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「最近やたらまばたきが多いのですが、目の病気でしょうか」。眼科受診で異常なしと言われて小児科にいらっしゃる方が多い相談です。多くは一過性のチック(運動チック)で、4-10歳の学童期に高頻度で見られます [1]。

チックとは何ですか?#
| 種類 | 例 |
|---|---|
| 単純運動チック | まばたき、顔しかめ、肩すくめ |
| 複雑運動チック | ジャンプ、触る |
| 単純音声チック | 咳払い、鼻すすり |
| 複雑音声チック | 言葉の反復 |
種類例
単純運動チック
まばたき、顔しかめ、肩すくめ
複雑運動チック
ジャンプ、触る
単純音声チック
咳払い、鼻すすり
複雑音声チック
言葉の反復
チックは「急に、繰り返し、不随意に」起こる運動または発声で、本人は抑えようとすれば一時的に止められます。ただしその後に反動で増える(リバウンド)のが特徴です [1]。

一過性か慢性かを分けるもの#
DSM-5の分類では経過期間で整理されます [2]。
| 診断 | 期間 |
|---|---|
| 一過性(暫定的)チック症 | 1年未満 |
| 慢性運動/音声チック症 | 1年以上(運動または音声どちらか) |
| トゥレット症候群 | 1年以上かつ運動・音声両方 |
診断期間
一過性(暫定的)チック症
1年未満
慢性運動/音声チック症
1年以上(運動または音声どちらか)
トゥレット症候群
1年以上かつ運動・音声両方
一過性チックは学童期の10-20%が経験し、多くは数週間〜数か月で自然に消失します [1]。

家庭での対応#
最も大事なのは「気にしない環境を作る」ことです。
| 有効な対応 | 内容 |
|---|---|
| 指摘しない | まばたきに触れない |
| 安心環境 | 叱責・緊張を減らす |
| 睡眠確保 | 疲労はチックを増やす |
| 運動 | 発散の機会を作る |
| 学校連携 | 先生にも指摘を控えてもらう |
有効な対応内容
指摘しない
まばたきに触れない
安心環境
叱責・緊張を減らす
睡眠確保
疲労はチックを増やす
運動
発散の機会を作る
学校連携
先生にも指摘を控えてもらう
避けたい対応
- 「やめて」と指摘
- ビデオで見せて意識させる
- 罰やからかい

合併症と鑑別#
| 合併しやすい | 頻度 |
|---|---|
| ADHD | 20-50% |
| 不安障害 | 30% |
| 強迫症(OCD) | 20-30% |
| 学習障害 | 20% |
合併しやすい頻度
ADHD
20-50%
不安障害
30%
強迫症(OCD)
20-30%
学習障害
20%
また、まばたきチックの鑑別として、眼瞼痙攣・結膜炎・屈折異常・ドライアイも考慮します [3]。眼科受診が必要なのはこちらを除外するためです。
受診の目安と治療#
| 受診の目安 | 科 |
|---|---|
| 1年以上続く | 小児科・小児神経 |
| 生活・学習に支障 | 小児神経・児童精神 |
| 複数部位に広がる | 小児神経 |
| 強い不安・強迫合併 | 児童精神 |
| 眼症状が強い | 眼科 |
受診の目安科
1年以上続く
小児科・小児神経
生活・学習に支障
小児神経・児童精神
複数部位に広がる
小児神経
強い不安・強迫合併
児童精神
眼症状が強い
眼科
治療が必要になった場合、第一選択は行動療法(CBIT: Comprehensive Behavioral Intervention for Tics)です [4]。薬物療法は限定的に使います。
まとめ#
- まばたきチックは学童期に多い一過性現象
- 指摘・叱責は悪化因子
- 睡眠・安心環境が最大の治療
- 1年以上・生活支障で専門受診
- 併存する不安・ADHDの評価も