今回のテーマは赤ちゃんの寄り目(偽斜視)です。
「赤ちゃんの目が内側に寄っている気がする」「斜視じゃないかと心配」、乳児健診でとても多いご相談です。実は、赤ちゃんの寄り目の大半は偽斜視(ぎしゃし)といって、見かけ上の内斜視です [1]。本当の斜視ではありません。ただし、中には本当の斜視が隠れていることもありますので、見分け方を知っておきましょう。
なぜ赤ちゃんは寄り目に見えるんですか?#
本当の斜視との見分け方はありますか?#
| チェック方法 | やり方 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| ペンライトテスト(角膜反射法) | 暗い部屋で赤ちゃんの正面30cmくらいからペンライトを当てる | 両目の角膜(黒目の表面)に映る光の点が左右対称なら正常。ずれていたら斜視の可能性 |
| 写真フラッシュチェック | フラッシュをたいて正面から写真を撮る | 写真に映る目の光の反射(赤目の位置)が左右対称なら正常 |
| 片目隠しテスト | 片目を手で隠し、離した時の目の動きを見る | 隠していた目が内側や外側にずれてから戻る動きがあれば斜視の可能性 |
ポイント
- ペンライトテスト:光の反射点が左右対称なら正常 [2]
- 写真のフラッシュでも光の反射位置で左右差をチェックできる
- 疑わしい場合は必ず眼科を受診
赤ちゃんでも斜視の治療は必要ですか?#
| 治療法 | 内容 |
|---|---|
| 遮閉法(アイパッチ) | よく見える方の目を隠して、弱視の目を使わせる訓練 |
| メガネ | 遠視が原因の斜視(調節性内斜視)に特に有効 |
| 手術 | 目を動かす筋肉のバランスを調整する。日帰り〜1泊で可能 |
いつまでに受診すればいいですか?受診の目安は?#
| 受診すべきケース | 理由 |
|---|---|
| 生後4ヶ月以降も明らかな斜視が持続 | 新生児期の一過性の目のずれは生後2〜4ヶ月で安定する。4ヶ月以降の持続は要検査 |
| 片目だけいつも同じ方向にずれている | 一定の斜視は偽斜視では説明できない |
| 写真で光の反射位置が左右で異なる | 角膜反射の非対称は真の斜視を示唆 |
| 目を細めたり、頭を傾けたりする | 見にくさを補おうとする行動 |
| 家族に斜視・弱視の方がいる | 遺伝的リスクがある場合は早めにスクリーニング |
今号のまとめ#
- 赤ちゃんの寄り目の大半は偽斜視。内眼角贅皮が原因で2〜3歳で自然に改善 [1]
- ペンライトテスト(角膜反射法)で本当の斜視と見分けられる [2]
- 斜視を放置すると弱視のリスク。臨界期(〜6〜8歳)の治療が重要 [3]
- 生後4ヶ月以降の持続する斜視は眼科受診を [1][5]
- 3歳児健診の視力検査は必ず受ける。早期発見が子どもの視力を守る