愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.268
「目が見えているか心配です」、視力とスクリーニング
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
子どもの視力は生後から発達し、6歳頃に成人レベルに達します。視力の問題を早期に発見することは、弱視の予防に非常に重要です。最近はスマートフォンを使った簡易スクリーニングも可能になっています。今回は、子どもの視力とスクリーニングについてお伝えします。
Q1.「子どもの視力はいつ完成する?」
——赤ちゃんって、どれくらい見えているんですか?
新生児の視力は0.02くらい、明暗がぼんやりわかる程度です。そこから段階的に発達して、だいたい6歳で成人と同じ1.0に達します [1]
| 月齢・年齢 | 視力の発達 |
|---|---|
| 新生児 | 0.02程度。明暗が分かる |
| 3か月 | 0.04-0.08。人の顔が分かる |
| 6か月 | 0.1程度。物を目で追う |
| 1歳 | 0.2-0.3 |
| 3歳 | 0.6-0.8 |
| 6歳 | 1.0(成人レベル) |
| 視覚の臨界期 |
|---|
| 生後〜6歳:視力が発達する重要な時期 |
| この時期の異常を放置すると弱視に |
| 治療は早いほど効果的 |
ポイント
- 視力は6歳頃に完成
- 生後〜6歳が視覚の臨界期
- 早期発見・早期治療が重要
Q2.「視力スクリーニングの方法は?」
——まだ『C』のマークが答えられないうちは、どうやって視力を調べるんですか?
フォトスクリーナーという機器なら、赤ちゃんでも数秒で検査できるんです [2]。屈折異常や斜視を自動で拾ってくれる優れものです
| 検査方法 | 内容 |
|---|---|
| フォトスクリーナー | カメラのような機器。6か月から検査可能 |
| ランドルト環 | 3歳児健診で使用。「C」の開いている方向を答える |
| 絵指標 | 小さな子ども用の視力検査 |
| カバーテスト | 斜視の検出 |
| フォトスクリーナーの特徴 |
|---|
| 数秒で検査完了 |
| 泣いていても検査可能 |
| 屈折異常・斜視を検出 |
| 6か月の乳児から使用可能 |
| 3歳児健診で導入が進んでいる |
ポイント
- フォトスクリーナーで6か月から検査可能
- 数秒で検査完了
- 3歳児健診での導入が進んでいる
Q3.「3歳児健診の視力検査は重要?」
——3歳児健診の視力検査、家でうまくできなかったんですが、行く意味ありますか?
あります。むしろ3歳児健診は弱視を見つける最大のチャンスです [3]。家庭で練習できなくても、会場で検査できることが多いので、必ず受けてください
| 3歳児健診の視力検査 | 詳細 |
|---|---|
| 家庭で練習 | 事前に送付されるキットで練習 |
| 検査会場 | ランドルト環で検査 |
| フォトスクリーナー | 併用する自治体が増加中 |
| 異常の場合 | 眼科で精密検査 |
「家庭での練習がうまくいかなくても、健診会場では検査可能なことが多いです。必ず受けてください。」
ポイント
- 3歳児健診は弱視発見の重要な機会
- 必ず受けてください
- 家庭での練習がうまくいかなくてもOK
Q4.「こんなサインに気をつけて」
——健診以外で、家でも気づけるサインはありますか?
ふだんの様子のなかに手がかりはあります。次のうちひとつでも当てはまれば、一度眼科で診てもらってください [4]
| 目のサイン | 詳細 |
|---|---|
| 目を細める | 遠くを見る時に目を細める |
| テレビに近づく | 近くで見ようとする |
| 頭を傾ける | いつも同じ方向に傾ける |
| 目をこする | 頻繁に目をこする |
| 片目をつぶる | 片方だけ見えにくい |
| 目の位置がずれる | 斜視の可能性 |
| 白色瞳孔 |
|---|
| フラッシュ撮影で片目だけ白く光る |
| 網膜芽細胞腫(悪性腫瘍)の可能性 |
| すぐに眼科を受診 |
ポイント
- 目を細める、テレビに近づくは要注意
- 頭を傾けるのも視力異常のサイン
- フラッシュで白く光る目は緊急
Q5.「近視の予防は?」
——最近はタブレットを見る時間が長くて、近視にならないか心配です
近視予防でいちばん効果が確かめられているのは、屋外で過ごす時間を増やすことです [5]。1日2時間が目安になります
| 予防策 | 内容 |
|---|---|
| 屋外活動 | 1日2時間以上の屋外活動 |
| 近業の制限 | 読書・スマホは30cmの距離で |
| 20-20-20ルール | 20分に1回、20フィート先を20秒見る |
| 照明 | 十分な明るさで読書 |
| 姿勢 | 正しい姿勢で読書 |
「1日2時間以上の屋外活動が近視予防に最も効果的であることが、複数の研究で示されています。」
ポイント
- 屋外活動1日2時間以上が最も効果的
- 20-20-20ルールを実践
- スマホとの距離を保つ
今号のまとめ
- 視力は6歳頃に完成する
- 3歳児健診の視力検査は必ず受ける
- 目を細める、テレビに近づくは要注意
- 屋外活動1日2時間以上が近視予防に有効
- フラッシュで白く光る目は緊急
あわせて読みたい
- Vol.214「斜視」
- Vol.215「弱視」
- Vol.216「近視予防」
ご質問・ご感想
「視力が心配です」「近視を予防したい」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。
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