5歳児健診
5歳(年中相当)
3歳児健診と就学時健診の間を埋める重要な健診です。一次健診は受託医療機関で身体測定・問診・診察を個別に受けます。経過観察と判定された方や育児の困り感がある場合は、みなと保健所で二次健診(専門相談:集団指導・集団遊び・個別相談・専門相談)を受けられます。集団生活を経験した5歳の時点で、発達障害(ADHD・自閉スペクトラム症・学習障害など)の早期発見と就学前の支援につなげることが目的です。
医師のチェックポイント
1身体発育の評価
身長・体重を測定し、乳幼児身体発育曲線(成長曲線)にプロットして評価します。肥満度算出シートを用いて肥満度(%)も確認します。
おかもん先生のひとこと
体重と身長のバランスを重視します。97%タイル超えや3%タイル未満の場合、また3歳児健診からのカーブの変化(急な体重増加や伸び悩み)がないかを確認しています。肥満度30%以上は医療機関紹介を検討します。
2運動機能
粗大運動として片足立ち(5秒以上)と左右差を確認します。微細運動として母指と示指のタッピング(連続的な指合わせ)の巧緻性と左右差を確認します。
おかもん先生のひとこと
片足立ちが5秒以下の場合や左右差がある場合は精査を検討します。タッピングがリズムよくできない、片方は正常でも反対側がうまくいかないなどは発達性協調運動障害(DCD)の可能性があり、康復相談や専門機関を紹介することがあります。
3感覚器(視力・聴力)
視力や目の位置に異常がないか、保護者からの視覚に関する心配事を確認します。3歳児健診の視覚検査で要精密となった場合はその後の経過を確認します。聴力については発音の不明瞭さや聞き返しの多さをチェックします。
おかもん先生のひとこと
弱視の治療は6歳を過ぎると効果が下がるため、5歳でのチェックは最後のチャンスに近いです。滲出性中耳炎による一過性の聴力低下がこの年齢に多く、言語発達に影響することがあります。発音の不明瞭さの原因が聴力にある場合もあるため、耳鼻科での精密検査を勧めることがあります。
4理解・認知の評価
会話のやりとり(氏名・年齢を正しく答えるか)、所属する園や先生の名前が言えるか、ジャンケン(3回を目安に勝ち負けの判定ができるか)、しりとり(3往復を目安に正しくルールを理解しているか)を確認します。
おかもん先生のひとこと
ジャンケンは勝ち負けの概念理解とルール遵守を、しりとりは音韻認識と語彙力を見る簡便なスクリーニングです。自分の気持ちや考えを言葉にできるかも重要なポイントです。発音が不明瞭な場合は「構音の問題」か「理解の問題」かを区別して評価しています。吃音(どもり)はこの年齢で出やすいですが、多くは自然に改善します。
5情緒・行動
不安や怖がりの程度、かんしゃくや粗暴な行動、落ち着きのなさ(多動)、不注意、集団行動に参加できないなどを確認します。診察中の行動観察も行います。
おかもん先生のひとこと
すぐに立ち歩いてしまう場合は多動の可能性をチェックします。かんしゃくの相談は「頻度・強さ・持続時間」を聞き取り、家庭での対応困難さがあるかを評価します。不安が強く診察で質問に答えられない場合も、その反応自体が情報になります。虐待の兆候(打撲痕や不自然な傷跡)にも注意を払っています。
6遊び・生活習慣
集団での遊びに参加できているか、外遊びの状況を確認します。食事・歯磨き・排泄・睡眠・身支度などの生活習慣の自立度も確認します。
おかもん先生のひとこと
集団遊びへの参加は社会性の重要な指標です。体を使った外遊びができているかは運動発達にも関わります。5歳では食事・歯磨き・排泄・身支度がおおむね自立していることが期待されます。生活リズムの乱れが行動面の課題に影響していることもあるため、睡眠時間も確認しています。
持ち物・準備リスト
- 母子健康手帳
- 5歳児健康診査受診票・アンケート
- 健康保険証・乳幼児医療証
- 園からの情報
- 日頃の様子のメモ
よくある質問
5歳児健診はどこで受けるのですか?
一次健診は港区の受託医療機関(かかりつけの小児科等)で個別に受けます。受診票が届いたら、医療機関に予約して受診してください。一次健診で「経過観察」と判定された場合や、保護者が育児に困り感がある場合は、みなと保健所で二次健診(専門相談)を受けることができます。
二次健診(みなと保健所専門相談)では何をするのですか?
二次健診では、まず集団講話(就学に向けた準備や相談先の説明)を受け、次にお子さんの集団遊びの様子を保護者と専門職が一緒に観察します。その後、保健師による個別相談と、必要に応じて専門相談(心理相談・栄養相談・療育(発達支援)相談)を受けられます。健診後は多職種カンファレンスで今後の支援内容が検討されます。
3歳児健診で問題なかったのに、5歳で引っかかることはありますか?
あります。軽度のADHDや自閉スペクトラム症は、3歳の時点では「少し活発」「マイペース」程度で見過ごされることがあります。集団生活が本格化する4〜5歳になって「友達とうまく遊べない」「指示が通りにくい」「切り替えが苦手」などの形で顕在化することは珍しくありません。
「経過観察」と言われました。どんなフォローが受けられますか?
港区には充実したフォローアップ体制があります。まず児童発達支援センター「ぱお」(03-6277-3903)に電話してください。心理士・作業療法士・言語聴覚士などの専門職がお子さんを評価し、必要な支援につなげます。そのほか、みなと保健所の専門相談、子ども家庭支援センター(03-5962-7215)、区立教育センター(教育相談・みんなのCafeひだまり)、所属園への巡回指導、学区域の小学校との連携、医療機関(小児精神科)への紹介など、お子さんの状況に合わせた支援が受けられます。
児童発達支援センターの詳細を見る就学相談との関係はどうなりますか?
5歳児健診で発達面の課題が見つかった場合、港区の就学相談につなげることができます。就学相談では、お子さんに合った学びの場(通常学級、通級指導教室、特別支援学級など)を一緒に考えます。就学相談は年長の夏頃から始まるため、5歳児健診で早めに相談を始めておくとスケジュールに余裕が持てます。二次健診で就学までの案内資料も配布されます。
ワンポイントアドバイス
受診票は生まれ月に応じて3ヶ月分まとめて届きます。届いたら早めに医療機関を予約しましょう
問診アンケート(20問以上)は事前にじっくり記入しておくと、当日の健診がスムーズです
保育園・幼稚園での様子を先生に事前に聞いておくと、健診がより有意義になります
気になる結果が出ても、児童発達支援センター「ぱお」(03-6277-3903)に電話すれば専門職の評価・療育が受けられます
発達が気になったら
健診で「経過観察」と言われた場合や、日頃からお子さんの発達に気になることがある場合は、港区の児童発達支援センター「ぱお」にご相談ください。心理士・作業療法士・言語聴覚士などの専門職が、お子さんの状況を評価し、必要な支援を一緒に考えてくれます。
次の健診
就学時健診
5歳半〜6歳(就学前年の秋)
※ この情報は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。 健診の時期や内容についてはかかりつけの小児科医にご相談ください。