愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.297
「医療的ケアが必要な子どもの支援」、医療的ケア児の暮らしを支える
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
「人工呼吸器の子の預け先はありますか」「就学はどうなりますか」。医療の進歩で、在宅で医療的ケアを受けながら暮らす子どもが増えています。今回は医療的ケア児とご家族を支える制度をまとめます。
Q1.「医療的ケア児とは?」
——医療的ケア児とはどのような子どもですか?
医療的ケア児とは、人工呼吸器や経管栄養、たんの吸引などの医療的ケアを日常的に必要とする子どもです [1]。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 日常的に医療的ケアを必要とする児童 [1] |
| 人数 | 全国で約2万人(推計) [1] |
| 増加傾向 | 新生児医療の進歩により増加 [1] |
| 法的根拠 | 医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(令和3年施行) [2] |
| 主な医療的ケアの種類 |
|---|
| 人工呼吸器管理(NIPPV、気管切開) |
| たんの吸引 |
| 経管栄養(経鼻胃管、胃瘻) |
| 酸素療法 |
| 導尿 |
| 中心静脈栄養 |
| 人工肛門の管理 |
ポイント
- 医療的ケア児は全国で約2万人 [1]
- 2021年に医療的ケア児支援法が施行 [2]
- 障害の有無にかかわらず、医療的ケアが必要な子どもが対象
Q2.「どのような支援制度がありますか?」
——利用できる支援制度を教えてください
医療的ケア児を支えるさまざまな制度があります [2]。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 小児慢性特定疾病医療費助成 | 指定された疾患の医療費を助成 [2] |
| 障害児福祉手当 | 重度障害児への手当 |
| 特別児童扶養手当 | 障害児を養育する家庭への手当 |
| 居宅介護(ヘルパー) | 在宅での介護支援 [2] |
| 短期入所(ショートステイ) | 家族のレスパイトのための一時的な入所 [2] |
| 訪問看護 | 看護師が自宅を訪問してケアを提供 [2] |
| 港区の支援 |
|---|
| 港区障害者福祉課での相談対応 |
| 医療的ケア児コーディネーターの配置 [2] |
| 児童発達支援の利用 |
| 放課後等デイサービスの利用 |
ポイント
- 医療費助成、福祉手当、介護サービスを組み合わせて利用 [2]
- 訪問看護は在宅ケアの要
- レスパイト(家族の休息)のための短期入所も利用可能
Q3.「保育園や学校に通えますか?」
——医療的ケアがあっても保育園や学校に行けますか?
医療的ケア児支援法により、保育園・学校での受け入れが進んでいます [2]。
| 段階 | 支援体制 |
|---|---|
| 保育園 | 看護師配置により受け入れ可能な園がある [2] |
| 幼稚園 | 看護師配置や研修を受けた教員による対応 |
| 小学校(通常学級) | 看護師の配置、合理的配慮の提供 [2] |
| 特別支援学校 | 手厚い医療的ケアの体制 [2] |
| 放課後等デイサービス | 医療的ケア対応の事業所 |
| 就学に向けての準備 |
|---|
| 就学相談(教育委員会)に早めに相談 |
| 必要な医療的ケアの内容を整理 |
| 主治医の意見書を準備 |
| 見学・体験入学を行う |
| 学校との個別の支援計画を策定 |
ポイント
- 医療的ケア児支援法により学校での受け入れが義務化 [2]
- 就学相談は早めに行うことが重要
- 保育園・学校に看護師の配置が進んでいる
Q4.「家族のサポートはありますか?」
——毎日のケアで疲れ果てています
家族の負担軽減のための支援があります [3]。
| 家族支援 | 内容 |
|---|---|
| レスパイトケア | 短期入所やデイサービスで家族が休息 [3] |
| 訪問看護 | 自宅でのケアを看護師が代行 [3] |
| 家族会・親の会 | 同じ立場の家族とのつながり [3] |
| 相談支援専門員 | サービス利用計画の作成支援 [3] |
| 医療的ケア児コーディネーター | 関係機関との橋渡し [2] |
| 家族自身のケアも大切 |
|---|
| 一人で抱え込まない |
| 利用できる制度はすべて使う |
| 同じ立場の家族とつながる |
| 親自身の心身の健康を大切にする |
| きょうだい児のケアも忘れない |
ポイント
- レスパイトケアを積極的に活用する [3]
- 相談支援専門員がサービス利用をサポート
- 親自身の心身の健康も重要
Q5.「相談先を教えてください」
——どこに相談すればよいですか?
複数の相談先があります [2]。
| 相談先 | 対象・内容 |
|---|---|
| かかりつけ小児科 | 医療的な相談 |
| 港区障害者福祉課 | 福祉サービスの利用相談 [2] |
| 相談支援事業所 | サービス利用計画の作成 |
| 訪問看護ステーション | 在宅ケアの相談 |
| 医療的ケア児支援センター | 総合的な相談窓口 [2] |
| 東京都医療的ケア児支援センター | 都の専門相談 [2] |
| 災害時の備え |
|---|
| 電源確保(ポータブル電源、発電機) |
| 予備の医療物品(吸引カテーテル、経管栄養等) |
| 医療機関との緊急連絡体制 |
| 避難先の確保(福祉避難所の登録) |
| 災害時個別支援計画の作成 |
ポイント
- 医療的ケア児支援センターが総合的な窓口 [2]
- 災害時の備えは生命に直結するため十分な準備を
- 複数の相談先を知り、必要に応じて使い分ける
今号のまとめ
- 医療的ケア児は全国で約2万人、増加傾向
- 医療的ケア児支援法により学校等での受け入れが進む
- 医療費助成、福祉手当、訪問看護など多様な支援がある
- レスパイトケアを活用し、家族の負担軽減を
- 災害時の備えは特に重要
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