 6
    重症化を防ぐためには、1歳での1回目と3ヶ月以上あけた2回目(標準は6〜12ヶ月後)の2回接種が重要

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「体中に水ぶくれができて、すごくかゆがっています……」、これは 水ぼうそう(水痘) の典型的な症状です。水ぼうそうは、感染力が極めて強く、ワクチン接種前の時代にはほぼ全員が感染する病気でした [1]。しかし、2回のワクチン接種で予防できるようになりました [2]。

今回は、水ぼうそうの症状・治療・予防接種の重要性 についてお伝えします。

Q1.「水ぼうそうって、どんな病気ですか?」

——水ぼうそうは聞いたことがありますが、どんな病気なんでしょうか?

水ぼうそうは、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)というウイルスによる感染症です [1]。正式には水痘(すいとう)といいます

水ぼうそうの基本情報:

項目内容
原因水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)[1]
感染経路空気感染・飛沫感染・接触感染 [3]
潜伏期間10〜21日(平均14〜16日) [1]
感染力極めて強い(麻疹に次ぐ感染力) [3]
好発年齢0〜9歳(特に1〜4歳) [4]

水ぼうそうの特徴は、感染力が非常に強いことです [3]。同じ空間にいるだけで感染する空気感染を起こすため、ワクチン接種前の時代には、10歳までにほぼ100%の子どもが感染していました [4]

感染力の比較:

病気基本再生産数(R0)*
麻疹(はしか)12〜18
水痘(水ぼうそう)8〜12 [3]
風疹6〜7
インフルエンザ2〜3

*1人の患者が何人に感染させるか

水ぼうそうの厄介な点は、発疹が出る1〜2日前から感染力があることです [5]。つまり、「水ぼうそうだ」と気づく前に、周りに広げてしまうのです

ポイント

  • 水ぼうそうは 水痘・帯状疱疹ウイルスが原因 [1]
  • 空気感染・飛沫感染・接触感染で広がる [3]
  • 感染力は 麻疹に次いで強い [3]
  • 発疹の1〜2日前から感染力がある [5]

Q2.「水ぼうそうの症状を教えてください」

——水ぼうそうになると、どんな症状が出ますか?

水ぼうそうの特徴的な症状は、全身に広がる水ぶくれの発疹です [1]

水ぼうそうの典型的な経過:

初期症状(1〜2日目)

  • 軽い発熱(37〜38℃)
  • 全身倦怠感
  • 頭痛、食欲不振
  • 最初の発疹が出る(頭・顔・体幹に数個)

発疹のピーク(3〜5日目)

発疹の特徴:

  1. 2
    紅斑(赤い発疹)→ 丘疹(盛り上がる)→ 水疱(水ぶくれ)→ 痂皮(かさぶた)と変化 [6]
  2. 4
    全身に広がる(頭・顔・体幹・四肢・口の中・陰部)
  3. 6
    異なる段階の発疹が同時に存在(これが水ぼうそうの診断ポイント) [6]
  4. 8
    非常にかゆい [7]

発疹の数:

  • 軽症: 10〜50個
  • 中等症: 50〜300個
  • 重症: 300〜500個以上

回復期(6〜10日目)

  • 新しい発疹は出なくなる
  • 既存の発疹がすべてかさぶたになる [8]
  • かさぶたになれば感染力はなくなる [8]

水ぼうそうの診断のポイントは、「異なる段階の発疹が同時に存在する」ことです [6]。つまり、赤い発疹と水ぶくれとかさぶたが、同時に体にあるのが水ぼうそうの特徴です

水ぼうそうと間違えやすい病気:

  • 虫刺され: 発疹の数が少ない、かゆみが強い
  • 手足口病: 手のひら・足の裏・口の中が中心
  • 伝染性膿痂疹(とびひ): 黄色いかさぶた、水ぼうそうより大きな水疱

ポイント

  • 特徴的な症状は 全身の水ぶくれの発疹 [1]
  • 紅斑 → 丘疹 → 水疱 → 痂皮と変化 [6]
  • 異なる段階の発疹が同時に存在する [6]
  • すべてかさぶたになれば感染力はなくなる [8]

Q3.「水ぼうそうの治療はどうするんですか?」

——水ぼうそうになったら、どんな治療をするんですか?

水ぼうそうの治療は、抗ウイルス薬と対症療法が中心です [9]

水ぼうそうの治療:

① 抗ウイルス薬(アシクロビル)

適応:

  • 発症から24時間以内に開始すると効果的 [9]
  • 重症化リスクが高い場合は積極的に使用:
    • 1歳未満の乳児
    • アトピー性皮膚炎のある子
    • ステロイド内服中
    • 免疫不全
    • 2次感染者(家族内で2人目以降) [10]

効果:

  • 新しい発疹の数を減らす
  • 発熱期間を短縮
  • 回復を早める [9]

ただし、健康な子どもの軽症例では、抗ウイルス薬を使わなくても自然に治ります [9]。抗ウイルス薬は「必須」ではなく、重症化リスクがある場合に使用します

② かゆみ対策

内服薬:

  • 抗ヒスタミン薬(ポララミン、ザイザルなど) [11]
  • かゆみを和らげ、掻きむしりを予防

外用薬:

  • カチリ(カラミンローション): かゆみ止め [11]
  • 亜鉛華軟膏: 皮膚の保護

掻きむしると、細菌の二次感染(とびひ)や傷跡が残る原因になります [12]。爪を短く切り、こまめに外用薬を塗ってあげましょう

③ 発熱への対応

  • 解熱剤: アセトアミノフェン(カロナール)を使用 [13]
  • アスピリンは禁忌(ライ症候群のリスク) [13]

④ ホームケア

  • お風呂: 熱がなければ入浴OK。ただし長湯は避ける、やさしく洗う
  • 爪を短く切る: 掻きむしり予防
  • 涼しく過ごす: 暑いとかゆみが増す
  • 水分補給: 口の中の発疹で食べにくいときはこまめに水分を

ポイント

  • 抗ウイルス薬は 発症24時間以内が効果的 [9]
  • 重症化リスクがある場合は積極的に使用 [10]
  • かゆみ対策が重要(抗ヒスタミン薬、外用薬) [11]
  • 解熱剤はアセトアミノフェンのみ(アスピリン禁忌) [13]

Q4.「水ぼうそうワクチンはいつ打てばいいですか?」

——水ぼうそうワクチンは、いつ接種すればいいですか?

水ぼうそうワクチンは、2014年10月から定期接種(公費・無料)になりました [2]。1回目を1歳の誕生日後すぐ、2回目を1回目から3ヶ月以上あけて(標準は6〜12ヶ月後)の計2回接種です [2]

水ぼうそうワクチンの接種スケジュール:

接種時期

1回目
1歳0ヶ月〜1歳3ヶ月(標準)
2回目
1回目から3ヶ月以上(標準は6〜12ヶ月後)

内容

1回目
生ワクチン [2]
2回目
2回目で免疫強化 [2]

定期接種の対象:

  • 1歳0ヶ月〜3歳0ヶ月未満 [2]
  • この期間内なら公費(無料)で接種可能

水ぼうそうワクチンは、2回接種で90%以上の発症予防効果があります [14]。1回接種だけでは約70%の予防効果ですが、2回接種で大幅に向上します [14]

ワクチン接種の効果:

発症予防効果

1回接種
約70〜80% [14]
2回接種
約90〜95% [14]

重症化予防効果

1回接種
約95% [15]
2回接種
約99% [15]

たとえワクチンを接種していても、約5〜10%の子は水ぼうそうにかかることがあります(ブレイクスルー感染) [16]。しかし、発疹の数が少なく、発熱もほとんどなく、軽症で済みます [16]

ワクチン接種後の副反応:

よくある副反応(5〜10%):

  • 接種部位の発赤・腫れ
  • 発熱(37.5℃以上)
  • 発疹(数個程度)

まれな副反応(1%未満):

  • じんましん
  • 無菌性髄膜炎(極めてまれ)

ポイント

  • 水ぼうそうワクチンは 2014年から定期接種 [2]
  • 1歳で1回目、6〜12ヶ月あけて2回目の計2回接種 [2]
  • 2回接種で90〜95%の発症予防効果 [14]
  • ブレイクスルー感染しても 軽症で済む [16]

Q5.「水ぼうそうの登園・登校はいつからOKですか?」

——水ぼうそうになったら、保育園はいつから行けますか?

水ぼうそうは学校保健安全法で出席停止が定められている感染症です [17]。登園・登校には条件があります

水ぼうそうの出席停止期間:

条件: 「すべての発疹がかさぶたになるまで」 [17]

つまり、新しい水ぶくれがなくなり、すべての発疹がかさぶたになったら登園・登校OKです [17]。通常、発症から5〜7日程度かかります

出席停止期間の目安:

感染力

発疹出現前(1〜2日)
あり [5]
発疹1〜5日目(水ぶくれ)
あり
すべてかさぶたになった
なし [8]

登園・登校

発疹出現前(1〜2日)
不可
発疹1〜5日目(水ぶくれ)
不可 [17]
すべてかさぶたになった
OK [17]

登園許可証:

  • 多くの保育園・幼稚園では医師の登園許可証が必要
  • かかりつけ医に「すべてかさぶたになった」ことを確認してもらう

注意点が2つあります

注意点1: 兄弟姉妹の登園・登校

  • 兄弟姉妹が水ぼうそうになっても、本人に症状がなければ登園・登校OK [18]
  • ただし、潜伏期間中(10〜21日)は注意深く観察

注意点2: ワクチン接種後の軽症例

  • ワクチン接種済みで軽症(発疹が少ない)の場合でも、すべてかさぶたになるまで出席停止 [17]
  • 「発疹が少ないから大丈夫」とは判断しない

ポイント

  • 出席停止期間: すべての発疹がかさぶたになるまで [17]
  • 通常、発症から 5〜7日程度
  • 兄弟姉妹は 本人に症状がなければ登園・登校OK [18]
  • 登園には 医師の許可証が必要なことが多い

まとめ

  • 水ぼうそうは 感染力が極めて強い(空気感染)
  • 特徴的な症状: 全身の水ぶくれの発疹。異なる段階の発疹が同時に存在
  • 治療は 抗ウイルス薬とかゆみ対策
  • ワクチンは 1歳での1回目と6〜12ヶ月あけた2回目の計2回接種で90〜95%予防可能
  • 出席停止: すべての発疹がかさぶたになるまで

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